No.20203 主効果は非有意、多重比較は有意  【ゆう】 2013/09/06(Fri) 22:55

分散分析の結果で悩んでいます。

2要因の分散分析(2要因とも対応あり)を行った結果,交互作用,主効果とも有意ではありませんでした(p>.05)。
しかし,主効果の一つがp=.12だったにも関わらず,一緒に算出した多重比較ではp<.001で群間に有意差がありました。
このような場合も主効果は有意でないと書くべきなのでしょうか。

できれば,なんらかのかたちで有意差があったと書ければありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

No.20212 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【後医は名医】 2013/09/08(Sun) 15:26

通常,このような乖離(p=0.12とp<0.001)は考えにくいと思います。分散分析表を間違って見たのではないでしょうか。最も考えられる原因として,Aの主効果はないが,Bの主効果はあって,その多重比較の結果をみていたのではないでしょうか。

No.20215 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【ゆう】 2013/09/09(Mon) 12:44

後医は名医様,返信をありがとうございます。

SPSSの[一般線形モデル]&#8212;[1変量]で分析をしていたのですが,モデルの指定の仕方でこのような値が出ていたようです。
モデルの指定の際に,2つの要因と被験者の主効果(A,B,Subject),要因同士の交互作用(A×B),それぞれの要因と被験者の交互作用(A×Subject,B×Subject)を入れていました。
要因と被験者の交互作用をモデルから抜くと,目的の要因の主効果のみ有意(p<.01)で群間の有意差はいずれも有意(p<.05)となりました。
最初の質問とはずれてしまうのですが,モデルの作成の仕方はこれでいいのでしょうか。

1変量の分析の仕方は,解説書にもあまり載っておらず,解説されているサイトによっても微妙に違ったり(シンタックスを使ったりそうでなかったり)するので,困っていました。

お忙しいところ誠に恐れ入りますがご教授頂けますと幸いです。

No.20220 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【後医は名医】 2013/09/09(Mon) 23:07

>モデルの作成の仕方はこれでいいのでしょうか。
私もこの手の統計処理はしたことがないのでわかりませんが,
>http://homepage2.nifty.com/nandemoarchive/GLM/main.pdf
の p31からp32のところで,変数「Num」と「Num:Snack」には有意差がありませんが,「Snack」に有意差があります。しかし, 「Num:Snack」の変数をぬいて,分散分析をすると,「Num」も「Snack」も有意差がでます。しかも,「このことから交互作用項はモデルに不 要な事がわかる。したがって,交互作用項を除いたモデルに更新する必要があるだろう」と記載されています。これに従えば,A,B,Subjectのいずれ も交互作用がないのですから,このモデルから抜いて,AとBの主効果をみる方法があるのかもしれません。しかし,私もこの手のことはしたことがありません ので,自信はありません。

No.20223 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【斜界人】 2013/09/10(Tue) 15:05

モデル選択の基本は,後医は名医さんが書いているとおり,飽和モデル(あるいは想定される最も複雑なモデル)から 交互作用項を高次のものから順次取り除いて適当と思われるものを選びます。質問の内容からすると効果の無い2要因交互作用項を順次落として検討することに なります。
有意でなければ取り除いて構わないと言えるかは,研究の背景にも依るかと思いますが

ところで,対応あり二要因であればSubjectは誤差として全体から差っ引くのが普通なのではないでしょうか。
response ~ A + B + Subject + A:B + A:Subject + B:Subject - Error(Subject)
じゃなくて
response ~ A + B + A:B - Error(Subjcet/(A*B))

研究上前提となるモデルがあればこの限りではないでしょうし,SPSSのことは知らないし,そもそも私が勘違いしているのかもしれませんが。

No.20225 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【ゆう】 2013/09/11(Wed) 11:19

後医は名医様,斜界人様,返信をありがとうございます。

不要な項を順次取り除いていていくとのこと,承知しました。
2要因分散分析として行う場合,他の方法だと,2つの要因の交互作用とそれぞれの主効果しか出さないのに,1変量の一般線型モデルではその他の要因も考慮するということになるのですね。

