No.09286 Re: one-way repeated measure ANOVA解析前の対数変換 等 【青木繁伸】 2009/02/19(Thu) 11:57
> 対数変換後の正規分布になったデータをone way ANOVAで分析することは許されるのでしょうか
許 されるでしょう。というか,対数正規分布などにしたがうデータの分析に先立ち,対数変換するというのは,スタンダードな方法でしょう(ただし,いつもやる べきかどうかは疑問)。なお,対数正規分布に従うというデータでないものを対数変換して正規分布に近くなったからというのは,理由としては根拠薄弱。
なお,質問2で言及しているデータならば,一元配置分散分析ではなく,乱塊法でしょう。repeated measure という限定を付けずに単に"one way ANOVA"と呼ぶのはどうかと思います。
> データをrepeated measure(反復)で計測している場合にはFriedman testを適用してよいのでしょうか
よいと思いますよ。
> 従属変数が量的変数でなくordinal(順序変数)である場合も,Fridman testを選択してよいのでしょうか
フリードマンの検定の説明を読めば(あるいは,例題などを見れば),順序変数であっても差し支えない(というか,本来は順位を付けて検定。。というノンパラですから,順序変数であって何の不都合もないです)。
No.09291 Re: one-way repeated measure ANOVA解析前の対数変換 等 【9232】 2009/02/19(Thu) 22:08
ありがとうございます。
結局,根拠の十分でないデータを対数変換するのは控え,
正規分布の量的変数→rm ANOVA
非正規分布の量的変数,順序変数→フリードマン
で解析にいたしました。
また,重ねて多重比較についてご教示いただけますでしょうか。(多くの方がお尋ねのようですがわかりかね申し訳ありません)
有 意差のある変数に対しては,Turkey-Kramer法(The Tukey-Kramer are usually preferred when the cell sizes are unequalとあったので)でpost hoc testを行っているのですが,
1)フリードマンのpost hocについては,Wilcoxon signed ranks testにより多重比較をする場合もあるように思う一方(例:以下文献など),
http://www.ajcn.org/cgi/reprint/76/6/1409
The Friedman test was used to determine differences in CRP and IL-6 concentrations between periods. If the overall P value obtained from the Friedman test was < 0.05, then post hoc pairwise comparisons were done with the use of Wilcoxon’s signed-rank test and the Mann-Whitney U test.
そのよう符号検定なしで,bonferroniやturkeyにより分析する例も多いように思います(表現が妙ですが,ANOVAを用い計算する方法↓?)。http://www.ats.ucla.edu/stat/Stata/faq/pairwise.htm
(より条件が必要かもしれませんが)一般的にはどのような方法を用いるのでしょうか。
2) 初歩的な質問で恐縮ですが,フリードマンやrm ANOVAで有意差が出た変数が,多重比較を行うとどのペアも有意差がない場合があり混乱しております。これは「distributionの違いが全体で は有意だが個別群間ではいずれも有意でない??」と解釈すればよいのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
No.09292 Re: one-way repeated measure ANOVA解析前の対数変換 等 【青木繁伸】 2009/02/19(Thu) 22:19
> 符号検定なしで,bonferroniやturkeyにより分析する例も多いように思います
多重比較も,方法は様々あるということです。一番よいのはペリの方法。計算できるソフトが少ないので,なかなか実際に適用する例が少ないのかな。
> フリードマンやrm ANOVAで有意差が出た変数が,多重比較を行うとどのペアも有意差がない場合があり混乱しております。これは「distributionの違いが全体では有意だが個別群間ではいずれも有意でない??」と解釈すればよいのでしょうか。
そういうことです。
また,多重比較を行う場合に,最初の「全体としての有意差の有無」の検定は不要である(つまり,いきなり多重比較に進むべし)という意見もあるのです。
まあ,世の中簡単ではないということで。
No.09293 Re: one-way repeated measure ANOVA解析前の対数変換 等 【9232】 2009/02/20(Fri) 02:02
了解しました。ありがとうございます。
なお,レビューアーから「post hocによりどのグループ(ここではクリニック)が他に比べ有意に大きい値を持つか分かるはず」と指摘されているのですが,通常グループ間の比較では,有意なペアもあればそうでないペアもあるとなっていると思います。(例:下記)
「ど のクリニックが有意に大きい値をとる」ということは,残り7個(G−1)全てのクリニックに対し有意に多い場合に限りいえるのでしょうか。それともむしろ 傾向問題で,5,6個程度のクリニックに対し有意であれば「○○クリニックは他クリニックより有意に大きい値を持つ」と表現してよいものでしょうか。
