No.14463 Re: 二群の平均値の差の検定 【青木繁伸】 2011/03/24(Thu) 18:55
> 2つの母分散が未知でも,サンプル数が100以上(大標本)ならZ検定と書いてあるものがあります。
そのような本には「サンプル数」と書いてあるのかも知れませんが,正しくは「標本の大きさ」または「サンプルサイズ」(ともに sample size の正しい訳語)と言います。
大 標本論による検定は,旧時代的です。サンプルサイズがどんなに大きくても,t検定を行えばよいのです。そのような場合には,t分布が標準正規分布で近似で きるだけです(正確な計算ができるのに近似計算をするのは無意味だ)。標準正規分布表に頼って(あるいは,1.96というマジックナンバーを使って)検定 をしなければならない時代ならともかく。
また,母分散が既知であるようなことは「ほとんどない」(まあ,特定の値を仮定できるというようなことはあるでしょうけど,その妥当性は場合によりけりでしょう)。
いずれにせよ,そのようなことの書いてある本は,眉に唾しながら読むのがよいかもしれませんね。
No.14464 Re: 二群の平均値の差の検定 【mami】 2011/03/25(Fri) 00:41
青木先生,早速のご回答ありがとうございます!
やはり,サンプルサイズ(サンプル数は私の間違いでした。失礼しました。)が大きくてもt検定でいいのですね。安心しました。
それから,二群の平均値の差の検定では「2つの母分散が既知」という場合は少ないように思いますが,この場合もt検定でいいのでしょうか。
「1群の母平均の検定」について
だんだん疑問が生まれてしまい,追加の質問で恐縮ですが,「母平均の検定」に関し下記のページでは
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/Mean1.html
(1)母分散が未知の場合は,t検定
(2)母分散が既知の場合は,z検定
となっています。
SPSSでは「1サンプルのt検定」しかなく,z検定はないようです。それから,これまた怪しい本かもしれませんが,z検定は載っていないものも結構あります。t検定で代用できるということでしょうか。
No.14465 Re: 二群の平均値の差の検定 【青木繁伸】 2011/03/25(Fri) 08:15
> 「母平均の検定」に関し下記のページでは...t検定とz検定両方記載されている
そうですよね。論旨が破綻しているではないかといわれちゃいますよね。
これも,2つの式を比較すると,Uがσ^2で推定されているわけで,母分散が分からないときには U を使うしかないというだけです。
No.14466 Re: 二群の平均値の差の検定 【michi】 2011/03/25(Fri) 11:03
青木先生,再度のご回答ありがとうございます。
>そうですよね。論旨が破綻しているではないかといわれちゃいますよね
いいえ,とんでもありません。
結局,「母平均の検定」も「二群の平均値の差の検定」も
(1)母分散が未知の場合は,t検定
(2)母分散が既知の場合は,z検定
ただし,母分散が既知の場合はあまりない。特に,「二群の平均値の差の検定」
においてはほとんどないから,t検定を使うと考えて問題ない
という理解でよろしいでしょうか。
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