その後,改めていろいろと調べてみたのですが,2要因の分散分析として行う場合には,はじめから2つの要因の交互作用とそれぞれの要因と被験者の主効果しか入れていないものもちらほら見かけました。
特にモデルを想定しない(ただの)2要因の分散分析をしたい場合には2つの要因の交互作用と主効果を求め,特定のモデルを想定している(あるいは探索する)場合には順次取り除く,という理解でいいのでしょうか。

http://www.hks.harvard.edu/fs/pnorris/Classes/A%20SPSS%20Manuals/SPSS%20Advanced%20Statistics%2017.0.pdf
(41ページ)
http://web.hku.hk/~hrmacpy/SPSS%20Workshop%20-%20Univariate%20Analysis%20&%20Exp%20Designs.pdf
(全体の)39ページ

(しかし,仮に2要因の分散分析では出てこない被験者の主効果が出た場合にはどうするのでしょう。「個人差が大きかったよ」ということなのでしょうか。)

No.20227 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【斜界人】 2013/09/11(Wed) 15:59

先にNo.20223の訂正
上の式の-Error(subject)は削除
下の式の+Error(...)の中身をも少し丁寧に書くと
Error(subject + subject:A + subject:B + subject:A:B)
です。(pwを失念...で修正できません。申し訳ありません)
----
で,上は三元配置の考え方です。
下が二要因とも対応ありの二元配置モデルです(SAB)。話からこれかと思っておりました。

No.20225のpdfの指定ページに出てくるのは ~ A + B + Error(subjcet) かな...多分(;^^ (混合モデルでした)

SABだったらsubjectの効果を考慮し予め差引いておくことになりますから,subjectの効果は見れません(計算は出来るかもしれないけど意味ない)。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/type-of-test.html
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/SAB.html
SPSSの場合は...
> http://www.hks.harvard.edu/fs/pnorris/Classes/A%20SPSS%20Manuals/SPSS%20Advanced%20Statistics%2017.0.pdf
の19ページからですかね。"Within-Subject"にsubject,"Measure Name"にAとBかな...WithinのみでBetweenは無し。...自信はありません。

No.20231 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【ゆう】 2013/09/12(Thu) 12:54

斜界人様,返信をありがとうございます。

確かにおっしゃると通り,SABタイプです。
ただ,わたしが不思議に思ったのが,同じ対応あり(被験者内計画)の2要因分散分析をするのに,なぜ1変量の一般線型モデルと反復測定では被験者の要因が出たり出なかったりするのだろう?ということでした。
解説されているサイトなどでは,両方の方法が記載されているのに,1変量の時だけsubjectの要因が出てくるのはなぜだろう,もしsubjectの要因が有意になったらどうするの?と思ったのです。
モ デルにsubjectを入れているのだから,そりゃ出ることもあるだろうとは思うのですが,だとすると,そもそも2つの方法は全く違っており,同じ対応あ りの計画でも場合によって使い分けるべきもの(あるいは結果が同じになるような,追加的な計算が必要)なのかとも思います。

なんだか最初の質問から離れてしまい,申し訳ありません。

No.20232 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【斜界人】 2013/09/14(Sat) 00:08

ちょっと検索してみましたが...自信は無いですが,平方和からするとやっていることは同じ様に思えます。

どちらにしても基本的に
response ~ A + B + A:B + Error(subject + subject:A + subject:B + subject:A:B)
な のでは。つまり,主効果はAとB,交互作用はA:Bとし,誤差をsubjectとsubjectを含む交互作用に分解する。type III SSは総平方和と合わないし,私には馴染みが無いこともあって確実なことは言えませんけど。SPSSの"分散分析:一変量"での出力形式は繰返しなし三元 配置分散分析に添っているのかなあと思ったりもします。

本当に同じことをやっているなら,subjectの影響で興味ある因子の効果が見 えなくならない様にするという点では同じだけど,変量効果があまりにも大きいなら固定効果が少々あっても意味が無いというような場合にはsubjectの 効果を見られる方を使うのかもしれません。(対応あり一元配置分散分析でそういう話を聞いたことがあります)

No.20236 Re: 主効果は非有意,多重比較は有意  【ゆう】 2013/09/16(Mon) 23:33

斜界人様,返信が遅くなってすいません。
追加の質問にもかかわらず,返信を頂き感謝しております。

ご説明頂いた内容に関しまして,理解が追いつかないところもありますが(統計初心者ですいません),改めてじっくり調べてみようと思います。
ご指摘いただいた内容を元に,勉強しなおそうと思います。

この度は丁寧な回答を頂き,ありがとうございました。

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