★ 第1実験と第2実験の関連性 ★

7661. 第1実験と第2実験の関連性 momo 2005/09/14 (水) 21:48
└7662. Re: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸 2005/09/15 (木) 00:13
 └7669. Re^2: 第1実験と第2実験の関連性 momo 2005/09/15 (木) 20:11
  └7670. Re^3: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸 2005/09/15 (木) 20:38
   └7671. Re^4: 第1実験と第2実験の関連性 momo 2005/09/16 (金) 00:40
    └7678. Re^5: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸 2005/09/16 (金) 12:34
     └7688. Re^6: 第1実験と第2実験の関連性 momo 2005/09/16 (金) 16:58
      └7690. Re^7: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸 2005/09/16 (金) 18:12
       └7691. Re^8: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸 2005/09/16 (金) 18:27
        └7694. Re^9: 第1実験と第2実験の関連性 momo 2005/09/16 (金) 20:36


7661. 第1実験と第2実験の関連性 momo  2005/09/14 (水) 21:48
先日はどうもありがとうございました。すぐにここへ来てしまい,情けないと思うのですが,またよろしくお願い致します。

以 前は「嬉しい感情」「悲しい感情」「両方が合わさった感情」についての理解を調べていた(第1実験)のですが,今回は,その「両方が合わさった感情」を理 解している子と理解していない子とで表出ルールの理解(顔では笑っているけれども心の中では実は悲しんでいるかもしれないことの理解)に差があるのかどう かを調べたい(第2実験)と思いました。というのも,表出ルールの理解は,「合わさった感情」を理解できてこそ,分かってくるものだという仮説にたどりつ いたからです。
第1実験と第2実験の被験者は同じです。被験者には紙芝居風に物語を聞かせて,その後で主人公がどのような顔をしていたかを選択肢 を用いて答えさせました。第2実験では,お友達の前で見せているお顔はどんなお顔かという質問に嬉しい顔,悲しい顔,普通(無)の顔の3つの顔写真から選 択させました。また,心の中のお顔はどんなかという質問に対しても同じ3枚の顔写真から選択させました。正答は大学生の選択を基準にしました。
未熟な私はまたカイ二乗検定を使うのではないかと考えています。
その結果,小学3年生だと,ほとんどの子が第1実験の”両方が合わさった感情”について理解をしているために,

                 第2実験(表出ルール)                理解できた子  出来なかった子
第一実験 理解した子      20        5
第一実験 理解できなかった子  3         0

と,いう表になってしまいました。第一実験で理解できなかった子の数があまりにも少ない結果になってしまったのです。こんな数でカイ二乗検定を行っていいべきなのか不安になってしまいました。なお,小学3年生の被験者は全28名です。この方法で正しいのでしょうか。
話が長くなってしまいすみませんでした。何かアドバイスをいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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7662. Re: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸  2005/09/15 (木) 00:13
第一実験と第二実験の対応のあるデータで,理解できる率の差を検定したいということで良いのですか。実験の意味まではよく分かりませんので。


これも,マクネマー検定ですね。そして,検定に関係する数値は5と3ということですか?
データ数はどんなに少なくても,数式上での計算はできてもそれが妥当かどうかはべつものです。
たとえばこのような小数例の場合にはマクネマー検定ではなく二項検定を使うべきです(小数例でなくても二項検定をいつも使えば良いのですが)。

R でちょこっとやってみると

> binom.test(3, 8)

Exact binomial test

data: 3 and 8
number of successes = 3, number of trials = 8, p-value =
0.7266
alternative hypothesis: true probability of success is not equal to 0.5
95 percent confidence interval:
0.08523341 0.75513678
sample estimates:
probability of success
0.375

ということですね。

両側検定であると仮定すれば,一番極端な場合すなわち,8人が8人ともどちらかに偏るという場合以外は有意な場合はありません。

> binom.test(0, 8)

