No.14462 二群の平均値の差の検定  【mami】 2011/03/24(Thu) 11:50

いつも勉強させていただいています。最適の統計手法のページ
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/FlowChart/Tutorial.htmlから
自分の行いたい検定を選んでいくと,二群の平均値の差の検定(t 検定)のページ
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/t-test.html
にたどり着きます。

パラメトリック検定を前提にしていますが,統計の本を読んでいると,「二群の平均値の差の検定」では
(1)サンプル数が100未満,かつ,2つの母分散が既知
(2)サンプル数が100以上(大標本)
ならZ検定と書いてあるものが結構あります。つまり,2つの母分散が未知でも,サンプル数が100以上(大標本)ならZ検定と書いてあるものがあります。

私はこれまでアンケート結果など100以上のサンプルでも,先生のページと同じt検定を行っていました。アンケートなので,母分散は未知です。しかし,大標本のケースです。t検定で問題ないのでしょうか。

おそらく,先生のページでt検定にたどり着くので問題ないと思うのですが,なぜ,本にはそのように書かれているのか疑問です。

ご指導よろしくお願いいたします。

No.14463 Re: 二群の平均値の差の検定  【青木繁伸】 2011/03/24(Thu) 18:55

> 2つの母分散が未知でも,サンプル数が100以上(大標本)ならZ検定と書いてあるものがあります。

そのような本には「サンプル数」と書いてあるのかも知れませんが,正しくは「標本の大きさ」または「サンプルサイズ」(ともに sample size の正しい訳語)と言います。

大 標本論による検定は,旧時代的です。サンプルサイズがどんなに大きくても,t検定を行えばよいのです。そのような場合には,t分布が標準正規分布で近似で きるだけです(正確な計算ができるのに近似計算をするのは無意味だ)。標準正規分布表に頼って(あるいは,1.96というマジックナンバーを使って)検定 をしなければならない時代ならともかく。

また,母分散が既知であるようなことは「ほとんどない」(まあ,特定の値を仮定できるというようなことはあるでしょうけど,その妥当性は場合によりけりでしょう)。

いずれにせよ,そのようなことの書いてある本は,眉に唾しながら読むのがよいかもしれませんね。

No.14464 Re: 二群の平均値の差の検定  【mami】 2011/03/25(Fri) 00:41

青木先生,早速のご回答ありがとうございます!

やはり,サンプルサイズ(サンプル数は私の間違いでした。失礼しました。)が大きくてもt検定でいいのですね。安心しました。
それから,二群の平均値の差の検定では「2つの母分散が既知」という場合は少ないように思いますが,この場合もt検定でいいのでしょうか。

「1群の母平均の検定」について

だんだん疑問が生まれてしまい,追加の質問で恐縮ですが,「母平均の検定」に関し下記のページでは
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/Mean1.html
(1)母分散が未知の場合は,t検定
(2)母分散が既知の場合は,z検定
となっています。

SPSSでは「1サンプルのt検定」しかなく,z検定はないようです。それから,これまた怪しい本かもしれませんが,z検定は載っていないものも結構あります。t検定で代用できるということでしょうか。

No.14465 Re: 二群の平均値の差の検定  【青木繁伸】 2011/03/25(Fri) 08:15

> 「母平均の検定」に関し下記のページでは...t検定とz検定両方記載されている

そうですよね。論旨が破綻しているではないかといわれちゃいますよね。

これも,2つの式を比較すると,Uがσ^2で推定されているわけで,母分散が分からないときには U を使うしかないというだけです。

No.14466 Re: 二群の平均値の差の検定  【michi】 2011/03/25(Fri) 11:03

青木先生,再度のご回答ありがとうございます。

>そうですよね。論旨が破綻しているではないかといわれちゃいますよね
いいえ,とんでもありません。

結局,「母平均の検定」も「二群の平均値の差の検定」も
(1)母分散が未知の場合は,t検定
(2)母分散が既知の場合は,z検定
ただし,母分散が既知の場合はあまりない。特に,「二群の平均値の差の検定」
においてはほとんどないから,t検定を使うと考えて問題ない

という理解でよろしいでしょうか。

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