No.22641 Re: 片側検定の帰無仮説 【青木繁伸】 2018/12/03(Mon) 10:25
検定統計量は,帰無仮説が正しいつまり,母数が特定の一つの値であると仮定したときのもの
片側検定でも,帰無仮説は「母数=特定の値」
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Kentei/p-value.html
の図で,「H0の下での統計量の分布」というのは,たとえば A=B のときに計算できるもの。A≦B というようなとき,分布は特定できないでしょう?
片側検定でも,両側検定でも「H0の下での統計量の分布」は同じものです。
どの部分の面積(確率)をP値とするかが違うだけです。
No.22645 Re: 片側検定の帰無仮説 【智】 2018/12/03(Mon) 12:06
ご回答ありがとうございます。
同様の質問になりますが,
母比率の差の検定のp値の意味についてご教授頂けましたら幸いです。
両側検定も片側検定も,
実際には差がないのに,差があると誤ってしまう確率
ということになるのかと思うのですが,
片側検定の場合,例えば,
実際にはA≧Bなのに,A<Bと誤ってしまう確率
とすることは不適当なのでしょうか?
No.22646 Re: 片側検定の帰無仮説 【青木繁伸】 2018/12/03(Mon) 13:15
検定の基本的なところなので,正確に述べる必要があります。
「似たようなこと」をいっているのでよいだろうと言うことにはなりません。
前提と叙述の順序と用語法がとてもだいじ。
======
P 値とは,「帰無仮説のもとで,観察された統計量より極端な値を取る確率」
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Kentei/p-value.html において
両側検定の場合は PL, PU の和
片側検定の場合は,対立仮説の方向によりPL か PU のいずれか
もし,P 値が(たとえば)0.05 より小さい場合は帰無仮説を棄却する。
両側検定の場合は,帰無仮説はたとえば 母比率=0.5 で,対立仮説は 母比率≠0.5。
帰無仮説が棄却されれば対立仮説が正しいと考え 母比率≠0.5 と結論する。
しかし,帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに帰無仮説を棄却する確率は P
片側検定の場合は,帰無仮説は同じく 母比率=0.5 で,対立仮説はたとえば 母比率>0.5。
帰無仮説が棄却されれば対立仮説が正しいと考え 母比率>0.5 と結論する。
しかし,帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに帰無仮説を棄却する確率は P
最後の行で,「帰無仮説が正しい(母比率≦0.5)」ではないことに留意
No.22648 Re: 片側検定の帰無仮説 【智】 2018/12/03(Mon) 15:39
ご教授頂きまして誠にありがとうございます。
少しずつわかった気がいてきました。
両側検定の場合は,帰無仮説はたとえば 母比率=0.5 で,対立仮説は 母比率≠0.5。
帰無仮説が棄却されれば対立仮説が正しいと考え 母比率≠0.5 と結論する。
帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに帰無仮説を棄却する確率は P
これを
帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに母比率≠0.5とする確率は P
としてもよいのでしょうか?
同様に
片側検定の場合は,帰無仮説は同じく 母比率=0.5 で,対立仮説はたとえば 母比率>0.5。
帰無仮説が棄却されれば対立仮説が正しいと考え 母比率>0.5 と結論する。
帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに帰無仮説を棄却する確率は P
これを
帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに母比率>0.5 とする確率は P
としてもよいのでしょうか?
それとも
帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに母比率≠0.5とする確率は P
でしょうか?
No.22649 Re: 片側検定の帰無仮説 【青木繁伸】 2018/12/03(Mon) 17:16
> 帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに帰無仮説を棄却する確率は P
> これを
> 帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに母比率≠0.5とする確率は P
> としてもよいのでしょうか?
「帰無仮説を棄却する」は
「対立仮説を採択する」かつ「対立仮説は母比率≠0.5」なので「母比率≠0.5とする」
と同じですから,よいでしょう。
> 帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに帰無仮説を棄却する確率は P
> これを
> 帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに母比率>0.5 とする確率は P
> としてもよいのでしょうか?
両側検定の場合と同じです。よいでしょう。
> それとも
> 帰無仮説が正しい(母比率=0.5)のに母比率≠0.5とする確率は P
> でしょうか?
「母比率>0.5 とする確率」と「母比率≠0.5とする確率」は違うので,後者は間違い。
そもそも,方向性のある片側対立仮説との比較なのに,なぜ両側仮説が出てくるのか?
むりやり考えると
「母比率>0.5 とする確率」と,逆側の「母比率<0.5 とする確率」を合計したものが 2P ということか。
つまり,片側対立仮説「母比率>0.5」も,「「母比率<0.5」も 統計学的には帰無仮説「母比率=0」から見れば同じく棄却域にあるので,下側確率と両側確率の和だが,今の場合分布は対称なので確率は 2P
No.22651 Re: 片側検定の帰無仮説 【智】 2018/12/04(Tue) 09:28
ありがとうございました。
だんだん理解できました。
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