複数の研究結果から effect size を統合する手法(2)     Last modified: May 16, 2002

 effect size がわかったとして,「この結果は信頼できるか」ということが問題になる。

 no04 で使ったデータは非常に不均一である。この不均一性はどこから来るのか。

  1. random effects model    (Hedges & Olkin, 1985)

     観察された effect size の変動を二つの部分に分割する。

    \[ \mathrm{observed\ variance} = \mathrm{population\ variance} + \mathrm{sampling\ error} \]  そして,

    \[ \frac{\mathrm{sampling\ error}}{\mathrm{observed\ variance}}\times 100(\%) \] の値が 100% になるということは,データは均一であることを表す(望ましい状態)。

     たとえば,この値が 40% であったとすると,系統的な要因による変動が 60% あることを意味するので,meta-analysis は moderator variables について検討することになる。

     no04 のデータでは,d の分散(不偏分散を指しているらしい)は 0.73 でsampling error は 0.14 なので,population variance は 0.59 となる。sampling error は,わずか 19% くらいにしか過ぎないので,meta-analysis では,系統的な要因を検討する必要があることを示す。(ここのところは,Hedges &Olkin, 1985 の引用があるだけで数式が示されていない)。

     とっかかりとしては,effect size の大きさにより,研究をグループ化するとよい。例では,1,3番目の研究,2番目,4番目の研究の3つのクラスターに分けられる。

  2. faile-safe N formula for d value   Orwin(1983)

     population effect size delta が 0.2 以下になってしまうには,あといくつの「no effect studies」が必要かという推定値。

     no04 の例では,delta = 0.47 であるが,後 6 つの,「ネガティブデータ」が加わると delta は 0.2(これは慣用的な基準)以下になってしまう。(ここのところも,Oewin の引用のみで,数式の提示はない)。


参考文献

  1. Hedges, L. V. & Olkin, I. (1985). Statistical methods for meta-analysis.
    New York: Academic Press.

  2. Orwin, R. G. (1983). A fail safe N for effect size in meta-analysis.
    Journal for Educational Statistics, 8, 157-159.


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