Exact binomial test

data: 0 and 8
number of successes = 0, number of trials = 8, p-value =
0.007813
alternative hypothesis: true probability of success is not equal to 0.5
95 percent confidence interval:
0.0000000 0.3694166
sample estimates:
probability of success
0

> binom.test(1, 8)

Exact binomial test

data: 1 and 8
number of successes = 1, number of trials = 8, p-value =
0.07031
alternative hypothesis: true probability of success is not equal to 0.5
95 percent confidence interval:
0.003159724 0.526509671
sample estimates:
probability of success
0.125

たとえば,b+c=5 の場合には,どんな結果が出ようと,絶対に有意にはならない(α=0.05のとき)
一番極端な場合 0 と 5 に分かれるときでも
> binom.test(0,5)

Exact binomial test

data: 0 and 5
number of successes = 0, number of trials = 5, p-value =
0.0625
alternative hypothesis: true probability of success is not equal to 0.5
95 percent confidence interval:
0.0000000 0.5218238
sample estimates:
probability of success
0
だから。

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7669. Re^2: 第1実験と第2実験の関連性 momo  2005/09/15 (木) 20:11
> 第一実験と第二実験の対応のあるデータで,理解できる率の差を検定したいということで良いのですか。

はい,そうです。

> これも,マクネマー検定ですね。そして,検定に関係する数値は5と3ということですか?

すみません。
5と3でいいのか分かりません・・・
5というのは第1実験を理解できた子が第2実験では理解できなかった子25人中の5人ですよね。
3というのは第1実験を理解できなかった子が第2実験では理解できた子3人中の3人ですよね。
比率を考えると,ただ単に5と3の数に差があるのかを調べていいものか分かりません。
稚拙な質問ですみません。そのまま5と3を二項検定にかけていい理由を教えてください。

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7670. Re^3: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸  2005/09/15 (木) 20:38
> 比率を考えると,ただ単に5と3の数に差があるのかを調べていいものか分かりません。
> そのまま5と3を二項検定にかけていい理由を教えてください。

両方の質問とも,
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Hiritu/McNemar-test.html
をご覧になれば分かるのではないかと思います。

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7671. Re^4: 第1実験と第2実験の関連性 momo  2005/09/16 (金) 00:40
母比率というのはここでは実測度数の比率になるのでしょうか。
このようなことを言っているから,いまだに5と3をそのまま二項検定していいのか分からないでいます。
たとえば
5÷25×100=20%
3÷3×100=100%
の,20と100を検定するという考え方はやはりおかしいですか。


また,理解を後回しにして書き込むのもおかしい話ですが,
青木様の言うとおりならば,↓このような解釈になるのでしょうか。
マクネマー検定のサイトを見て,同じように自分のデータの解釈をしたのですが。

                 第2実験(表出ルール)              理解できた子  出来なかった子
第一実験 理解した子      20        5
(複合) 理解できなかった子  3         0

帰無仮説:「5と3に差はない」
対立仮説:「5と3に差がある」

5+3が小さいため二項検定を行う。
(青木様が調べてくださったデータを添付します)

> binom.test(3, 8)

Exact binomial test

data: 3 and 8
number of successes = 3, number of trials = 8, p-value =
0.7266
alternative hypothesis: true probability of success is not equal to 0.5
95 percent confidence interval:
0.08523341 0.75513678
sample estimates:
probability of success
0.375

有意確率は,p-value =0.7266であった。
α=0.05で検定を行うと,P>αであるため,
帰無仮説は採択された。
よって「第1実験を理解できた子が第2実験も理解でき,第1実験を理解できなかった子が第2実験も理解できないとは限らない」
といえる。

・・・なのでしょうか。
理解が及ばなくて本当にすみません。

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7678. Re^5: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸  2005/09/16 (金) 12:34
> 母比率というのはここでは実測度数の比率になるのでしょうか。
> このようなことを言っているから,いまだに5と3をそのまま二項検定していいのか分からないでいます。
> たとえば
> 5÷25×100=20%
> 3÷3×100=100%
> の,20と100を検定するという考え方はやはりおかしいですか。

