例題:
「サイコロを 56 回振って目の出方を調べたところ,表 1 のようになった。このサイコロは正しいサイコロといえるだろうか。」
出た目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
回数 | 10 | 12 | 9 | 4 | 13 | 8 | 56 |
検定手順:
例題では,$n = 56$,$k = 6$ である。
例題では,$O_{1} = 10, O_{2} = 12, \dots , O_{6} = 8$ である。
例題では,正しいサイコロならば,どの目の出る確率も等しく $\displaystyle \frac{1}{6}$ であるはずである($p_{1} = p_{2} = \dots = p_{6} = 1/6$ )。
したがって,各目の出る期待値は,$E_{1} = E_{2} = \dots = E_{6} =56\times \displaystyle \frac{1}{6} = 9.333$ である。
例題では,このステップは不要である。
$m = k = 6$ である。
例題では,自由度が $5$ の $\chi^2$ 分布に従う。
例題では,自由度 $5$ の $\chi^2$ 分布において,$\Pr\{\chi^2 \geqq 11.07\}= 0.05$ であるから,$P = \Pr\{\chi^2 \geqq 5.5\}\gt 0.05$ である(正確な有意確率:$P = 0.3579459$)。
例題では,有意水準 $5\%$ で検定を行うとすれば($\alpha = 0.05$),$P \gt \alpha$ であるから,帰無仮説は棄却できない。すなわち,「サイコロの目の出方は等しくないとはいえない」。
注1:理論比が一定 $p_{i}\ (i=1, 2, \dots , k)$ の場合は,特に一様性の検定と呼ばれる。
注2:順序尺度データ以上の場合には,もっと適切な検定手法がある。
演習問題:
「表 2 において,表現形質が 9:3:3:1 になっているかどうか検定しなさい。」
表現形質 | AA | Ab | aB | ab | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
観察度数 | 29 | 12 | 8 | 2 | 51 |
問題1 帰無仮説はどれか。a,b のいずれかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題2 表現形質が aB であるものの期待値を求めなさい。答えは小数点以下 4 桁まで正確に求め,解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題3 $\chi^2_0$ 検定統計量を求めなさい。答えは小数点以下 4 桁目で四捨五入した値を解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題4 求められた $\chi^2_0$ 検定統計量は,自由度いくつの $\chi^2$ 分布に従うか,答えを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題5 有意確率は 0.05 より大きいか小さいか。a,b のいずれかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題6 有意水準 $5\%$ で検定を行うとき,帰無仮説は棄却できるかできないか。a,b のいずれかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題7 最終的な結論はどうなるか。a,b のいずれかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
R で計算してみる応用問題: