914. 対数正規分布するデータの信頼区間 きーちゃん 2003/10/30 (木) 10:46
過去ログの続きの質問をさせてください。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc010/004.html Log変換値と実測値の平均値について
薬の開発ではIC50という値で実験の結果を出すことがあり,このIC50は実測値が対数正規分布に従うので,一般的に平均を取る場合は幾何平均をします。
幾何平均を求める場合,たとえば次のようなデータでは下記のようになります。
実測値(IC50: 単位uM: N=5)(同じサンプルを5回測定)
10
12
13
12
11
Log(実測値)
1.0000
1.0792
1.1139
1.0792
1.0414
実測値の幾何平均 = 11.5542 もしくは
Log(実測値)の算術平均のanti-log = 11.5542
ちなみに実測値の算術平均は 11.6000 になります。
このようなデータで信頼区間を計算する場合は,Log(実測値)で信頼区間を求めて,その結果をanti-logするのが正しいのでしょうか。
たとえば99%の信頼区間はLog(実測値)で計算すると以下のようになります。
Log(実測値)の分散 0.0435
自由度4の0.5%点 4.604
範囲 = 4.604×(0.0435/sqrt(5)) = 0.0895
Log(実測値)の算術平均が1.0627
よって 0.9733 <= u <= 1.1522
anti-logすると 9.4029 <= u <= 14.1977
ところが実測値で信頼区間を求めると
実測値の分散 1.1402
自由度4の0.5%点 4.604
範囲 = 4.604×(1.1402/sqrt(5)) = 2.3476
実測値の幾何平均が11.5542
よって 9.2066 <= u <= 13.9018
となり,その区間の範囲は
Log(実測値) = 14.1977 - 9.4029 = 4.7948
実測値 = 13.9018 - 9.2066 = 4.6952
でLog(実測値)のほうが広くなります。
平均の場合は 算術平均>幾何平均 なのに,なぜ信頼区間は幾何平均の方が大きいのでしょうか。
どこか考え方が間違っているのでしょうか。
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