No.21077 SPSSの標準誤差の値との食い違い  【masao】 2014/06/03(Tue) 18:33

SPSSを用いて,3つの要因が全て被験者内計画で,繰り返しありの三元配置分散分析を行いました。

"推定周辺平均"の中の,ある因子の主効果の欄にある"推定値"の表における各水準の標準誤差が,Excelを用いて自身で算出した値と異なっていました。

「繰り返しを考慮するから異なる」といった旨の説明を受けたのですが,SPSSにおける該当箇所の標準誤差は通常の標準誤差の計算とどのように異なるのでしょうか。

よろしければご教授いただきたいです。よろしくお願い致します。

No.21078 Re: SPSSの標準誤差の値との食い違い  【青木繁伸】 2014/06/03(Tue) 18:41

まずは,

> Excelを用いて自身で算出した値と異なっていました

というのが,どのような計算式で出したのか分からないと,どうにもならないと思いませんか?「通常の標準誤差の計算」といっても,あなたの「通常」がなんなのか分かりませんから。

No.21079 Re: SPSSの標準誤差の値との食い違い  【masao】 2014/06/03(Tue) 19:03

お返事いただきありがとうございます。
先生のおっしゃる通りです。大変失礼いたしました。

まずSPSSで計算に用いたデータがずれていたり,間違っていないかを確認するために,その水準に該当するデータ全てを指定した範囲で,各水準毎の平均値をAVERAGE関数で算出しました。
これに関しては一致しておりました。

そこで先程と同じデータ範囲を指定して,各水準毎の標準偏差をSTDEV.S関数で計算しました。この標準偏差の出力されたセルをセル1とします。
その後同じデータ範囲を指定してCOUNT関数でデータ数を数えました。このデータ数の出力されたセルをセル2とします。
最後に,セル1 / sqrt(セル2) で標準誤差を計算しました。

SPSSの方の分析では,
分析→一般線形モデル→反復測定 の後,各因子の設定を行い,オプション→推定周辺平均で,「平均値の表示」に該当する因子を含めました。

No.21081 Re: SPSSの標準誤差の値との食い違い  【青木繁伸】 2014/06/05(Thu) 14:35

標準誤差の計算方法は,たぶん以下のようにして計算されていると思う。

データ例として使ったのは,

森敏昭,吉田寿夫「心理学のためのデータ解析テクニカルブック」,北大路書房の 152 ページにある分析例

標準誤差は,例えば,b=2 のとき,
Subject ごと(例では s1, s2, s3, s4)に,b=2 に該当するデータ(例では,s1 においては,E11:G11 と K11:M11 にある 6, 3, 6, 5, 5, 5)の平均値 E17:E20 を求める。その 4 個の平均値の標準誤差を F21 のセルに, =STDEV.S(F17:F20)/SQRT(4) で求める。
以下同様。

信頼区間を求めるときに使用する t 値は,自由度が「Subject の数 - 1」
I2 に =T.INV.2T(0.05,3) で求めている。
C2:C8
=AVERAGE(B11:G14)
=AVERAGE(H11:M14)
=AVERAGE(B11:D14,H11:J14)
=AVERAGE(E11:G14,K11:M14)
=AVERAGE(B11:B14,E11:E14,H11:H14,K11:K14)
=AVERAGE(C11:C14,F11:F14,I11:I14,L11:L14)
=AVERAGE(D11:D14,G11:G14,J11:J14,M11:M14)

E2:G8(3列)
=B21 =C2-$I$2*E2 =C2+E2*$I$2
=C21 =C3-$I$2*E3 =C3+E3*$I$2
=E21 =C4-$I$2*E4 =C4+E4*$I$2
=F21 =C5-$I$2*E5 =C5+E5*$I$2
=H21 =C6-$I$2*E6 =C6+E6*$I$2
=I21 =C7-$I$2*E7 =C7+E7*$I$2
=J21 =C8-$I$2*E8 =C8+E8*$I$2

I2
=T.INV.2T(0.05,3)

B17:C21(2列)
=AVERAGE(B11:G11) =AVERAGE(H11:M11)
=AVERAGE(B12:G12) =AVERAGE(H12:M12)
=AVERAGE(B13:G13) =AVERAGE(H13:M13)
=AVERAGE(B14:G14) =AVERAGE(H14:M14)
=STDEV.S(B17:B20)/SQRT(4) =STDEV.S(C17:C20)/SQRT(4)

E17:F21(2列)
=AVERAGE(B11:D11,H11:J11) =AVERAGE(E11:G11,K11:M11)
=AVERAGE(B12:D12,H12:J12) =AVERAGE(E12:G12,K12:M12)
=AVERAGE(B13:D13,H13:J13) =AVERAGE(E13:G13,K13:M13)
=AVERAGE(B14:D14,H14:J14) =AVERAGE(E14:G14,K14:M14)
=STDEV.S(E17:E20)/SQRT(4) =STDEV.S(F17:F20)/SQRT(4)

H17:J21(3列)
=AVERAGE(B11,E11,H11,K11) =AVERAGE(C11,F11,I11,L11) =AVERAGE(D11,G11,J11,M11)
=AVERAGE(B12,E12,H12,K12) =AVERAGE(C12,F12,I12,L12) =AVERAGE(D12,G12,J12,M12)
=AVERAGE(B13,E13,H13,K13) =AVERAGE(C13,F13,I13,L13) =AVERAGE(D13,G13,J13,M13)
=AVERAGE(B14,E14,H14,K14) =AVERAGE(C14,F14,I14,L14) =AVERAGE(D14,G14,J14,M14)
=STDEV.S(H17:H20)/SQRT(4) =STDEV.S(I17:I20)/SQRT(4) =STDEV.S(J17:J20)/SQRT(4)

No.21082 Re: SPSSの標準誤差の値との食い違い  【masao】 2014/06/05(Thu) 16:33

丁寧な解説をしていただき,大変恐縮しております。

自身の持つデータで同様に計算したところ,SPSSと同様の結果を得る事ができました。
実際の計算例を教えていただいたことで,自分の考え方のどこに問題があったか理解できました。
各条件の水準毎のSEを出す際に,全てのデータを一度に対象にして計算していた点に問題がありました。

解説いただきありがとうございました。
それでは失礼致します。

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