No.10799 Re: コントロール群がすべて0となる場合の比較 【青木繁伸】 2009/09/04(Fri) 01:01
仮説にもよると思います。コントロール群では理論的に0になるということでしたら,母平均0の検定を行う(A, B 二群ですから,多重比較になるけど)ということではないでしょうか?
> 値が分散していない場合には検定を行ってはいけなかったような記憶
まあ,特殊な場合であることは確かです。
一元配置分散分析で,ある群が全く同じ値を取る(今回のように全て0)場合,
各群の分散が等しいとする(普通の)一元配置分散分析では計算できますが,不等分散の仮定の下では計算できません。> set.seed(123)http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/oneway-ANOVA.html の wi が NaN になるためです。(片方の群の分散が 0 の場合の二群の場合の t.test と,無理矢理 oneway.test を適用した結果が違うのはなんでなんだろ)
> x <- c(rnorm(10, 10, 1), # 母平均10,母標準偏差1からの10個のデータ
+ rnorm(10, 12, 2), # 母平均12,母標準偏差2からの10個のデータ
+ rep(0, 10)) # 10 ケース,全て 0
> g <- rep(1:3, each=10) # 群を表す変数
> oneway.test(x ~ g, var.equal=TRUE) # 等分散を仮定する一元配置分散分析
One-way analysis of means
data: x and g
F = 250.1623, num df = 2, denom df = 27, p-value < 2.2e-16
> oneway.test(x ~ g, var.equal=FALSE) # 等分散を仮定しない一元配置分散分析
One-way analysis of means (not assuming equal variances)
data: x and g
F = NaN, num df = 2, denom df = NaN, p-value = NA # 計算不能と言うことで NaN が表示されている
No.10803 Re: コントロール群がすべて0となる場合の比較 【maigo】 2009/09/04(Fri) 18:59
青木先生,ありがとうございます。
>仮説にもよると思います。コントロール群では理論的に0になるということでしたら,母平均0の検定を行う(A, B 二群ですから,多重比較になるけど)ということではないでしょうか?
母平均0の検定とは具体的にはどういった方法でしょうか?
過 去に同様のタンパクを計測した論文ではMann-Whitneyが使われており,ノンパラメトリックな3群間の比較(Kruskal-Wallis)の 後,それぞれの群間でMann-Whitney(有意水準を0.05/3に設定した)の多重比較を行うのが妥当なのかと思ったのですが,この手法でいいの でしょうか?
No.10804 Re: コントロール群がすべて0となる場合の比較 【青木繁伸】 2009/09/04(Fri) 20:11
> 母平均0の検定とは具体的にはどういった方法でしょうか?
基本的過ぎて,教科書によっては載っていないかも知れないほどのものかもしれません。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/Mean1.html
> 過去に同様のタンパクを計測した論文ではMann-Whitneyが使われており,ノンパラメトリックな3群間の比較(Kruskal-Wallis)の 後,それぞれの群間でMann-Whitney(有意水準を0.05/3に設定した)の多重比較を行うのが妥当なのかと思ったのですが
学会誌により,統計リテラシーのレベルが異なるので,投稿しようとしている学会誌に掲載された先行研究に従う方がよいでしょうね。
一般的に言えば,全体で差があるかどうかの検定を行うべきかどうかについては,議論がわかれるということ。また,対比較においてボンフェローニ法は最適なものではないということは共通認識があると思います。
● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 042 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る