ある一つの条件の違いによってデータが複数の標本としてグループ分けできるとき,対応のあるデータと独立なデータ(対応のないデータ)の区別が生じることを示した。
条件は「要因」,条件の違いは「水準」という用語を使って表現されることもある。
二要因の分散分析では,二つの条件によってデータが二重に分類される。そこで,二要因における水準で対応があるか独立であるかによって,以下のように 4 種類のデータがあることになる。すなわち,
第一の要因 第二の要因 1: 対応なし 対応なし ABS タイプ(被験者間計画) 2: 対応あり 対応あり SAB タイプ(被検者内計画 または RBFpq デザイン) 3: 対応なし 対応あり ASB タイプ(混合計画 または SPFp・q デザイン) 4: 対応あり 対応なし ASB タイプ(混合計画 または SPFp・q デザイン)ただし 3 番目と 4 番目は同じこと(どちらを第一の要因とするかだけの違い故)。つまり,実質的には 3 種類ある。
以下の説明において,第一の要因(要因 A とする)は 2 つの水準(a1, a2 とする)をもち,第二の要因(要因 B とする)は 3 つの水準(b1, b2, b3)をもつとする。
データ行列のイメージ 被験者 要因 A 要因 B 測定値 北山 a1 b1 ○○○ 相川 a1 b1 ○○○ 市田 a1 b1 ○○○ 西川 a1 b2 ○○○ 水準への割り当てのイメージ 大内 a1 b2 ○○○ 内海 a1 b2 ○○○ 要因 B 要因 A の a1 要因 A の a2 南村 a1 b3 ○○○ b1 北山,相川,市田 東谷,西条,吉村 西田 a1 b3 ○○○ b2 西川,大内,内海 中田,相馬,吉田 岩城 a1 b3 ○○○ b3 南村,西田,岩城 金子,高木,佐藤 東谷 a2 b1 ○○○ 西条 a2 b1 ○○○ 同じ水準の組み合わせに 3 人ずつを割り当て 吉村 a2 b1 ○○○ 中田 a2 b2 ○○○ 相馬 a2 b2 ○○○ 吉田 a2 b2 ○○○ 金子 a2 b3 ○○○ 高木 a2 b3 ○○○ 佐藤 a2 b3 ○○○
データ行列のイメージ 要因 A a1 a1 a1 a2 a2 a2 要因 B b1 b2 b3 b1 b2 b3 北山 ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ 相川 ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ 市田 ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○
データ行列のイメージ 要因 B 要因 A b1 b2 b3 北山 a1 ○○ ○○ ○○ 相川 a1 ○○ ○○ ○○ 市田 a1 ○○ ○○ ○○ 東谷 a2 ○○ ○○ ○○ 西条 a2 ○○ ○○ ○○ 吉村 a2 ○○ ○○ ○○