SMC Squared Multiple Correlation

 因子分析における共通性の推定値として使用される。ある変数の共通性は,その変数を従属変数,残りの変数を独立変数として重回帰分析を行ったときの重相関係数の 2 乗値で推定できる。重回帰分析の項に示したように,重相関係数の 2 乗は独立変数が従属変数の変動を説明できる割合(寄与率)を表すので,SMC は従属変数と独立変数の分散の共通部分ともいえるものつまり共通性を表すことになる。しかし,SMC は共通性の下限値を与えるにすぎないので,得られた SMC を初期値として収束計算により共通性の推定値を求めなけれ ばならない。重相関係数は,相関係数行列の逆行列が計算できなければ求められないので,場合によっては SMC が使用できないことがある。このような場合には,ある変数の共通性として,その変数と他の変数の相関係数の絶対値の最大のものを使用する。


Last modified: May 16, 2002
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