おかしいです。
第一実験理解した子は 20+5=25 で,25/28*100=89.3%
第二実験理解した子は 20+3=23 で,23/28*100=82.1%

理解率の差は (20+5)/28-(20+3)/28 = (5-3)/28=2/28=0.071つまり7.1%(丸め野誤差範囲で 89.3-82.1 と等しい)
でしょう。

帰無仮説はこの差が0ということです
これを検定するのがマクネマー検定(正確な検定が二項検定)

> 帰無仮説:「5と3に差はない」
> 対立仮説:「5と3に差がある」

この仮設の述べ方はおかしい。
母比率が等しいかどうか(今の場合は理解率は等しいということ)

> 有意確率は,p-value =0.7266であった。
> α=0.05で検定を行うと,P>αであるため,
> 帰無仮説は採択された。

これは正しい。

> よって「第1実験を理解できた子が第2実験も理解でき,第1実験を理解できなかった子が第2実験も理解できないとは限らない」

これはおかしい。
正しくは「理解率が異なるとはいえない」

検定の基礎の部分も調べておいてください。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Kentei/kentei.html

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7688. Re^6: 第1実験と第2実験の関連性 momo  2005/09/16 (金) 16:58
> 第一実験と第二実験の対応のあるデータで,理解できる率の差を検定したいということで良いのですか。
>
> はい,そうです。

と以前言ってしまいましたが,すみません!!
第1実験を理解できた子と理解できなかった子で,第2実験の理解に差があるかをみたいのです。
同じことですが,「第1実験を理解できた子と理解出来なかった子では,第2実験の理解度に差はない」という帰無仮説をたてたいのです。
第1実験の理解率と第2実験の理解率の差を見たいわけじゃないのです。
すみません。
いろいろ教えてくださって,本当に感謝しています。
マクネマー検定についても以前に比べると格段に理解出来ました。
それなのに私がこんな問題児で心苦しく思います。
この場合はカイ自乗検定だとどうしてもそこから離れられないのです。やっぱりマクネマーですか?それとも他に,この帰無仮説にあった,またこの人数の少なさにあった検定があったら見捨てずにまたよろしくお願いいたします。

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7690. Re^7: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸  2005/09/16 (金) 18:12
> 第1実験を理解できた子と理解できなかった子で,第2実験の理解に差があるかをみたいのです。

前の分割表

20  3
5   0
でしたっけ?

だったらこれで,フィッシャーの直接確率法をやればよいのでは?
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Cross/Fisher.html

分野の特殊な用語とか,実験計画法の細かいところと言うのは分野が違うと分からないので,それぞれの研究者が統計学の方向に歩み寄って適切な検定法を探すべきですね。

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7691. Re^8: 第1実験と第2実験の関連性 青木繁伸  2005/09/16 (金) 18:27
> fisher.test(matrix(c(20,5,3,0),2))
計数データにおけるフィッシャーの正確確率検定

データ: matrix(c(20, 5, 3, 0), 2)
P値 = 1
帰無仮説: オッズ比は,1ではない
95 パーセント信頼区間: 0.00000 12.30927
標本推定値:
オッズ比
0

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7694. Re^9: 第1実験と第2実験の関連性 momo  2005/09/16 (金) 20:36
> だったらこれで,フィッシャーの直接確率法をやればよいのでは?

はい!それでやっていきます。
ずっと付き合ってくれて本当にありがとうございました。
社交辞令とかではなく,とても勉強になり,心から感謝しています。
質問のひとつひとつに丁寧に答えてくださり,
また,検定の手続きが示されているアドレスを何個も載せてくださり,
これは私,頑張るしかありませんね。頑張ります!!
ありがとうございました!

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