No.20278 glmmMLでのrelative risk, 95% CI  【kyohei】 2013/10/06(Sun) 10:42

Rを用いています。都道府県ごと,日にちごとの,イベント発生頻度(Total)と,それぞれにおける気象データの関係を推定しています。

full <- glmmML(formula=Total~MinTemp+Humidity+SO2+NOX+SPM+PM25,family=poisson,data=weather,cluster=Prefecture)

これにて,切片およびその他のvariableでのCoefficient, se, z, Pr(>|z|)が求まりますが,それぞれのvariableのrelative riskと95%CIはどのように求めたらよいのでしょうか?

リンク関数がlogisticであれば,odds ratioが求まるのは理解できるのですが,リンク関数がlogの際にどのように求めたらよいのか理解できません。

お忙しいところ大変申し訳ないのですが,教えていただけませんでしょうか?

No.20279 Re: glmmMLでのrelative risk, 95% CI  【青木繁伸】 2013/10/06(Sun) 14:02

> リンク関数がlogisticであれば,odds ratioが求まるのは理解できるのですが,リンク関数がlogの際にどのように求めたらよいのか

リンク関数がlogの際に,odds ratioは定義されているのでしょうか?

No.20280 Re: glmmMLでのrelative risk, 95% CI  【kyohei】 2013/10/06(Sun) 14:59

logistic regression analysisでは,
log(odds)=β0+β1*X1+...βn*Xn
であり,変数Xiが1増加した場合はoddsがexp(βi)倍となり,この値がodds ratioと考えました。

link関数がlogで,poisson分布で求めた場合は,
log(count_data)=β0+β1*X1+...βn*Xn
となるため,変数Xiが1増加した場合は,count_dataがexp(βi)倍となり,この値がrelative riskと定義して良いのでしょうか?

No.20281 Re: glmmMLでのrelative risk, 95% CI  【青木繁伸】 2013/10/07(Mon) 09:57

オッズ odds とは,ある事象が発生する確率を P としたとき,P/(1-P) のこと。
ロジット logit とは,log[P/(1-p)] のこと。
オッズ比 odds ratio とは,二群のオッズの比。例えば,リスク曝露群のオッズと対照群のオッズの比は,リスクが事象の発生率を何倍高くするかを表す。
相対危険度 relative risk とは,リスク曝露群と対照群の事象発生頻度を比で表現したもの。オッズ比は,相対危険度の近似値。

以上のことが分かっていれば,提示されたものはこれらに対応しておらず,したがって,「この値がrelative riskと定義して良いのでしょうか」という質問には,「否」としか答えられないでしょう。

たとえてみれば,順序尺度のデータについて,計算式により平均値と標準偏差を求めることはできても,出てきた数値は名実ともに平均値と標準偏差ではないということでは?

No.20293 Re: glmmMLでのrelative risk, 95% CI  【kyohei】 2013/10/08(Tue) 22:10

ご丁寧にありがとうございます。
glmmMLにてpoisson分布(link関数log)の推定を行い,それぞれのCoefficient, se, z, Pr(>|z|)を算出することができました。

しかしながら,例えば10℃気温が上昇したとき,どの程度イベントが増加するのかを,figureや,tableに示す際に,そのままCoefficient, se, z, Pr(>|z|)を記載するのみでは,一般の読者に理解しがたいと考えております。

先 行論文をみますと,rerative risk estimates for daily cases per 10℃ decrease in air temperature adjusted for xxx.とあり,RR, 95%CIが算出されておりました。これがどのように算出するものか理解ができず,今回のように質問させていただきました。

methodに詳細な記載はないものの,この論文では,おそらくexp(coefficient*10)とwald 95%CIをrerative risk estimatesとしてあるのではないかと考えております。

最後になりますが,このようにpoisson分布にて推定した場合の,説明変数の単位変化あたり,どの程度目的変数が変化するかを表す統計用語はあるのでしょうか?

No.20298 Re: glmmMLでのrelative risk, 95% CI  【後医は名医】 2013/10/10(Thu) 23:42

>このようにpoisson分布にて推定した場合の,説明変数の単位変化あたり,どの程度目的変数が変化するかを表す統計用語はあるのでしょうか?
私 も知りませんが,あえてポアソン回帰にこだわらなくてもよいと思いますが。私もイベント発生率が0.5%程度のデータを解析する際に悩みましたが,「スキ マ疫学」で有名なN教授(公衆衛生学)が講演で来県された折に直接質問をしたところ,「この発生率ならポアソン回帰もロジスティック回帰も結論はほとんど 変わらないでしょう」とおっしゃられました。ならば,無理にポアソン回帰をせずにロジスティック回帰にすれば,オッズ比等の悩みも解消するのではないで しょうか。ただ,kyoheiさんの業界ではポアソン回帰しか認めない世界なら別ですが。

No.20303 Re: glmmMLでのrelative risk, 95% CI  【kyohei】 2013/10/15(Tue) 16:05

ありがとうございます。

いろいろ教科書などを参照し,
rate of increase of the events per 10℃ decrease in air temperature
と表現するようにいたしました。

いわゆる対照群があきらかではないので,odds ratioは困難と考えました。おそらく病院にかかる可能性のある人口などがそうなのでしょうが,想定は困難と考えており,今回ポワソン回帰を行いました次第です。

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