★ Risk Ratioの適用に関して ★

9065. Risk Ratioの適用に関して ひらい 2006/01/16 (月) 13:42
└9068. Re: Risk Ratioの適用に関して 青木繁伸 2006/01/16 (月) 14:31
 └9072. Re^2: Risk Ratioの適用に関して ひらい 2006/01/16 (月) 15:19


9065. Risk Ratioの適用に関して ひらい  2006/01/16 (月) 13:42
 いつも当サイトで勉強させて頂いております。この度は,リスク比(Risk Ratio)に関して質問させて頂きたく投稿いたします。

 抗生物質を投薬することによって,病気を発症しても短期間に終わるかということを評価したいと考えております。データは,以下のようなものになります。

投薬後の観察日数(day)
対照群
No. 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 - - - - - - + + + +
2 - - + + + + + * * *
3 - - - - - - - - - -
4 - - - - + + + + + +
5 - - - - - - - - - -
投薬群
6 - - - - - - - - + +
7 - - - - - - - - - -
8 - - - - - - + + + +
9 - - - - - - - - - -
10 - - - - - - - + * *
 どの個体もスタート時点では健康
 1日1回観察 健康:-,発症:+,死亡:*

 まず,発症日数をMann-Whitneyの方法で検定を行うことを考えました。データは,対照群={4,5,0,7,0},投薬群={2,0,4,0,1}として,死亡後は観察できなかったものとして,カウントしないようにいたしました。

 しかし,これでは,死亡個体の観察日数が短くなってしまっていることを評価できないと考え,観察日数を考慮できる計算方法を検討いたしました。結果,データを,以下の表のように,各群で発症を観察した総日数と,観察できた総日数を求めました。

    発症日数 非発症日数 観察日数
対照群 15 32 47
投与群 7 41 48

 このデータをもとに,有意差検定を行いたく,Risk Ratioを計算し,95%信頼区間(C.I.)を求めることとしました。

RR = ( 7 / 48 ) / ( 15 / 47 ) = 0.457
C.I = 0.457 * exp( -1.96 * √V(logφ) ) 〜 0.457 * exp( +1.96 * √V(logφ) )
  ※V(logφ) = ( 1 / 15 ) - ( 1 / 47 ) + ( 1 / 7) - ( 1 / 48 )
= 0.20 〜 1.02

  信頼区間が1を跨いでいるので,P>0.05となり有意差なしと判断致しました。ここで疑問があるのですが,個体数が1つ増える毎に,観察の機会が 観察日数分増加し,V(logφ)の値に大きく影響してしまうと思っております。今回,私が行ったこの方法が妥当であるか,自分で判断できずにおります。 もし,アドバイス頂けるようでしたら,よろしくお願い申し上げます。

 なお,計算方法は,http://risk.kan.ynu.ac.jp/nakai/2003EnvEpi.pdfを参考にさせて頂きました。この資料に記載されております率比(Rate Ratio)の計算式を適用した方がよいのではないかとも考えております。

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9068. Re: Risk Ratioの適用に関して 青木繁伸  2006/01/16 (月) 14:31
細かいところまで検討しておりませんが,データは打ち切りがあるデータのようですので,一般化ウイルコクソン検定などを検討するとよいのかもしれません。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Survival/gw.html

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9072. Re^2: Risk Ratioの適用に関して ひらい  2006/01/16 (月) 15:19
 御返答誠にありがとうございます。大変良い勉強をさせて頂きまして,厚く御礼申し上げます。

 ご指摘頂きました一般化Wilcoxon検定を行ってみました。この際に,イベントとしましては,最後まで死なずに観察できた個体を1とし,死亡して観察を打ち切られた個体を0である打ち切りデータと致しました。

> time <- c(4,5,0,6,0,2,0,4,0,1)
> group <- c(1,1,1,1,1,2,2,2,2,2)
> event <- c(1,0,1,1,1,1,1,1,1,0)
> Gen.Wil(group, event, time)
W Var(W) Z value P value
5.0000000 76.6666667 0.5710402 0.5679724

  ところで,通常のWilcoxon検定では,同順位データがありますと,正確なP値を計算できない旨の警告がでます。また,この実験系では,発症0日の個 体が頻繁に出現し,0日の個体が大半を占めてしまう傾向があるのです。このことが検定結果に影響するように感じており,「バイオサイエンスの統計学 市原清志著 南江堂 P95」を参照致しますと,同順位データの補正をしても大きくは変わらないとあるのですが,やはり,同順位が多いとよい比較にはならない様に感じてしまい ます。

 実験デザイン上,0日の個体が多くなるということで,デザインの見直しが必要なのかもしれませんが,現在の方法が一番シンプルで 直感的であると考えておりまして,この結果についてなんとか上手な解析手法がないかと検討致しております次第です。上記の同順位データに関しまして,私が 考えていることは誤っておりますでしょうか?

余談ではありますが,発症率に関しまして,投薬により発症頻度を下げ,なおかつ発症時期も遅らせることを評価したいと考えております。当サイトの情報を参考にさせて頂きまして,Kaplan-Meier法http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Survival/k-m.htmlによって非発症率を求め,Log rank検定http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Survival/lr.htmlを行うことを検討しておりました。この方法にも,イベントという概念があり,様々な方法があるのだと思った次第でありますが,この場合は,最後まで生き残った個体(もし,発症せずに死亡した個体があった場合はそれらも)を打ち切りデータとしました。

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