No.09813 4種の薬剤に対する効果を評価尺度を用いて評価した結果得られたデータの解析について  【nao】 2009/05/05(Tue) 11:14

 はじめまして。臨床研究しております。4種の薬剤をランダムに投与し,ある評価尺度(5点から35点まで)を用いて,同 一の対象者に対し投与前,30,60,120分後にそれぞれ評価しています。各薬剤だけで,その薬剤が何分後に有意に効果があったかは,正規性に従ってい るとすれば,反復測定による一元配置の分散分析を行うか,正規性があやしければフリードマン検定を行えばよいのかと思いますが,それぞれ各薬剤ごとに比較 しようとすると,ある薬剤のある時間のデータの平均を出して,クロス表を作り,二元配置の分散分析を交互作用に注意しながら行えば良いのでしょうか?平均 をとってしまうと反復測定している意味が無くなってしまうのではないかと思いまして,迷ってます。また,もし正規性が仮定されなければ,ノンパラメトリッ クではどのような検定を使えばよろしいのでしょうか?

No.09822 Re: 4種の薬剤に対する効果を評価尺度を用いて評価した結果得られたデータの解析について  【たとえば】 2009/05/06(Wed) 22:48

こういったもののことをおっしゃっているのでしょうか。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/TwoWayANOVA/friedman-m.html

No.09847 ありがとうございます。  【nao】 2009/05/11(Mon) 23:32

 遅くなって申し訳ございません。おおよそ似ているのですが,一つ異なる点は,同じサンプルに対し,水準を変えて測定していることです。反復測定と思われますが,そこからが自信がありません。すみません。

No.09848 Re: 4種の薬剤に対する効果を評価尺度を用いて評価した結果得られたデータの解析について  【波音】 2009/05/12(Tue) 01:51

> 一つ異なる点は,同じサンプルに対し,水準を変えて測定していることです。

同一個体から(時間経過に伴って)異なる条件下で複数回にわたって観測値が得られた,という状況であれば分散分析(乱塊法)でしょうし,ノンパラメトリック検定を選択するならフリードマン検定でしょう。

ちなみに,上述したようなデータは経時測定データ,あるいは繰り返し観測データといわれるもので,反復測定データとは異なるものです。

いわゆる「対応あり」のデータは繰り返し測定,「対応なし(独立)」のデータは反復測定ということになります。

--- --- ---

> その薬剤が何分後に有意に効果があったか

ある特定の時点での変化にのみ着目するのであれば,例えば,投与前と投与60分後のデータの差をとって,それについて検定するという方法もあります。これは経時測定データを対応なしのデータ(独立なデータ)として解析する方法の1つです。

そうでなければ線形混合効果モデルとして扱うのが適切です。

No.09862 Re: 4種の薬剤に対する効果を評価尺度を用いて評価した結果得られたデータの解析について  【田中】 2009/05/14(Thu) 23:03

本筋からずれるのですが,

>いわゆる「対応あり」のデータは繰り返し測定,「対応なし(独立)」のデータは反復測定ということになります。

ですが,どういうことでしょう?
REPEATED MEASURE ANOVAの様なものは対応のあるデータを扱いますが反復測定分散分析とも言われてます。
   30分後 60分後 90分後
No.1
No.2
No.3

No.10

しかし,これは反復測定データではなく,例えば下のデータのような,繰り返しのある2元配置分散分析のようなデータが,本来の反復測定データであるということですか?

  薬A B C
男 100 120 140
  90 48  43
  70 130 98
    54
 
女 120 123 145
  45 145 67
    121

No.09873 Re: 4種の薬剤に対する効果を評価尺度を用いて評価した結果得られたデータの解析について  【波音】 2009/05/15(Fri) 22:40

たしかにrepeated measurements ANOVAは「反復測定分散分析」と訳されています。しかし,これはあまり適切な表現ではなく,正しくは「繰り返し測定分散分析」あるいは「経時測定分散 分析」とでも表現した方がよいでしょう,というのが私の考えです。

私が先に述べたコメントにある「反復」とは,repeatの反復ではなく,フィッシャーの3原則でいうところのreplicationの反復です。反復とは

* 独立でなければならない
* 時系列からの部分データであったはならない(同じ場所で連続的に測定したデータは独立ではなくなる)
* 1地点で収集されたデータであってはならない(反復を1地点に集中させると,空間的に独立ではなくなる)
* 適当な空間的大きさをもっていなければならない

で るということが,野間口・菊池「統計学:Rを用いた入門書」共立出版(2008)p10に書かれています。この条件を満たした繰り返し測定データのことを 特に反復測定データと呼ぶのだと解釈しているわけです。だから,一般の広い意味では「繰り返し」は「反復」と同義ともいえますが,少なくとも統計学の分野 ではこの両者を区別するべきでしょう。

青木先生の2要因の分散分析のページ(http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/TwoWayANOVA/TwoWay.html)を例にあげさせていただくと,たしかに「繰り返し数」と表現されていますから,このようなデータセットを繰り返し測定データというのは正しいのでしょう。

し かし,上述した4つの条件を満たした独立なデータ(対応なし)とそうでないデータ(対応あり)を区別することを考えると,独立なデータを反復測定データと 表記するのが適切でしょう。それに対して独立でないデータは経時測定データと呼ぶのが混同せずに済むので適切だと思うわけです。

No.09897 Re: 4種の薬剤に対する効果を評価尺度を用いて評価した結果得られたデータの解析について  【田中】 2009/05/17(Sun) 21:27

>波音さま
良くわかりました。丁寧なコメントありがとうございます。

>naoさま
本筋から離れて申し訳ありません。パラメトリックならいい方法があると思いますけどもね。

● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 042 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る