★ 試行回数を統計的に反映させる方法論 ★

7848. 試行回数を統計的に反映させる方法論 student 2005/10/06 (木) 15:00
└7849. Re: 試行回数を統計的に反映させる方法論 ひの 2005/10/06 (木) 15:15
 └7851. Re^2: 試行回数を統計的に反映させる方法論 kzkishi 2005/10/06 (木) 15:36
  └7855. Re^3: 実はそれを複数の被験者に行いたいのですが… student 2005/10/06 (木) 16:14
   └7856. Re^4: 実はそれを複数の被験者に行いたいのですが… 青木繁伸 2005/10/06 (木) 16:25
    └7857. Re^5: 1 student 2005/10/06 (木) 17:04
     ├7859. Re^6: 1 青木繁伸 2005/10/06 (木) 17:43
     └7858. Re^6: 2 student 2005/10/06 (木) 17:04
      └7861. Re^7:  student 2005/10/06 (木) 18:42


7848. 試行回数を統計的に反映させる方法論 student  2005/10/06 (木) 15:00
被験者一人当たりの試行回数を統計的な結果に反映させるにはどうしたらよいのでしょうか?というのがこの質問の主旨です。

【例】一回の試行では,成功か失敗かの実験を考える(例えば,ボールを的に当てるという実験)。このとき,2つの条件間(例えば,アンダースロー条件とオーバースロー条件)で,結果に差が出るか知りたいとします。この実験を10人の被験者に行うとします。

成功確率は,成功回数÷試行回数ですね。

このとき,一人の被験者に10回試行を行わせる場合と,100回試行を行わせる場合とでは,100回試行を行わせたときのほうが,各被験者の成功確率のデータの信頼性は高くなると思われます。

しかし,成功確率を一人当たりで算出すると,10回中6回成功も,100回中60回成功も,同じ成功率60%になってしまいます。
試行回数の違いを統計的に反映させる方法論をご存知の方がいらっしゃいましたら,教えていただけませんでしょうか。

何々という教科書の何ページに載っているなどという情報も希望しております。何卒,よろしくお願いいたします。

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7849. Re: 試行回数を統計的に反映させる方法論 ひの  2005/10/06 (木) 15:15
 比率の信頼区間の問題ですね。データが多ければ比率の信頼区間は狭くなる。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Hiritu/bohiritu-conf.html

 ただ,挙げられた例は試行を重ねるにしたがって習熟による技術の向上が起こったり,疲労による悪影響が現れたりといったことも考慮する必要が出てきますのであまり良い例ではありません。

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7851. Re^2: 試行回数を統計的に反映させる方法論 kzkishi  2005/10/06 (木) 15:36
推定だったら信頼区間,検定だったら有意水準と検出力

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Kentei/power.html

ですね。

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7855. Re^3: 実はそれを複数の被験者に行いたいのですが… student  2005/10/06 (木) 16:14
こんなにも早く,しかも二人の方にご回答いただきまして,たいへんうれしく思います。ありがとうございました。

実は,とある錯覚の起こる率が2つの条件間で差が生じるかどうかを調べたく思っていました。
20試行をn人の被験者に行わせて,各人に対し,錯覚の生じる率を求め(20回中12回なら錯覚が起きる率は60%),それらの数値をpaired t-testによって,有意な差があるかどうかを調べようと考えたのですが,

はたと,「20試行じゃなくて100試行だとどうなるのだろう?100試行にした方が,信頼性が高いのではないか」と思ったのです。

このように,複数の被験者に行わせた場合にも,試行回数を「信頼区間」や「検出力」に反映させることはできるのでしょうか?

さらなるご教授がいただければ幸いです。

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7856. Re^4: 実はそれを複数の被験者に行いたいのですが… 青木繁伸  2005/10/06 (木) 16:25
> 実は,とある錯覚の起こる率が2つの条件間で差が生じるかどうかを調べたく思っていました。

一つの条件下である人に20試行するというとき,20回の刺激(というのだろうか)は,全く同じものなんですか?

たくさんの被検者を使うのが大変,例えば,一回の測定は非常に短時間で終わるので,被検者をたくさん集めるのが大変ということでなければ,試行は1回というのが明瞭なように思います。
2つの条件下での観察を同一対象者に行うかどうかつまり対応のあるデータにするかどうかは,どちらでも良さそうですが,同じ刺激ならば,その結果は,どちらの条件でさきに観察するかも影響しそうですよね。

錯覚というのは,薬効測定よりは学習効果が効くのではないでしょうか。薬効というのは,体が反応するわけだけど,錯覚は脳が反応するわけだから。。。


> このように,複数の被験者に行わせた場合にも,試行回数を「信頼区間」や「検出力」に反映させることはできるのでしょうか?

