No.14172 マンホイットニー検定の効果量  【課長】 2011/01/20(Thu) 01:49

お久しぶりです。少しご指導ねがいたいと思い書き込みました。

マンホイットニー検定の効果量を出すのに
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/meta-analysis/meta-analysis-6.html
の式
r=1-2U/(n1n2)
を用いたのですが
U(Rではw)が1877.5,n1=100,n2=32で
r=-0.17になってしまいます。

Z値の場合
Z=1.47 N=100+32 r=0.127

どこで計算間違いしているか分からずに困っています。
Z値の場合のNは2群の合計でいいのですよね?

No.14173 Re: マンホイットニー検定の効果量  【青木繁伸】 2011/01/20(Thu) 08:26

U 統計量の平均値は n1 * n2 / 2 で,左右対称です。
平 均順位の差はどちらからどちらを引くかによって符号が異なります。U 統計量も二通り得られます。計算結果として表示されるのはそのうちの「小さい方」にするようにしている場合と,それに関わらず実際に得られた方を表示する 場合があります(統計ソフトによる)。R の場合は後者です。U 統計量の平均値が n1 * n2 / 2 なので,一方の U が 1877.5 なら,もう一方の U は 100 * 32 - 1877.5 = 1322.5 です(こちらの方が小さいので,多くの統計ソフトではこちらの値が示されるかもしれません)。この数値を使えば,1 - 2 * 1322.5 / (100 * 32) = 0.1734375 となります。もう一方の U を使うと 1 - 2 * 1877.5 / (100 * 32) = -0.1734375 となります。つまり,符号が逆なだけです。
絶対値を取るようにしてもよいですが,二群には何らかの順序が付いていることも多いので,符号は群の順序と測定値の順序に合うように自分で決めるというのが良いと思います。

No.14174 Re: マンホイットニー検定の効果量  【課長】 2011/01/20(Thu) 15:54

青木先生ご丁寧なご解説ありがとうございます。やはりこの掲示板は勉強になります。最近は書き込んでなかったですが,掲示板のチェック癖は相変わらずです。

質問の件ですが,よく理解できました。勉強不足を痛感し,今後も勉強頑張りたいと思います。

もし可能であれば,r=z/N^(1/2)のNは両群の合計か,それとも2群のサンプルサイズが同じ場合に一方の群の数を入れるのか,お教えいただけませんか。本を調べてみましたがそこがのっていません。


厚 かましいですが,もし許されるなら,Z値を用いた効果量とU統計量を用いた場合の差がそれなりにあるように思いますが(0.12と0.17)これはどのよ うに考え,どちらを用いればいいと考えればいいかご示唆を頂ければと思います。個人的にはサンプルサイズが大きければZ値を用い,そうでなければU統計量 のほうを用いるのでは?と考えています。

No.14175 Re: マンホイットニー検定の効果量  【青木繁伸】 2011/01/20(Thu) 16:22

同じデータに基づいても,何によって効果量を測るかでその数値は変わってきます。場合によっては大きな違いになることもあるかも知れません。例えば U から r へは,U の最低値 0 と最高値 n1 * n2 を 1 から -1 に直線的に対応づけただけですが,P 値から Z 値を経て r に変換するのは直線的な変換ではありません。しかし,n1 と n2 の大きさが違うときにどうなるかなど別の問題もあります。あまり厳密に考えない方が良いのではないかと思います。

No.14176 Re: マンホイットニー検定の効果量  【課長】 2011/01/20(Thu) 16:28

ちょうど14172の書き込みを修正したと同時にお答えいただき,大変失礼をいたしました。お許しください。

非常によくわかりました。確かに,そういう理由であるとわかると,おっしゃるとおりそれほど厳密に考えなくてもよいと考えることができました。

迅速なご回答ありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします。

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