No.20672 Re: 捕獲再捕獲法の原理について 【青木繁伸】 2013/12/19(Thu) 10:01
昔は，分からないことがあると図書館などへ行き本を開いたものです。
今は，インターネットという便利なものがあり，検索するだけで情報が得られます。
「捕獲再捕獲法」で検索するだけで，たくさんのページが提示されます。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~Dytiscus/Zatsugaku/PopulationSize.htm
などでも，見てください。理論的根拠は非常に単純なものであることが分かるでしょう。
No.20674 Re: 捕獲再捕獲法の原理について 【HF】 2013/12/19(Thu) 14:22
青木様
ご回答，有難うございます．
はい，私もサイトは色々と見ましたが，捕獲再捕獲法に関して，私の少ない知識・価値観では以下に問題があると思います．
��1回目のサンプル数と2回目のサンプル数の決め方が明確でない．（例えば2回目のサンプル数が1個だと明らかにおかしいことになる）
��2回目の試行は複数回行って，平均値なりで2回目の割合を定める方がよいのではないかと思うこと（大数の法則より）
以上の点に関して，述べられているサイトが全くないため，私が間違っているのではないかと思い，質問させていただきました．
�，鉢△亡悗靴討蓮せ笋旅佑�方は間違っているのでしょうか？もしよければ，ご回答の方を宜しくお願いします．
No.20675 Re: 捕獲再捕獲法の原理について 【青木繁伸】 2013/12/19(Thu) 15:16
丸付き数字などは使わないよう，注意書きをしてあります。
何が分からないのか，どこに問題があると思うのかを最初から述べられていればと思います（無駄なコメントをしないで済みますので）。
> (1) 1回目のサンプル数と2回目のサンプル数の決め方が明確でない．
「サンプル数」とは「サンプルサイズ」のことですね
> 例えば2回目のサンプル数が1個だと明らかにおかしいことになる
サンプルサイズが1のような調査（1匹しか捕まえない！）なんて，だれも実施しません。
そうでなくて，サンプルサイズが小さい場合には不正確な推定しか得られないというのは，そのとおり。誰も反対しないし，解決策は，なるべくたくさんのサンプルをとるというだけのこと（時間と費用の制約下で）。
> 2回目の試行は複数回行って，平均値なりで2回目の割合を定める方がよいのでは
ないかと思うこと（大数の法則より）
1000 匹捕まえるという調査をn回やって平均値を求めることは，n×1000匹捕まえる調査と同じ推定値になるでしょう。ただし，毎回の捕獲匹数が少ない場合に は捕獲した中にマークされたものがなかったということが起きたりするので，やはりn×1000匹捕まえる調査の方が有利でしょう。もっとも，n×1000 匹が母数に近かったり超えたりということが起きないように配慮するのは当たり前のこと。また，一度でn×1000匹捕まえる調査による推定値の方が，誤差 は小さくなるはず。シミュレーションしてみよう。> # n 母集団の個体数
> # m マーキングされる個体数
> # k 繰り返し行われる調査の1回のサンプルサイズ
> # l 繰り返し行われる調査の繰り返し数
> # 繰り返しではなく，1回だけ行う調査のサンプルサイズは l*k
> sim <- function(trial=10000, n=1000, m=500, k=20, l=10) {
+ pop <- rep(0:1, c(n-m, m))
+ ans1 <- ans2 <- numeric(trial)
+ ans3 <- numeric(l)
+ for (i in 1:trial) {
+ for (j in 1:l) {
+ temp <- sum(pop[sample(n, k)])
+ ans3[j] <- ifelse(temp == 0, NA, k*m/temp)
+ }
+ ans1[i] <- mean(ans3, na.rm=TRUE)
+ ans2[i] <- l*k*m/sum(pop[sample(n, l*k)])
+ }
+ return(list(ans1, ans2))
+ }
> a <- sim(l=30)
> cat(sprintf("小規模複数回 平均値=%f, 標準偏差=%f\n", mean(a[[1]]), sd(a[[1]])))
小規模複数回 平均値=1058.589213, 標準偏差=53.236436
> cat(sprintf("大規模 一回 平均値=%f, 標準偏差=%f\n", mean(a[[2]]), sd(a[[2]])))
大規模 一回 平均値=1000.719823, 標準偏差=25.823016
> a <- sim(n=10000, m=1000, k=50, l=10)
> cat(sprintf("小規模複数回 平均値=%f, 標準偏差=%f\n", mean(a[[1]]), sd(a[[1]])))
小規模複数回 平均値=12635.256131, 標準偏差=2605.351382
> cat(sprintf("大規模 一回 平均値=%f, 標準偏差=%f\n", mean(a[[2]]), sd(a[[2]])))
大規模 一回 平均値=10178.419745, 標準偏差=1382.338295
No.20676 Re: 捕獲再捕獲法の原理について 【HF】 2013/12/19(Thu) 16:50
青木先生
ご回答，有難うございます．
確かに1に関しては，サンプルサイズが大きければ大きい程，推定の精度が上がることはよく分かりました．
し かし，2に関してはやはりまだ納得ができません．確かに平均値で考えるとn×1000匹一気に捕まえた方がよい推定になることは分かりましたが，2回目の 捕獲を何回か行ったあと，代表値と散らばり具合を用いて，区間として推定した方がより正確な推定になるのではないか，と直感的に思ってしまっています． （例えば，区間（平均値-標準偏差，平均値+標準偏差）のように）そのあとで，割合的に計算をすると，区間としての全体数が推定することができないもので すか？
1回の試行では信憑性が低いような気がやはりするのですが，いかがでしょうか？
何度も申し訳ありませんが，統計が好きになってきているので，妥協はしたくありません．どうか宜しくお願いします．
No.20677 Re: 捕獲再捕獲法の原理について 【青木繁伸】 2013/12/19(Thu) 17:43
> 代表値と散らばり具合を用いて，区間として推定した方がより正確な推定になるのではないか，と直感的に思ってしまっています
上のシミュレーションでは，推定値の平均値と標準偏差をシミュレーション結果から求めていますが，この標準偏差は実際の測定データに基づかないが，はるかに正確なものです。
理論的に求めるのは，測定値と測定値の逆数の標準偏差の関係式が必要なのでめんどくさそうです。
小規模実験数回行ったデータからの標準偏差はそれ自体精度が低いので，それに基づいて区間推定するのは精度が落ちるでしょう。
No.20678 Re: 捕獲再捕獲法の原理について 【HF】 2013/12/19(Thu) 20:43
青木先生
幾度なるご回答有難うございます．
なるほど，納得しました．
結局，2回目の試行では出来る限り多くのサンプルサイズにすることが重要ということですよね．
これから捕獲再捕獲法だけでなく，もうちょっと難しそうな最尤法や直線回帰法などにも挑んでいきたいと思います．
ですので，またお世話になるかもしれませんが，その際は宜しくお願いします．有難うございました．
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