No.09677 フィッシャーの正確確率検定(2×2以外の場合)  【masHARA】 2009/04/14(Tue) 22:51

御世話になります。
2×2分割表以外の場合のフィッシャーの正確確率検定への質問がいくつか見られますが (No.8845やNo.9350,No.9556),2×2分割表以外の場合のフィッシャーの正確確率検定の仕組みが良く分かりません。2×2分割表以 外の場合でも,周辺度数を固定して全ての起こりうる事象の確率を考えるところまでは理解できるのですが,観察された事象よりも極端な事象をどう考えればよ いのか分かりません。2×2以外のフィッシャーの正確確率検定について,他のサイトでも調べてみましたが,より極端な事象をどう考えればよいのかが分から ないため,こちらで質問させていただきました。
三重大学の奥村先生のページ(http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/stat/fishertest.php)にある,麻生内閣の支持率の例で行けば
調査機関  支持  それ以外
読売 228 863
毎日 217 814
朝日 456 1618
NHK 284 851
となっています。
読売で最も低く,NHKで最も高くなっていますので,この2つについて極端な場合は理解できますが,朝日と毎日はどうすればよいのでしょうか。

No.09678 Re: フィッシャーの正確確率検定(2×2以外の場合)  【ひの】 2009/04/14(Tue) 23:34

以下のページの下の方の注に簡略に説明されていますが,2×2分割表の正確確率検定の方法には2通りのやり方があり,生起確率に注目する方法(Fisherの方法)とカイ二乗統計量に注目する方法(Pearsonの方法)があります。
Fisherの方法は2×2の分割表にしか適用できませんので,それ以外の分割表に正確確率検定を適用するときにはカイ二乗値に注目するPearsonの方法を使います。ですからこの方法に対してFisherの名を冠するのが適当なのかどうか私は若干疑問に思っています。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Cross/Fisher.html

No.09683 Re: フィッシャーの正確確率検定(2×2以外の場合)  【青木繁伸】 2009/04/15(Wed) 06:25

「極端」の意味は,以下の前半部に書いてあるとおりです。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/fisher.html
SPSS や SAS や R では Fisher 流のP値の決め方を採用しています(オプション選択できない)。http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/fisher.html では,どちらも選べるが,デフォルトは Fisher 流。

No.09684 Re: フィッシャーの正確確率検定(2×2以外の場合)  【masHARA】 2009/04/15(Wed) 08:45

早速の御返答,まことに有難う御座います。
一旦,教えて頂きましたページをじっくり読ませていただきます。
それでも,分からない際には,再度質問させていただきたく存じますので,よろしく御願い申し上げます。

No.09692 Re: フィッシャーの正確確率検定(2×2以外の場合)  【masHARA】 2009/04/15(Wed) 19:09

[極端」の意味が理解できましたと思います。
読売では支持率が低く,NHKでは支持率が高いと言うことではなく
とにかく,観察された事象より「生起確率が低い」=「極端」だったのですね。

これを考えると,2×2分割表以外では,片側検定は出来ないと考えてよいでしょうか。
また,検定で有意差が出たとしても,読売の支持率がどうこうとは言えないということでしょうか。

読売の支持率の低さを言おうとすれば
読売以外の機関(毎日,朝日,NHK)の結果をまとめて,
「読売」と「読売以外」で,「支持」と「それ以外」の2×2分割表を作り,
片側検定を行えば良いのでしょうか。
更に毎日についても確認したい場合には,
「毎日」と「毎日以外(読売,朝日,NHK)で片側検定を行えば良いのでしょうか。
この時,読売はどういう扱いになるのでしょうか。
また,片側検定を行う場合,多重比較の時のように,危険率を調整する必要はあるのでしょうか。

再度の質問となりますが,よろしく御願い申し上げます。

No.09693 Re: フィッシャーの正確確率検定(2×2以外の場合)  【青木繁伸】 2009/04/15(Wed) 19:25

> 2×2分割表以外では,片側検定は出来ないと考えてよいでしょうか

フィッシャーの正確検定に限らず,カイ二乗検定(独立性の検定)であっても,2×2分割表以外の場合には,片側検定はあり得ません。

> 読売の支持率の低さを言おうとすれば,読売以外の機関(毎日,朝日,NHK)の結果をまとめて,「読売」と「読売以外」で,「支持」と「それ以外」の2×2分割表を作り,片側検定を行えば良いのでしょうか。

それはそれでよいとは思うが,次に「更に毎日についても確認したい場合には」などとなるので,比率の差の検定の多重比較を行えば以下が?要するに今の例だと2社ずつ比べる。

K 群の比率の差の検定・多重比較
* ライアンの方法
     http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Hiritu/Pmul-Ryan.html
* テューキーの方法
     http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Hiritu/Pmul-Tukey.html

No.09718 Re: フィッシャーの正確確率検定(2×2以外の場合)  【masHARA】 2009/04/16(Thu) 23:01

御回答,有難う御座いました。
確かに,独立性の検定以外はフィッシャーの正確確率検定に
こだわる必要はありませんでした。

今後とも,御世話になる機会が多々あるかと存じますが,
よろしく御願い申し上げます。

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