偏回帰係数の検定 Last modified: Aug 19, 2015
帰無仮説 $H_0$: 「$b_{i} = 0\ ( i = 1, 2, \dots , p)$」。
対立仮説 $H_1$: 「$b_{i} \ne 0\ ( i = 1, 2, \dots , p)$」。
有意水準 $\alpha$ で両側検定を行う( 片側検定も定義できる )。
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- 偏回帰係数 $b_{i}$ の標準誤差を $SE ( b_{i} )$ とすると,$s^{ii}$ を $\mathbf{S}^{ - 1}$ の要素として,
表 1 に示す $MS_{e}$ を用いて,
\[
\begin{align*}
& SE ( b_{i} ) = \sqrt{s^{ii}\ MS_e} \\[5pt]
& t_0 = \frac{\left |\, b_i \, \right |}{SE ( b_{i} )} \tag{1}
\end{align*}
\]
となり,$t_0$ は,自由度が $n - p - 1$ の $t$ 分布に従う。
- 有意確率を $P_{0} = \Pr\{ |\, t \,| \geqq t_0\}$ とすると,
- $P_{0} \gt \alpha$ のとき,帰無仮説は棄却できない。「偏回帰係数は $0$ でないとはいえない」。
- $P_{0} \leqq \alpha$ のとき,帰無仮説を棄却する。「偏回帰係数は $0$ ではない」。
定数項の検定
帰無仮説 $H_0$: 「$b_{0} = 0$」。
対立仮説 $H_1$: 「$b_{0} \ne 0$」。
有意水準 $\alpha$ で両側検定を行う( 片側検定も定義できる )。
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- 定数項 $b_{0}$ の標準誤差を $SE ( b_{0} )$ とするとき,
\[
\begin{align*}
& SE ( b_{0} ) = \sqrt{\left ( \frac{1}{n}+\sum_{i=1}^p \sum_{j=1}^p \ \bar{X}_i \ \bar{X}_j\ s^{ij}\ \right )\ MS_e} \\[5pt]
& t_0 = \frac{\left |\, b_0 \, \right |}{SE ( b_{0} )} \tag{2}
\end{align*}
\]
となり,$t_0$ は,自由度が $n - p - 1$ の $t$ 分布に従う。
- 有意確率を $P_{0} = \Pr\{ |\, t \,| \geqq t_0\}$ とすると,
- $P_{0} \gt \alpha$ のとき,帰無仮説は棄却できない。「定数項は $0$ でないとはいえない」。
- $P_{0} \leqq \alpha$ のとき,帰無仮説を棄却する。「定数項は $0$ でない」。
偏回帰係数および定数項の信頼限界
$ ( 1 - \alpha )\ 100 \%$ 信頼限界を求める。
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自由度が $\nu = n - p - 1$ の $t$ 分布において,上側確率が $\alpha \,/\, 2$ となるパーセント点を $t_{ ( \alpha\,/\,2,\, \nu ) }$,
$SE ( b_{i} )$ を $(1)$,$(2)$ 式で定義されたものとすると,信頼限界は $(3)$ 式で与えられる。
\[
b_i \pm t_{ ( \alpha\,/\,2,\, \nu ) }\ SE ( b_{i} ) \tag{3}
\]
演習問題:
前のページに引き続き,偏回帰係数,定数項の検定を行え。 答え
応用問題:
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