No.13133 Wilcoxon signed-rank testの検定力およびサンプルサイズの求め方  【たまご】 2010/07/23(Fri) 11:35

いつも参考にさせていただいております。お忙しいところ申し訳ございませが,ご教授よろしくお願いいたします。
ある集団に対して,マッサージをしたことによる肩のコリ具合の変化を調べるため,肩のコリ具合を0〜10で点数化してもらい,マッサージ前後の点数について Wilcoxon signed-rank testにて検定を行おうと思っています。
最初にサンプルサイズを計算するため,事前に15名の方に肩のコリ具合を聞いたところ,平均=4,標準偏差=1.254 でした。
Rにて Paired t-testのサンプルサイズを求めました
> power.t.test(power=0.8,delta=1.0,sd=1.254,type="paired")

Paired t test power calculation

n = 14.38078
delta = 1
sd = 1.254
sig.level = 0.05
power = 0.8
alternative = two.sided

NOTE: n is number of *pairs*, sd is std.dev. of *differences* within pairs
n=14.38となり,これに ×π/3 した値が 15.05 でしたので,20名ぐらいを目標にしました。
結果,12名しかデータが集まらず,とりあえずWilcoxon signed-rank testを行い,p=0.012でした。
  マッサージ実施前の平均4,標準偏差1.22
       実施後の平均2,標準偏差1.58
例数がすくなかったため,その検定力を調べようと思ったのですが,いくつかわからないことがあるのでご教授お願いいたします。
・Wilcoxon signed-rank testの検定力はPaired t-testの検定力を求めて,×3/πすればよいのでしょうか?
・power.t.testを行う場合,sdにどの標準偏差をいれたらよいのでしょうか?
・当初のサンプルサイズの計算はあれでよかったのでしょうか?
長文になり,申し訳ございません。まったくの素人なので見当違いなことを行っているかもしれません…。ご教授よろしくお願いします。

No.13134 Re: Wilcoxon signed-rank testの検定力およびサンプルサイズの求め方  【青木繁伸】 2010/07/23(Fri) 11:53

> Wilcoxon signed-rank testの検定力はPaired t-testの検定力を求めて,×3/πすればよいのでしょうか?

paired t-test の検定力を計算して必要サンプルサイズを求め,それを wilcoxon signed-rank test でのサンプルサイズに換算(π/3倍)したのですから,逆方向にたどるためには wilcoxon signed-rank test でのサンプルサイズを3/π倍して,paired t-test の検定力を計算するべきでしょう。

> power.t.testを行う場合,sdにどの標準偏差をいれたらよいのでしょうか?

他に特に情報がないならば,事前の15名についてのデータ,実施前後のデータの標準偏差をプールするのが一番よいのでは?Σ{標準偏差の二乗×(サンプルサイズ-1)}/Σ(サンプルサイズ-1) がプールされた分散ですから,その平方根がプールされた標準偏差。

> 当初のサンプルサイズの計算はあれでよかったのでしょうか?

よいと思いますが,delta=1 とした根拠が不明。

No.13135 Re: Wilcoxon signed-rank testの検定力およびサンプルサイズの求め方  【たまご】 2010/07/23(Fri) 14:32

さっそくのお返事 誠にありがとうございます。

>paired t-test の検定力を計算して必要サンプルサイズを求め,それを wilcoxon signed-rank test でのサンプルサイズに換算(π/3倍)したのですから,逆方向にたどるためには wilcoxon signed-rank test でのサンプルサイズを3/π倍して,paired t-test の検定力を計算するべきでしょう。

確かにそうですね。何に対して3/π倍するのか良く考えればわかることでしたね。
 12×3/π=11.46 をnとしてみます。

>Σ{標準偏差の二乗×(サンプルサイズ-1)}/Σ(サンプルサイズ-1) がプールされた分散ですから,その平方根がプールされた標準偏差

計算に自身が無いのですが
 (1.254^2*14 + 1.22^2*11 + 1.58^2*11)/(14+11+11)=1.829 の平方根1.352で良いでしょうか?
実施後の標準偏差をいれるとマッサージの効果の違いによるバラツキも含まれてしまうため,良くないような印象があるのですが(素人考えですみません)。事前調査と実施前の標準偏差だけで算出するより,実施後も含めたほうが良いのでしょうか?

>delta=1 とした根拠が不明

同様の報告は無く,?(想定した平均の差)をどうしようか考えた結果,0〜10の整数で評価しているため,1ぐらい改善していることを期待して1にしてみました。
通常は?をどうやって決めたら良いのでしょうか?

No.13137 Re: Wilcoxon signed-rank testの検定力およびサンプルサイズの求め方  【青木繁伸】 2010/07/23(Fri) 15:05

数式はそのようになるでしょう。
ある処置が平均値だけでなく分散(標準偏差)にも影響を及ぼすかについて は対象にもよるとは思います。検定力分析に使う delta や 標準偏差は確定されるものではなく,「このような数値を使うと検定力がこのようになる」という目安のようなものなので,よほど変な値でないかぎり,可能な 限り妥当と思われる数値を使えばよいと思います。
ということで,delta を 1 にした根拠を述べることができれば,それでよいわけです。

No.13138 Re: Wilcoxon signed-rank testの検定力およびサンプルサイズの求め方  【たまご】 2010/07/23(Fri) 15:48

青木先生 とてもわかりやすく教えていただき,ありがとうございました。
統計は初心者で,まわりに頼れる方もいないので,自己流でいろいろ調べながら見よう見まねで行っていました。先生に見ていただきとても自身がつきました。
ありがとうございました。

No.13140 Re: Wilcoxon signed-rank testの検定力およびサンプルサイズの求め方  【Qazu】 2010/07/23(Fri) 22:27

すみません,似た実験デザインで疑問がありますので質問させてください。
例えば,たまごさんのような治療介入を2種類行なって両者の効果を比較する場合ですが,2つのグループの治療前後のデータの差分値(治療後ー治療前)を代表値(変化量)として,対応のないT検定で効果を比較するのは統計学的に間違いでしょうか?
また,単純にそれぞれのグループで前後の生データを統計学的に比較する方が正しいのしょうか?
どちらが正しいのか理由を含めてご教授願えませんでしょうか。

No.13143 Re: Wilcoxon signed-rank testの検定力およびサンプルサイズの求め方  【青木繁伸】 2010/07/24(Sat) 01:58

以下を参照のこと

二群でそれぞれ対応のある二回の測定データがあるときの分析
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/ASB.html

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「近しい」というのは「親しいこと」,「親密なこと」です。「近いこと」,「似ていること」ではありません。
すいません → すみません (日本語として)
T検定 → t検定      (統計学の慣例として)
一行おきに書かない,しかも文章の途中でリターンキーを押さない
ブラウザのウインドウ幅の設定が違うと,以下のように表示され,みっともないこと甚だしい


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