「試行回数を「信頼区間」や「検出力」に反映させる」という表現がわかりにくいのですが,データの個数は信頼区間の幅や,検定のP値や検出力に反映するものです。反映させたくなくても反映してしまいます(^_^;)
ですから,データを集めすぎると本来たいした差でなくても有意差が出ると言うこともあるのです。。ということは,おわかりなんでしょうか。

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7857. Re^5: 1 student  2005/10/06 (木) 17:04
度々すみません。管理者の先生でいらっしゃいますね。どうもコメントありがとうございます。
1000字を越えてしまったので2回に分けて投稿いたします。

> 一つの条件下である人に20試行するというとき,20回の刺激(というのだろうか)は,全く同じものなんですか?

はい,同じものです。

> たくさんの被検者を使うのが大変,例えば,一回の測定は非常に短時間で終わるので,被検者をたくさん集めるのが大変ということでなければ,試行は1回というのが明瞭なように思います。

錯覚は起こるか,起こらないか,なので,「錯覚が起こる確率」を「錯覚の起こった回数÷試行回数」で算出しようと考えたのです。
「あるヒトは,錯覚が起こり,ある人は錯覚が起こらない」という種類の錯覚ではなく,「あるヒトは,何%で錯覚が起こり,ある人は何%で錯覚が起こる」という状況なのです。

わたくしが現在行っている統計処理は,被検者一人あたり20回の実験を行っているのですが,そこから得られる「錯覚の起こる率」は一人あたり1個になってしまうのです。(※※)

例(20回書くのは汚くなるので10回で例示すると…)

条件1

被験者1
12345678910
○××○○××○○○

被験者2
12345678910
×××○○××○○○
だと
被験者1の錯覚率60%
被験者2の錯覚率50%
という感じです。

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7859. Re^6: 1 青木繁伸  2005/10/06 (木) 17:43
データをまとめて一つの数値である率として出すことが良いことかどうかということもありますね。
この場合だと,明らかに率を分析対象にしたときには分母の大きさは反映しません。データの個数を反映させるためには,重みを付けないといけませんね。
あ る事象の発生率を観察するとき,たくさんの対象について,さらに一つの対象について複数回という観察をし,一つの対象での率を求めてそれをさらに平均して もよいし,一つの対象には一回だけ観察して全体の中で何回(何個体)に発生があったかを数えて率を求めても,同じです。
具体的に,例えば,0~9 の整数一様乱数を10個発生させ,その中に数字の3が入っている割合を求めるという実験を1000回やり,1000個の発生率の平均値を求めるのと,10 ×1000個の乱数中に3が含まれる割合を見ても同じ答えが得られることが期待されますね。ただ,前者のような場合は,乱数を発生させる実験は10個の発 生は全く独立ですが,これが人間を対象とした実験では独立という保証はない。また,前者のような場合で,1000回の実験毎に引き出す乱数の個数がバラバ ラであるようなとき,出てきた1000個の発生率の単純平均では困ることは明らかで,重み付きの平均値を求めなくてはならないということ。結局,検定にも 分母を考慮した分析方法が必要になると言うこと。

実験は,なるべく簡略な条件で行うようにした方がよいことと,実際に検定する手法が存在するようなデータにしないといけませんね。

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7858. Re^6: 2 student  2005/10/06 (木) 17:04
> 2つの条件下での観察を同一対象者に行うかどうかつまり対応のあるデータにするかどうかは,どちらでも良さそうですが,同じ刺激ならば,その結果は,どちらの条件でさきに観察するかも影響しそうですよね。


そうですね,順序効果を消すように,半数の被験者は条件1を先に,残り半数の被験者は条件2を先に行わせることにしています。(ただし,わたくしが行っている実験に関しては,順序効果は見られていません)

>
> 「試行回数を「信頼区間」や「検出力」に反映させる」という表現がわかりにくいのですが,データの個数は信頼区間の幅や,検定のP値や検出力に反映するものです。反映させたくなくても反映してしまいます(^_^;)
> ですから,データを集めすぎると本来たいした差でなくても有意差が出ると言うこともあるのです。。ということは,おわかりなんでしょうか。

はい,わかっています(…いるつもりです(汗))
先に(※※)の文章で触れたのですが,一人当たり20回実験をしても得られるデータ(錯覚率)は1つなのです。
“被験者数を増やすことで”,有意差が出やすくなることはわかります。
質問の意図は,20回の実験を100回に増やしても,一人当たり得られる錯覚率は1つに過ぎないのですが,その1つの率にしても,20回の実験と100回の実験とでは,100回データを取ったほうが,より信頼できるデータなのではないだろうか,ということなのです。


わたくしの文章が要領を得ないようでしたら申し訳ありませんが,よろしくお願いいたします。

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7861. Re^7:  student  2005/10/06 (木) 18:42
>実際に検定する手法が存在するようなデータにしないといけませんね。

いろいろありがとうございます。
習熟や疲労の効果を考慮に入れて試行回数を決め,被検者の数を増やすことで,対応していきたいと思います。
勉強になりました。

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