No.13335 Mann-Whitney検定について  【ましのかずゆき】 2010/08/30(Mon) 21:30

Mann-Whitney検定で生物の2群における有意差の有無を検定したいと思っています。U値計算後,p<0.05で 検定表から判定値を求めるときに,表の中に,2群のサンプル数が「20」までしかありません。サンプル数が20以上の場合は,どうすればいいのでしょう か。統計学があまりわからない者です。よろしくご指導ください。

No.13338 Re: Mann-Whitney検定について  【青木繁伸】 2010/08/31(Tue) 08:15

その表が載っている教科書には,「21以上のときには正規近似する」というような記述があるでしょう。(http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/U-test.html の 8. の「ケース数が大きいとき」などを参照)

今では,サンプルサイズが大きい場合の確率を求めることもできます。http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/CGI-BIN/utable.html

また,最近の統計解析プログラムは,Mann-Whitney 検定に限らず,検定統計量に対する正確な P 値を求めてくれます。手計算と統計数値表にたよらない方法を採用すほうがよいでしょう。

No.13345 Re: Mann-Whitney検定について  【ましのかずゆき】 2010/09/01(Wed) 00:25

早速のご教示,感謝です。統計に関する参考書は初歩的なものしか保有せずご教示はとてもありがたいです。投稿した 論文査読で,Mann-Whitney検定を指摘され,にわか勉強で対応しようとしています。サンプル数が小さい場合は,手計算でも十分にやれ,そのプロ セスは理解できました。
質問1 サンプル数が大きい場合の計算式の説明を,今一度お願いできますか。文字ばかりで理解がむずかしいです。ちなみに,私が扱うサンプル数は1・2群とも80個程度です。
質問2 検定で扱うデータの種類に関して,T検定は「量的データ」を,Mann-Whitney検定は「質的データ」をとの記述を目にしましたが,具体的に「量的データ」「質的データ」とはどんな区別があるのでしょうか。
初歩的な質問で,申し訳ありません。よろしくお願いします。

No.13346 Re: Mann-Whitney検定について  【青木繁伸】 2010/09/01(Wed) 08:07

> 質問1 サンプル数が大きい場合の計算式の説明を,今一度お願いできますか。文字ばかりで理解がむずかしいです。

数式の中に出てくる記号に対応する数値を代入して計算するだけです。
難しいと思う場合には,統計解析プログラムを使うことをお勧めします。特にサンプルサイズが80にもなると手計算で計算しているとは思えませんが,適切な統計プログラムを使うことをお勧めします。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/JavaScript/u-test.html
でもよいかも知れませんけど,ちゃんとしたものを使うのがよいでしょう。

> 質問2 検定で扱うデータの種類に関して,T検定は「量的データ」を,Mann-Whitney検定は「質的データ」をとの記述を目にしましたが,具体的に「量的データ」「質的データ」とはどんな区別があるのでしょうか。

「統計に関する参考書は初歩的なもの」に載っていませんか?取りあえず
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Univariate/scale.html#nominal
を 読んでください(もっと適切な教科書を(この程度のことが載っている程度のもの)を買うのがよいでしょう)。量的データは間隔尺度・比尺度のデータで,質 的データは名義尺度・順序尺度のデータです。マン・ホイットニーの U 検定は,順序尺度,間隔尺度,比尺度のデータに対して使うことができます。

No.13350 Re: Mann-Whitney検定について  【ましのかずゆき】 2010/09/02(Thu) 00:44

的確な説明とご指示,ありがとうございました。何とかU検定をすることができました。例えば,たての長さ/横の長 さ を2つの群で比較するような場合は,U検定が適するのでしょうか。分散の検定であるF検定,有意差の検定であるT検定,Welch検定,U検定と,に わか勉強ですが,少し分かりかけました。テキストを求めたいと思います。ありがとうございました。

No.13351 Re: Mann-Whitney検定について  【青木繁伸】 2010/09/02(Thu) 08:20

> たての長さ/横の長さ を2つの群で比較する

それを一つの「測定値」のようなものと見なすこともできるのでしょうけど,なぜ割り算するのか,割り算することが適切なのかは考えてみる必要があるでしょう。

一般的に2つの確率変数の割り算によって生成される変数は正規分布には従わなかったと思いますのでマン・ホイットニーの U 検定を適用しても構わないと思います。

なお,t検定のtは小文字です。単にF検定とかt検定とかU検定とかWelch検定という呼び方は避けた方が良いでしょう(F検定はF分布を使う検定と言うだけで,分散の検定というのはその中の一部分に過ぎませんし)。

No.13357 Re: Mann-Whitney検定について  【ましのかずゆき】 2010/09/02(Thu) 22:00

ご指摘ありがとうございます。確かに,何故割り算をするのか,それが何を意味するのかを考えるのは第一です。さま ざまな検定があり,それを効果的かつ適切に使うことが大切なのでしょう。統計の領域は深淵で,多くの研究領域で有効であることが分かりました。また,お尋 ねすることがあると思います。ありがとうございました。

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