No.21843 χ二乗検定について  【コロン】 2015/11/20(Fri) 08:15

いつもお世話になっております。χ二乗検定についてご指導をいただけますでしょうか。i×jの分割表について以下の表を得ました。左箸の数値1〜4は順に「反対」「どちらかといえば反対」「どちらかといえば賛成」「賛成」です。A〜Eはカテゴリを示します。

A B C D E
1 5 3 4 2 0
2 18 13 7 17 0
3 28 22 10 7 1
4 13 12 6 6 0

査読者から「度数に5未満のものがあるので分析手法の誤用である」と指摘されました。例えばDとEを統合するような方法もあろうかと思いますが,できれば独立させたままにしておきたいと思います。Eのカテゴリーに属する人は1名しかいなかった,その人がどのように考えているのかは,意味あるものだと考えますので。

これを通常のχ二乗検定で行えば,chi-value=18.58, p = 0.10 となります。

このままの分割表でなにか解決策はございますでしょうか?2×2の分割表だとFisher's Exact Testが使えると教科書には良く書かれてあるのですが。

よろしくお願いいたします。

No.21844 Re: χ二乗検定について  【青木繁伸】 2015/11/20(Fri) 10:44

「度数に5未満のものがあるので」というの指摘は間違いで,「期待値が5未満のセルが20%以上ある(または,期待値が1未満のセルが1つでもある)」というのが理由であるべきです。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Cross/warning.html

R で無理矢理やると
> chisq.test(x)

Pearson's Chi-squared test

data: x
X-squared = 12.625, df = 12, p-value = 0.3969

警告メッセージ:
chisq.test(x) で: カイ自乗近似は不正確かもしれません
と,警告が出るのはそのためです。

さて,「2×2の分割表だとFisher's Exact Testが使えると教科書には良く書かれてある」わけですが,2×2より大きい分割表でもFisher's Exact Testが使えます。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Cross/Fisher.html

R でやるとすれば,
> fisher.test(x, workspace=4000000)

Fisher's Exact Test for Count Data

data: x
p-value = 0.3589
alternative hypothesis: two.sided
カイ二乗近似検定の結果と同じようになります。

ところで,賛否は順序尺度,カテゴリは名義尺度で,あなたの目的はカテゴリ(群)によって反応が違うかどうかを知りたいようなので,このようなデータは,クラスカル・ウォリス検定の方が適しているでしょう(賛否の順序情報を有効利用する)。
> kruskal.test(賛否~カテゴリ)

Kruskal-Wallis rank sum test

data: 賛否 by カテゴリ
Kruskal-Wallis chi-squared = 3.6224, df = 4, p-value = 0.4595
いずれにしても,有意な差はないという結果に違いはありませんが。

No.21845 Re: χ二乗検定について  【コロン】 2015/11/20(Fri) 11:10

青木先生

詳細なご説明ありがとうございます。

1や0があってもFisher's Exact Testを用いれば,このままで対応ができる,と理解いたしました。

またKruskal-Wallis 検定についてもありがとうございます。お察しの通りです。こちらを論文に書きたいと思います。

ありがとうございました。

多良

No.21848 Re: χ二乗検定について  【コロン】 2015/11/20(Fri) 12:39

青木先生

申し訳ございません。Rで以下のように作成して計算すると先生と異なる結果となります。

number <- c (5, 18, 28, 13, 3, 13, 22, 12, 4, 7, 10, 6, 2, 17, 7, 6, 0, 0, 1, 0)
group<-c(1, 1, 1, 1, 2, 2, 2, 2, 3, 3, 3, 3, 4, 4, 4, 4, 5, 5, 5, 5)
kruskal.test(number~group)

先生がご指摘のように,左端の1,2,3,4は順序尺度,1行目A,B,C,D,Eは名義尺度でして,カテゴリによって反応が違うかどうかを見たいです。先生のデータの形,計算式をお示しいただけませんでしょうか。

よろしくお願いいたします。

No.21849 Re: χ二乗検定について  【青木繁伸】 2015/11/20(Fri) 12:54

あなたは,元データを持っているはずですから,分割表からデータを復元しなくてもよいのですが。

分割表からデータを復元する方法は,以下も参考になるでしょう。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/tenkai.html
賛否
[1] 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
[23] 2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
[45] 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 1 1
[67] 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3 3
[89] 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4
[111] 4 4 4 4 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3
[133] 3 3 3 4 4 4 4 4 4 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
[155] 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 3

カテゴリ
[1] 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
[23] 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
[45] 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2
[67] 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
[89] 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
[111] 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
[133] 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4
[155] 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 5

> table(賛否, カテゴリ)

1 2 3 4 5
1 5 3 4 2 0
2 18 13 7 17 0
3 28 22 10 7 1
4 13 12 6 6 0

No.21852 Re: χ二乗検定について  【コロン】 2015/11/20(Fri) 13:41

青木先生

お忙しいところ,本当に申し訳ございませんでした。生データにもどることを失念しておりました。

同じ分析結果になりました。

ありがとうございます。

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