No.02816 関連3標本比率 異なる特性の差  【ももち】 2007/02/21(Wed) 13:04

はじめまして。ももちと申します。
例えば,3つ政党のうちどの政党を支持するか?という質問を同一対象者に1月と6月に行ったとします。そうすると3(1月)×3(6月)のクロス表が作成できます。支持政党に変化があるか否かを検証したいとします。
SPSS などでは関連3標本以上の異なる特性の場合の検定ができないように思います。岩原信九郎先生の「新しい教育・心理統計 ノンパラメトリック法」(日本文化 科学社)P65に紹介されているStuartの法(1955)で検定できるとされています。しかし,私が持っている他の統計書ではこのような異なる特性の 関連3標本の検定は記されていませんでしたが,この方法は今では利用されていないのでしょうか?
また,この方法以外で検証することを考えた場合,どのような方法が考えられるでしょうか?
よろしくお願いいたします。

No.02817 Re: 関連3標本比率 異なる特性の差  【青木繁伸】 2007/02/21(Wed) 13:22

> 3(1月)×3(6月)のクロス表

これは,「関連3標本」ではありません。「カテゴリーが3つある,関連2標本データ」です。
それはさておき。

2カテゴリーの関連2標本のときに何を使うかは分かりますか?

答えは,マクネマー検定です。

SPSS は,マクネマー検定を3カテゴリーに拡張した検定をすることができるらしいです。
マクネマー検定
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Hiritu/McNemar-test.html
のページの下の方をみてください。
R での拡張とか,R での検定法とかも説明してあります。

No.02819 Re: 関連3標本比率 異なる特性の差  【ももち】 2007/02/21(Wed) 14:59

お忙しいところ,ご教授いただき,ありがとうございました。
考えてみれば,条件は1月と6月の2つしかないので,2標本ですね。すっかり勘違いしていました。

マクネマー検定の拡張で,Rで採用されている方法で確認してみました。
しかし,岩原先生の著書で紹介されているStuartの法(1955)は,現在では利用されていないということでしょうか?SPSSやRでも利用されているということはマクネマー検定の拡張が広く利用されていると解釈してよろしいですか?

蛇足ですが,
応用問題で示されているクロス表とRで計算した結果を示すクロス表に不一致がありました。応用問題ではn12のセルの度数は3でしたが,Rの解答部分では6になっていました。

No.02820 Re: 関連3標本比率 異なる特性の差  【ももち】 2007/02/21(Wed) 15:24

申し訳ありません。
もう一つお願いします。
SPSSでサポートされているというMcNemarの 拡張が結局は符号検定となっていることは,XとYの差の大きさを問題としないので,支持する,どちらでもない,支持しないという順序性のあるカテゴリーの 場合はRで採用されている検定方法の方が適切であるように思うのですが,いかがでしょうか?

No.02823 Re: 関連3標本比率 異なる特性の差  【青木繁伸】 2007/02/21(Wed) 19:36

> 順序性のあるカテゴリーの場合はRで採用されている検定方法の方が適切であるように思う

その通りだと思います。
応用問題に対する解も,R で採用されている検定の方の P 値が小さく,検出力が高いであろうことを示唆しているものと思います。

Stuart の方法については,ネットで検索するかぎりあまり引っかからないようですね。
プログラムを書いて,岩原の例題を解いて同じ答えになったが,応用問題を解いたところ,ちょっと納得のいかない解が出てきた。デバグしないといけないかな。。

No.02828 Re: 関連3標本比率 異なる特性の差  【青木繁伸】 2007/02/21(Wed) 21:49

落ち着いて,定石の検索を

site:r-project.org stuart test

で, ありました。説明に stuart.maxwell.mh calculates a reliability coefficient for two raters classifying n objects into any number of categories. It will accept either a cxc classification matrix of counts of objects falling into c categories or a cxn or nxc matrix of classification scores. と書いてあるので,マクネマー検定の拡張というよりは,カッパ統計量に近い目的を持っているものかも。
> library(concord)
> tbl <- matrix(c(
+ 13, 6, 1,
+ 2, 8, 19,
+ 4, 7, 21
+ ), ncol=3, byrow=TRUE)
> stuart.maxwell.mh(tbl)
$statistic
[,1]
[1,] 2.629630

$p
[,1]
[1,] 0.2685240

$df
[1] 2

attr(,"class")
[1] "stewart.maxwell"

No.02831 Re: 関連3標本比率 異なる特性の差  【ももち】 2007/02/22(Thu) 07:18

青木先生
ありがとうございました。
大変勉強になりました。
今後ともよろしくお願いします。

No.02835 Re: 関連3標本比率 異なる特性の差  【青木繁伸】 2007/02/22(Thu) 11:49

concord パッケージの stuart.maxwell.mh は,周辺和が同じになる行と列を取り除くというそうをしています。
検定手順(計算式)を見ても,なぜ取り除かなくてはいけないのか理解できません。
原著論文にあたればよいのだけど。。。面倒。

もう一度検索結果を更に見ていくと,coin ライブラリにも mh_test というのがある。引数の class が table でないといけないので,行列の場合には,as.table(行列)として,呼び出す。
こちらは,私のプログラムと同じ結果を返す。
> library(coin)
> tbl <- matrix(c(
+ 13, 6, 1,
+ 2, 8, 19,
+ 4, 7, 21
+ ), ncol=3, byrow=TRUE)
> mh_test(as.table(tbl))

Asymptotic Marginal-Homogeneity Test

data: response by groups Var1, Var2
stratified by block
chi-squared = 2.6296, df = 2, p-value = 0.2685

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