No.06044 歪度及び尖度の検定について  【島本水無瀬】 2008/03/05(Wed) 11:30

いつもお世話になっております。
「No.03348 歪度についての検定」と被るのですが,ある試験結果の分布が正規分布に従うかどうかを調べたいです(帰無仮説は棄却されないかどうか)。
Rを用いて,尖度,歪度を求めたところ
kurtosis(x)=-0.38
skewness(x)=0.27 でした。
dagoTest(x)を実施したところ
Title:
D'Agostino Normality Test

Test Results:
STATISTIC:
Chi2 | Omnibus: 0.5822
Z3 | Skewness: 0.7047
Z4 | Kurtosis: 0.2927
P VALUE:
Omnibus Test: 0.7474
Skewness Test: 0.481
Kurtosis Test: 0.7698
となりました。P値から,帰無仮説は棄却されないと思うのですが,歪度と尖度についてそれぞれ,検定量と境界値の比較を行いたい場合は(有意水準5%)
kurtosis(x)=-0.38 < Z4 | Kurtosis= 0.2927
skewness(x)=0.27 < Z3 | Skewness= 0.7047
とすれば良いのでしょうか。

No.06045 Re: 歪度及び尖度の検定について  【青木繁伸】 2008/03/05(Wed) 11:56

> とすれば良いのでしょうか

だめですね。

検定統計量(STATISTIC) が,以下のようになっていて,
> Chi2 <- 0.5822
> Z3 <- 0.7047
> Z4 <- 0.2927
それによって P 値を求めると,P VALUE の所に書いてある数値になるんです
> pchisq(Chi2, df=2, lower.tail=FALSE)
[1] 0.747441
> pnorm(Z3, lower.tail=FALSE)*2
[1] 0.4809970
> pnorm(Z4, lower.tail=FALSE)*2
[1] 0.7697515
Kurtosis : 0.2927 は,尖度に対する検定統計量ですから,尖度 kurtosis(x) = -0.38 とは比べられませんね(比べるべき数値がいくつになるのかは,P 値を求める R プログラムを見ればわかると思いますが。考えてみてください。さていくつになると思いますか(^_^;))。
統計量に基づく正確な P 値が出ているのですから,「検定量と境界値の比較」などは不要でしょう?

No.06049 Re: 歪度及び尖度の検定について  【島本水無瀬】 2008/03/05(Wed) 14:50

早速のご返信ありがとうございました。P値の方が直感的にも分かりやすいとは思いますが,検定量,境界値の記載も求められていたもので,,,

歪 度の値の分布に関する関数があり,有意水準5%だと,そのP値は0.05なのでXが?から上側∞の範囲で,関数を積分した場合,面積が0.481になるよ うな?の値が上側5%点であり,比較すべき境界値とは思うのですが,どうすれば(どのような道具を使えば)求まるかが分かりません。

難しいですね。

No.06050 Re: 歪度及び尖度の検定について  【島本水無瀬】 2008/03/05(Wed) 14:52

すいません。上の場合だと?はP値0.481に対応しているので,?は0.27ですね。
あくまで?は面積0.05に対応したX軸の値ですよね。

No.06051 Re: 歪度及び尖度の検定について  【青木繁伸】 2008/03/05(Wed) 15:04

標準正規分布ならば,両側確率が 5% になるのは z = 1.96
自由度2の場合のカイ二乗分布で,上側確率が 5% になるのは,Chi-sq. = 5.99

> どうすれば(どのような道具を使えば)求まるかが分かりません。

R を使えばよいのですよ。
> qnorm(0.025, lower.tail=FALSE)
[1] 1.959964
> qchisq(0.05, df=2, lower.tail=FALSE)
[1] 5.991465
統計学の教科書なんかの最後の方にある,「標準正規分布表」
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/CGI-BIN/tgxp.html
や「カイ二乗分布表」
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/CGI-BIN/txxp.html
からも読み取れますよ。

No.06052 Re: 歪度及び尖度の検定について  【島本水無瀬】 2008/03/05(Wed) 15:08

度々の連投すみません。chi2 | omnbius=0.5822 = skewness0.7047^2 + kurtosis0.2927^2 . これは,自由度2のカイ二乗分布の,あるx軸の点の値。
この点より上側の,カイ二乗分布の面積(p値)を求めると(エクセル CHIDIST カイ二乗値=0.5822,自由度=2)で,0.7474。
一方,自由度2で面積(p値)が0.05となるようなカイ二乗値(カイ二乗値のX軸の値)は,(エクセル CHIINV 確率0.05 自由度2)5.99
よって
(Rのp値を求めるための式は見ていませんが)

>Kurtosis : 0.2927 は,尖度に対する検定統計量ですから,尖度 kurtosis(x) = -0.38 とは比べられませんね(比べるべき数値がいくつになるのかは,P 値を求める R プログラムを見ればわかると思いますが。考えてみてください。さていくつになると思いますか(^_^;))。

比べるべき数字は検定量=0.5822<有意水準5%の境界値=5.99 でよろしいでしょうか。

No.06055 Re: 歪度及び尖度の検定について  【島本水無瀬】 2008/03/05(Wed) 16:40

青木先生のご返信と入れ違ってしまいましたが
> qnorm(0.025, lower.tail=FALSE)
[1] 1.959964
> qchisq(0.05, df=2, lower.tail=FALSE)
[1] 5.991465
1.959964(1.96)と5.991465(5.99)を比較すると言うことでしょうか?前者はZスコアの一乗であり,後者は二乗ですが,比較しても問題ないのでしょうか?質問ばかりで済みません。

No.06056 Re: 歪度及び尖度の検定について  【青木繁伸】 2008/03/05(Wed) 18:02

> 1.959964(1.96)と5.991465(5.99)を比較すると言うことでしょうか?

違います
    Z3  | Skewness: 0.7047
Z4 | Kurtosis: 0.2927
は,標準正規分布に従う統計量なので,比較するのは1.96 です。

以下のページと図を参照してよく考えてみてください。

標準正規分布の場合
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/CGI-BIN/gxp.html の中の
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/CGI-BIN/two.html

カイ二乗分布の場合
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/CGI-BIN/xxp.html の中のhttp://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/CGI-BIN/one.html

こんな風だから,P値で話をすれば良いのに(「境界値の記載も求められて」などという古くさい査読者の意見など論駁すればよいのに。境界値と比べても,P値が 0.05 より大きいか小さいかという情報しか得られない)。

No.06058 Re: 歪度及び尖度の検定について  【青木繁伸】 2008/03/05(Wed) 18:51

赤で斜線を付けた部分の面積(確率に相当)が0.05
そのような確率になるときのZ値とカイ二乗値はそれぞれ,約 1.96 と 5.99
図をクリックすると原寸大に表示


No.06071 Re: 歪度及び尖度の検定について  【島本水無瀬】 2008/03/06(Thu) 19:10

青木先生
ありがとうございました。尖度,歪度の検定量が標準正規分布に従うのはまだ理解できていませんが,検定量/境界値の比較において,何を検定量,境界値とすればよいか分かりました。歪度,尖度を調べるとモーメント等といった言葉がでてきて難しく感じます。

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