No.04266 Re: 二項分布と母集団の性質との関係 【青木繁伸】 2007/08/28(Tue) 17:24
「全住民の5%がある感染症に罹患しており」ということは「とても病気になりやすい人や,丈夫で全く病気にならない人等,色々いますよね? この度合いがどんな分布でも」というのとは全く無関係です。
罹患という言葉で迷わされているのかも知れませんが,「母比率が5%のときに,無作為に500人選んだら,その中に該当者が30人以上いる確率」ということです。
「『年 収1000万円以上の人をお金持ち』と決めた」ら,母集団中にそのような人が何パーセントいるか(母比率)は定義できますね。所得の分布が何であろうと無 関係です。「年収1000万円以上の人が何人いるか分からない」とか,「分母(母集団人口)が分からない」というような場合も当然あるかも知れませんが, そのような場合には母比率を計算できない(推定はできるかも知れないが)ので,二項分布に基づいて「『お金持ち』が30人以上いる確率」を求めることはで きません。
No.04282 Re: 二項分布と母集団の性質との関係 【石田】 2007/08/29(Wed) 12:22
青木先生
ご丁寧な回答,痛み入ります。
つまり,母比率がわからない場合は,二項分布はあてはめられない,ということでしょうか? 一定回数のサンプリング実験をし,母比率を『推定』したのち,二項分布から「『お金持ち』が30人以上いる確率」を求めることは,統計学的に正しいでしょうか。
ご教示いただければ幸いです。
No.04284 Re: 二項分布と母集団の性質との関係 【青木繁伸】 2007/08/29(Wed) 13:32
> 一定回数のサンプリング実験をし,母比率を『推定』したのち,二項分布から「『お金持ち』が30人以上いる確率」を求めることは,統計学的に正しいでしょうか。
正しいです。
母 数というのは普通分からない(母数がいくつなんて言うのは,理論的にそうなるとか,今までの経験ではそうだとかいっているだけ)ので,母比率を推定してそ れから二項分布に当てはめます。そして当てはまりの程度を検定すると,その分布に従うといえるかどうかわかるわけです。
正規分布のあてはめと適合度の検定
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/GoodnessOfFitness/normaldist.html
ポアソン分布のあてはめと適合度の検定
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/GoodnessOfFitness/poissondist.html
二項分布へのあてはめと適合度の検定(練習問題-2)
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Bunpu/nikou.html
● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 040 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る