No.15159 pre-postでのχ二乗検定  【rec】 2011/08/16(Tue) 02:32

はじめまして。
統計を勉強中の教育心理学専攻の大学院生です。

最近読んだ研究で,pre-postデザインで,χ二乗検定を行っているものがありました。
例えば以下のような感じです。サンプルは中学生50人で,ある介入をしたら,する前とした後で,英語の好きと嫌いの人数がどのようになるのかを集計していました。

pre
好き:30
嫌い:20

post
好き:35
嫌い:15

といったような感じです。
pre-postで同じ被験者です。

うまく言葉に表現できなくて申し訳ないのですが,この検定方法には違和感があります。
た ぶん,今まで勉強してきたχ二乗検定の例に,こういった同じ被験者でのpre-postデザインがなかったせいなのかもしれません。期待値算出のプロセス を考えても,同じ被験者でやったらpre:postの人数比率が当然1:1ですので,必ず×0.5をするということになり,何となくそれが不自然に感じま す。

このようなpre-postデザインの場合,英語の好き具合を好きか嫌いかではなく4件法などで評価してもらって平均の差の検定をするのが私にとってはよく見る検定方法であり自然なのですが…。

こういったpre-postデザインの研究で,χ二乗検定を使ってもいいものなのでしょうか?
基本的な質問ですがよろしくおねがいします。

No.15160 Re: pre-postでのχ二乗検定  【青木繁伸】 2011/08/16(Tue) 07:04

挙げられたデータのような場合には,対応のある比率の差の検定(マクネマー検定)を適用します。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Hiritu/McNemar-test.html

> 英語の好き具合を好きか嫌いかではなく4件法などで評価してもらって平均の差の検定をするのが私にとってはよく見る検定方法であり自然なのですが

その場合にも,(対応のある)平均値の差の検定は使えません。4件法なら,符号検定しか使えません(符号付順位和検定も使えません)。マクネマー検定の拡張は使えます。

No.15161 Re: pre-postでのχ二乗検定  【rec】 2011/08/16(Tue) 07:20

迅速なお返事,ありがとうございます。
マクネマー検定というものがあることを知りませんでした。
非常に勉強になりました。

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