No.09901 少数例の分析方法について  【MAGI】 2009/05/19(Tue) 11:33

いつも参考にさせていただいております。65例の医療専門職の情緒的消耗感(質問紙の下位尺度で5項目の合計点数:合成変 数)と他の要因(婚姻状況や性別,経験年数の群別:例えば男性20例女性45例等)との関連を分析しています。t検定だと,有意差が出やすいようです。た だt検定を使えるのは,データに正規性があり,分析群(二群)同士の等分散性があることが前提とのこと。分析群同士の等分散性はなんとか調べることができ ましたが,正規性については,Kolmogorv-Smirnov検定(K-S検定)で調べられるとのこと。StatView5.0を使用していますが, 同検定は,マニュアル等によれば,二群の分布の検定となっております。K-S検定で,具体的に分析をしたいデータの正規性を調べるには,65例の65個の 情緒的消耗感データと,比較群に正規性のあるデータを65個入力し,K-S検定で両方の群のデータの分布に差はないという帰無仮説が棄却されれば,65例 の65個の情緒的消耗感データに正規性ありと判断可能でしょうか。そしてt検定を行って構わないでしょうか。ただ,K-S検定は数千例のデータ同士でない と意味がないとの記述もあるようですが。そもそも,65個の正規性のデータって比較用のダミーとして作成可能でしょうか。また,元々,合成変数である情緒 的消耗感と他の要因(カテゴリカル)との関連(差の検定を)を分析する,両群で数十例のデータという時点で,ノンパラメトリックな手法を選択したほうが合 理的なのでしょうか?論文によっては3〜400例の研究で,t検定や分散分析を使用しているようですが,例えば100例を超えれば,データに正規性ありと みなして問題ない等の基準等はありますでしょうか?いつも質問で恐縮ですが,ご教示いただけると幸いです。

No.09902 Re: 少数例の分析方法について  【青木繁伸】 2009/05/19(Tue) 11:48

> 正規性については,Kolmogorv-Smirnov検定(K-S検定)で調べられるとのこと。StatView5.0を使用していますが,同検定は, マニュアル等によれば,二群の分布の検定となっております。K-S検定で,具体的に分析をしたいデータの正規性を調べるには,65例の65個の情緒的消耗 感データと,比較群に正規性のあるデータを65個入力し,K-S検定で両方の群のデータの分布に差はないという帰無仮説が棄却されれば,65例の65個の 情緒的消耗感データに正規性ありと判断可能でしょうか。

Kolmogorv-Smirnov の1標本検定のほうでしょう(理論分布に従うかどうかの検定)。StatView については,追試できる人が少なくなっているのでは?

ただ,サンプルサイズが小さいと,帰無仮説を採択するという結論になりがちでしょう。

> 両群で数十例のデータという時点で,ノンパラメトリックな手法を選択したほうが合理的なのでしょうか

サンプルサイズが小さいからということでノンパラメトリック検定を行うということではないです。

なお,等分散性の如何によらず,また,母分布の如何によらず,Welch の方法によるt検定・一元配置分散分析を行えばよいといえるかもしれません。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/BF/index.html
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/BF/sankouzu.html

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 042 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る