分散共分散行列の同等性の検定     Last modified: Nov 07, 2002

例題

 「表 1.に示すような2群3変数のデータにおいて,2群の分散共分散行列が同等か,有意水準 5% で検定しなさい。」

表 1.2群3変数のデータ
X1 X2 X2
1 2.9 161.7 120.8
1 2.3 114.8 85.2
1 2.0 128.4 92.0
1 3.2 149.2 97.3
1 2.7 126.0 81.1
1 4.4 133.8 107.6
1 4.1 161.3 114.0
1 2.1 111.5 77.3
2 4.8 198.7 172.9
2 3.6 199.3 157.9
2 2.0 188.4 152.7
2 4.9 183.6 164.2
2 3.9 173.5 172.2
2 4.4 184.9 163.2


検定手順:

  1. 前提

  2. 2 群の p 変量データにおいて,各群の平均偏差データ行列を X1X2 とする。
    X1X2 はそれぞれ n1 × p,n2 × p データ行列の各要素から対応する平均値を引いたものである。

  3. 各群の分散共分散行列を S1 = X1X1 / ( n1 - 1 ),S2 = X2X2 / ( n2 - 1 ) とする。

    例題では,

    equation

    equation

  4. 2 群をプールした分散共分散行列 S* は,1 変量の平均値の差の検定(t 検定)で,2 群をプールしたときの分散を求めるときの式を行列に拡張したものである。

    equation

    例題では,

    equation

  5. ν1 = n1 - 1,ν2 = n2 - 1 とおき,| S* | などを行列式として,

    equation

    equation

    とし,次式により χ20 を求める。

    equation

    例題では,| S1 | = 8520.68,| S2 | = 2780.09,| S* | = 12021.40 より -2 ln V = 9.73042,また b = 0.718849 となるから,χ20 = 6.99471 である。

  6. χ20 は,自由度 p ( p + 1 ) / 2 の χ2 分布に従う。

    例題では,自由度は 6 である。

  7. 有意確率を P = Pr { χ2 ≧ χ20 } とする。
    χ2分布表,またはχ2分布の上側確率の計算を参照すること。

    例題では,自由度 6 の χ2 分布において,Pr{χ2 ≧ 12.59}= 0.05 であるから,P = Pr{χ2 ≧ 6.9917}> 0.05 である(正確な有意確率:P = 0.3213371)。

  8. 帰無仮説の採否を決める。

    例題では,有意水準 5% で検定を行うとすれば(α = 0.05),P > α であるから,帰無仮説を採択する。すなわち,「2 群の分散共分散行列は等しくないとはいえない」。


演習問題


応用問題


・ 計算プログラム [R]
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