No.14579 標準化得点の比較について  【アルビィ】 2011/04/29(Fri) 17:28

標準化得点の比較について考えていたところ,疑問に思ったことがあり,書かせていただきます。

例えば,以下の本では,標準化すれば,異なる尺度間(国語と英語のテスト)でも比較が可能になるということが記されていました。(92p)
http://books.google.co.jp/books?id=eNg0Ihk420cC&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=false

しかし,この掲示板では以下のように記されており,同じ標準化得点である因子得点の場合には,因子得点間の比較ができないということも知りました。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc042/10812.html

例えば,ひとつの上位尺度の下位尺度として,A尺度とB尺度があり,各下位尺度に含まれる項目数が異なるような場合,尺度得点を標準化得点に変換し,その変換後の得点を用いて,対応のあるt検定を行うといったことは可能なのでしょうか?

No.14580 Re: 標準化得点の比較について  【青木繁伸】 2011/04/29(Fri) 21:14

その本のそのページを今は参照できないのだけど,比較可能というのは,それぞれの得点を標準化すれば,全体の分布における位置が分かるという意味で比較可能と言うことでしょう?
後者は,平均値の差を見ようとしても,それぞれの因子得点が平均値0,標準偏差1に標準化されているのだから,どの群における因子得点の平均値も全部0になるようにされているのだから,差を計算しても0ということで平均値を比較する意味がないということでしょう。

> ひとつの上位尺度の下位尺度として,A尺度とB尺度があり,各下位尺度に含まれる項目数が異なるような場合,尺度得点を標準化得点に変換し,その変換後の得点を用いて,対応のあるt検定を行うといったことは可能なのでしょうか?

何 と何を比較するのですか?A 尺度の前と後の得点 A1, A2 と,B 尺度の前と後の得点 B1, B2 ? そのような場合は,標準化得点に変換する必要はないでしょう。また,「標準化」の実際の計算にもよりますが,単純に前後の得点を同じ母平均と母標準偏差を 用いて標準化するならば,単純な線形変換なので,標準化しようがしまいが同じ検定結果(P値)になりますよね。まあ,貴方がどのようなことをやろうとして いるのかよく分かりませんが,取りあえず計算(検定)してみるというのも,問題点の有無を明らかにするのに役立つかも知れませんね。

No.14581 Re: 標準化得点の比較について  【アルビィ】 2011/04/29(Fri) 22:40

青木先生,お返事ありがとうございます。

> 平均値の差を見ようとしても,それぞれの因子得点が平均値0,標準偏差1に標準化されているのだから,どの群における因子得点の平均値も全部0になるようにされているのだから,差を計算しても0ということで平均値を比較する意味がないということでしょう。

確かに,平均値を「0」にしているもの同士を比べるというのは,意味がありませんね。先生のおっしゃるように,全体の分布から比較ができるというように解釈しなければならなかったと思います。浅い理解でありました。

実は,因子得点を下位尺度の尺度得点として,下位尺度間の得点の違いをt検定によって比較している先行研究があり,この方法を同じようにやってよいかどうか・・・。迷っていたところでした。上記のことからも,やはり相関分析を使った方がよいと思いました。

ありがとうございます。

No.14583 Re: 標準化得点の比較について  【青木繁伸】 2011/04/30(Sat) 07:08

> 因子得点を下位尺度の尺度得点として,下位尺度間の得点の違いをt検定によって比較している先行研究があり

それは,全体として平均値0,標準偏差1に標準化されている因子得点を,複数の群間で比較するということでしょう。そのような場合には当然群ごとの平均値も標準偏差も違いますよね。あたりまえのことでしょう。比較しても良いでしょう。

No.14584 Re: 標準化得点の比較について  【アルビィ】 2011/04/30(Sat) 15:37

青木先生,ありがとうございます。
男女差とか,群ごとであれば,それぞれの平均値は異なりますね。
今後,標準化得点を使った分析に活かしていこうと思います。
本当に,本当に,ありがとうございました。

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