レビューアーは有意差を持つ全ての個別ペアの関係について求めてはいないと思いますが,どう論文上で表現していいかわかりかね,お知恵をいただければと存じます。anova diag clinic
Number of obs = 93 R-squared = 0.4647
Root MSE = 1.34552 Adj R-squared = 0.4206
Source Partial SS df MS F Prob > F
-----------+----------------------------------------------------
Model 133.604081 7 19.0862973 10.54 0.0000
clinic 133.604081 7 19.0862973 10.54 0.0000
Residual 153.885166 85 1.81041372
-----------+----------------------------------------------------
Total 287.489247 92 3.12488312
. tkcomp clinic
Tukey-Krammer pairwise comparisons for variable clinic
studentized range critical value(.05, 8, 85) = 4.3948588
mean
grp vs grp group means dif TK-test
1 vs 2 4.3000 1.9417 2.3583 5.9382*
1 vs 3 4.3000 4.7200 0.4200 1.0103
1 vs 4 4.3000 4.9500 0.6500 1.6367
1 vs 5 4.3000 3.5083 0.7917 1.9934
1 vs 6 4.3000 3.3250 0.9750 2.4550
1 vs 7 4.3000 4.6083 0.3083 0.7764
1 vs 8 4.3000 1.6083 2.6917 6.7775*
2 vs 3 1.9417 4.7200 2.7783 6.8201*
2 vs 4 1.9417 4.9500 3.0083 7.7451*
2 vs 5 1.9417 3.5083 1.5667 4.0335
2 vs 6 1.9417 3.3250 1.3833 3.5615
2 vs 7 1.9417 4.6083 2.6667 6.8655*
2 vs 8 1.9417 1.6083 0.3333 0.8582
3 vs 4 4.7200 4.9500 0.2300 0.5646
3 vs 5 4.7200 3.5083 1.2117 2.9743
3 vs 6 4.7200 3.3250 1.3950 3.4244
3 vs 7 4.7200 4.6083 0.1117 0.2741
3 vs 8 4.7200 1.6083 3.1117 7.6383*
4 vs 5 4.9500 3.5083 1.4417 3.7116
4 vs 6 4.9500 3.3250 1.6250 4.1836
4 vs 7 4.9500 4.6083 0.3417 0.8796
4 vs 8 4.9500 1.6083 3.3417 8.6033*
5 vs 6 3.5083 3.3250 0.1833 0.4720
5 vs 7 3.5083 4.6083 1.1000 2.8320
5 vs 8 3.5083 1.6083 1.9000 4.8916*
6 vs 7 3.3250 4.6083 1.2833 3.3040
6 vs 8 3.3250 1.6083 1.7167 4.4196*
7 vs 8 4.6083 1.6083 3.0000 7.7237*
No.09296 Re: one-way repeated measure ANOVA解析前の対数変換 等 【青木繁伸】 2009/02/20(Fri) 06:40
> 「どのクリニックが有意に大きい値をとる」ということは,残り7個(G−1)全てのクリニックに対し有意に多い場合に限りいえるのでしょうか。それともむ しろ傾向問題で,5,6個程度のクリニックに対し有意であれば「○○クリニックは他クリニックより有意に大きい値を持つ」と表現してよいものでしょうか。
そのような場合には,対比較ではなく,線形比較を行えばよいのです。G1 vs. (G2〜G8) とか,(G1, G3) vs. (G2, G4〜G8) とか。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/Tukey2.html
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/Scheffe.html
No.09306 Re: one-way repeated measure ANOVA解析前の対数変換 等 【9232】 2009/02/20(Fri) 14:30
ありがとうございます!
ところで,小さいことなのですが,「線形比較」は英語で何というのでしょうか。(linear comparison?)
コマンドを検索する必要があるのですが,該当するものが探してもわからず,よろしくお願いいたします。(Rソフトを用いてもよいのですが・・)
No.09307 Re: one-way repeated measure ANOVA解析前の対数変換 等 【青木繁伸】 2009/02/20(Fri) 15:27
linear contrast ですね。。。線形対比といった方がよいかも
No.09308 Re: one-way repeated measure ANOVA解析前の対数変換 等 【9232】 2009/02/21(Sat) 23:48
ありがとうございます。了解しました。
御礼まで失礼します。
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