★ お邪魔します(2) ★

7352. お邪魔します(2) 北の狼 2005/08/02 (火) 22:57
└7353. Re: お邪魔します(2) 青木繁伸 2005/08/02 (火) 23:45
 └7356. 平均の差の効果量と相関比 郡家 2005/08/03 (水) 06:45
  └7357. Re: 平均の差の効果量と相関比 青木繁伸 2005/08/03 (水) 07:46
   └7358. Re^2: 平均の差の効果量と相関比 郡家 2005/08/03 (水) 10:41


7352. お邪魔します(2) 北の狼  2005/08/02 (火) 22:57
先に示したクロス表で,Nを一定にして有意確率とカイ自乗の関係を試算しますと,以下のようになります。

(N1, N2, N3, N4) = (10, 90, 90, 10)
χ2=128 P=1.12243e-29

(N1, N2, N3, N4) = (20, 80, 80, 20)
χ2=72 P=2.15197e-17

(N1, N2, N3, N4) = (30, 70, 70, 30)
χ2=32 P=1.54173e-08

(N1, N2, N3, N4) = (40, 60, 60, 40)
χ2=8 P=0.00467773

(N1, N2, N3, N4) = (41, 59, 59, 41)
χ2=6.48 P=0.0109095

(N1, N2, N3, N4) = (42, 58, 58, 42)
χ2=5.12 P=0.0236516

(N1, N2, N3, N4) = (43, 57, 57, 43)
χ2=3.92 P=0.0477149

(N1, N2, N3, N4) = (44, 56, 56, 44)
χ2=2.88 P=0.089686

(N1, N2, N3, N4) = (45, 55, 55, 45)
χ2=2 P=0.157299

(N1, N2, N3, N4) = (46, 54, 54, 46)
χ2=1.28 P=0.257899

(N1, N2, N3, N4) = (47, 53, 53, 47)
χ2=0.72 P=0.396144

(N1, N2, N3, N4) = (48, 52, 52, 48)
χ2=0.32 P=0.571608

(N1, N2, N3, N4) = (49, 51, 51, 49)
χ2=0.08 P=0.777297


私が言いたかったことは,青山さんの以下のことと同じなのです。

>一方,標本の大きさが同じなら,P値が小さいほど相関が強いということになりますね。

ちなみに,私は「有意確率は関連の大きさの指標ではない」は否定していません。
あ くまで,「統計的に有意であるということと,その関係が「強い」(「個体差」が小さい)かどうかは,基本的に別です」という言説に対して,そう言い切るこ とはできないであろう,例えば「一般的に,性差以外の条件を同じにして有意確率がより低い場合,その「関係」はより強いということになる」ではないか,と いうことですね。

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7353. Re: お邪魔します(2) 青木繁伸  2005/08/02 (火) 23:45
> あくまで,「統計的に有意であるということと,その関係が「強い」(「個体差」が小さい)かどうかは,基本的に別です」という言説に対して,そう言い切る ことはできないであろう,例えば「一般的に,性差以外の条件を同じにして有意確率がより低い場合,その「関係」はより強いということになる」ではないか, ということですね。

N1+N2+N3+N4 = N が一定なんですから,そういうことでしょう。

なんで,お二人が対立しているのかさっぱりわかりませんね。

北の狼さんは,N 一定で話をしていて,群家さんは N が違えばという話をしているだけで,それではどこまで行っても平行線です。

P 値でものを言おうというのがそもそも間違いで,N が大きくなればどんなわずかの相関も検出できるのですから。一つの研究の中で N が一定の元で何が結果の原因となる候補かを見るときとは違います。

相関の程度を評価するのは,2×2分割表形式の場合には,φ係数の二乗(r^2)が重回帰分析で言えば決定係数(R^2)に相当します。
相関係数の評価で,「0.7以上が強い相関」等とされるのはこのことと関連します。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Soukan/pearson.html
の表2参照。

平均値の差については効果量 effect size が定義されます。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/meta-analysis/meta-analysis-4.html
また,様々な統計量を,相関係数に変換する公式は,
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/meta-analysis/meta-analysis-6.html
の下の方に。

いずれにせよ,検定はあまりお勧めではないということになっており,
そのかわりとして,区間推定の方が情報量が多いよ,さらに,効果量の吟味,そしてなにより,パワーアナリシスが大事ということになっております。

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7356. 平均の差の効果量と相関比 郡家  2005/08/03 (水) 06:45
 ていねいなお答えをありがとうございました。
 とりあえず,決着はついたのではないかと思います。

 その上で,青木さんのお答えが,前から少し気になっていたことと関係していますので質問させてください。

> 平均値の差については効果量 effect size が定義されます。
> http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/meta-analysis/meta-analysis-4.html

 私はこのようなやり方は知りませんでした。こういう場合,私なら一元配置分散分析の相関比をとって,それが「平均の差が示す効果の実質的な大きさ」を表すものだと考えていたのですが,それではまずいのでしょうか。
 平均の差を標準偏差で割るという方法は,確かに目安にはなると思うのですが,上限が1になるわけでもないし,数値をどのように受け止めればよいのかよくわかりません。

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7357. Re: 平均の差の効果量と相関比 青木繁伸  2005/08/03 (水) 07:46
>  平均の差を標準偏差で割るという方法は,確かに目安にはなると思うのですが,上限が1になるわけでもないし,数値をどのように受け止めればよいのかよくわかりません。

これは,標準化得点の算出式と関係があるのです。
処理群の平均値が,対照群の平均値と比べて,何標準偏差分大きいかということですね。
標準化得点と同じように評価しても良いのですが,慣例として
0.2 程度なら small
0.5 程度で medium
0.8 程度で large effect size というようにされます。

様々な統計量をefect size に換算する計算式が提案されています。
effect size もいくつかあり,effect size r すなわち相関係数に換算するやり方もあります。

そう言う意味では,他群の場合には決定係数(二群の場合には相関係数になりますが)もeffect size を測るものということがいえるでしょう。

要するに,「実質的な」差とか相関を吟味対象にしましょうということです。

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7358. Re^2: 平均の差の効果量と相関比 郡家  2005/08/03 (水) 10:41
 なるほど。たぶん理解できたと思います。

 具体例で確認したいのですが,例えばある年齢層において,足の速さ(50m走のタイムとか)に性差がどの程度影響しているかを知りたければ,

1)平均の差をT検定で検定したP値
2)平均の差を標準偏差で調整したeffect size
3)1元配置分散分析の相関比または決定係数

 のうち,2)か3)で評価するべきだということになりますね。

  2)と3)は優劣がつけられるものではなく,評価の基準の違いということで,2)であれば,(分布が正規分布であれば),男女の分布がどの程度重なってい るのかを知ることができ,3)であれば,全体の分散(ばらつき)のどの程度を性差が説明しているかを知ることができる,と。

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