No.01658 看護研究データー分析について  【雪】 2006/11/27(Mon) 23:15

臨床で看護研究をしています。統計に関しては全くの初心者です。点眼指導の有効性を調査しました。5つの項目において点眼 指導前,後にできるようになったか,1から3点で評価しました。対象者は30名です。結果は指導後の方が点数が良くなったのですが,どの分析方法を使った ら,統計学的にも証明できるのでしょうか?みなさん,とても専門的な内容でご質問されているので,非常にお恥ずかしいのですが,お願いいたします。
初心者にも分かりやすい参考文献がありましたら,教えていただけますでしょうか?

No.01661 Re: 看護研究データー分析について  【青木繁伸】 2006/11/27(Mon) 23:32

5つの項目について別々に検定をすることになるんですか?
検定の多重性についてはおいておくとして,

検定方法は,符号検定かな。
前後の得点の差の順位付けができないので,符号付順位和検定は適用できませんね。

No.01682 Re: 看護研究データー分析について  【雪】 2006/11/29(Wed) 22:32

早速お返事いただき感謝しております。ありがとうございました。教えていただいた符号検定は,私たちの看護研究の 結果を検定するのに合っていると思いますので,ぜひ使いとおもっています。符号検定が載っている本を2冊購入しましたが,詳しくは載っておらず困っていま す。またまた非常に超初歩的な内容ですが・・症例が30例なのでn>25の計算をしなくてはいけないですよね?。n>25場合の計算と判定の仕方を 例題などで教えていただけますでしょうか?

No.01683 Re: 看護研究データー分析について  【青木繁伸】 2006/11/29(Wed) 22:51

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/sign-test.html
をご覧いただくと,本を買う必要はなかったかもしれませんね。

n > 25 というのは,正規近似をする場合ということが書いてあったのでしょうが,別に正規近似をする必要はなくて,二項検定を行えばよいだけではあります。ただ,二項検定を電卓で計算するのは大変だろうというだけです。

コンピュータを使えば(しかも R を使えば)簡単に検定を行えますね。しかも,正確な P値が出てくるし。

No.01684 Re: 看護研究データー分析について  【雪】 2006/11/29(Wed) 22:54

お忙しいところ申し訳ありません。追加の質問です。インターネットでみていたら,nとrをだしてから,‘あとは, 「Sign Test Table」を見て優位かどうかを判断する”というものがありました。「Sign Test Table」というものはどのようなものなのでしょうか?

No.01685 Re: 看護研究データー分析について  【青木繁伸】 2006/11/29(Wed) 23:56

たとえば,n = 25 のとき,差のないペアがないとして,また,少ない方の符号を検定統計量として考えるなら,統計量の取る値は0~12の13通りしかありませんね。このすべ てについて,検定を行ったときのP値を前もって計算しておくことができますね。それを表にしておけば,いちいち計算する必要はないということです。

統計量が 3 のとき,二項検定は
> binom.test(3,25,0.5)
二項検定

データ: 3 と 25
成功数 = 3, 試行数 = 25, P値 = 0.0001565
対立仮説: 成功確率(母比率)は,0.5ではない
95 パーセント信頼区間: 0.02546540 0.31219031
標本推定値:
成功確率(母比率)
0.12
となるので,P値 = 0.0001565 となります。

これらを元にして表を作ると,以下のようになります
> cbind(s=0:12, P=pbinom(0:12, 25, 0.5)*2, P=round(pbinom(0:12, 25, 0.5)*2, 5))
s P P
[1,] 0 5.960464e-08 0.00000
[2,] 1 1.549721e-06 0.00000
[3,] 2 1.943111e-05 0.00002
[4,] 3 1.565218e-04 0.00016
[5,] 4 9.105206e-04 0.00091
[6,] 5 4.077315e-03 0.00408
[7,] 6 1.463330e-02 0.01463
[8,] 7 4.328525e-02 0.04329
[9,] 8 1.077521e-01 0.10775
[10,] 9 2.295229e-01 0.22952
[11,] 10 4.243562e-01 0.42436
[12,] 11 6.900380e-01 0.69004
[13,] 12 1.000000e+00 1.00000
右端の列は右から2番目の浮動小数点表記を固定小数点表記にしたものです。

このようなものを n のおのおのについて前もって用意しておこうというわけですが,昔はともかく,今はそのようなものは不要なんですね。

No.01779 Re: 看護研究データー分析について  【雪】 2006/12/06(Wed) 10:27

いつも解答いただきありがとうございます。やはり符号検定のn<25の計算ができません。Rの使い方も解り ませんので,具体的に数字を当てはめて,式を教えてください。また,使用する標準正規分布表もネットや本を見てみたのですが,たくさんあってどれを使って よいか解らないのでアドバイスください。+の数が13,−の数は0,差が0の数が16なので,平均値6.5,標準偏差1.802,z=(r+0.5- ur)/δr=(0+0.5-6.5)/1.802=-3.329 正規分布表(本にのっていたもの)よりP=0.4995としましたが,あっていますでしょうか?

No.01785 Re: 看護研究データー分析について  【青木繁伸】 2006/12/06(Wed) 14:30

例示の場合,同値でないものの数がnで,13になります。rを差が-のものとすると0ですね。平均値もおっしゃる とおり6.5ですね。z は,連続性の補正をする式ですねちょっと間違っているのかな?z=(abs(0-6.5)-1)/sqrt(13*0.5*0.5)=5.5/1.803 =3.050
ついでに,ur は μr,δr は σr の見間違いでしょう。それと,計算途中はなるべく正確な値で計算しましょう。1.802 がよいか 1.803 が良いかではなくもう少し桁数を多く取る。
正規分布の表の作り方は何通りかあるので,参照する表の作り方から,自分が必要とする確率を読み取る正しい方法を確認してください。|z| が3.050 より大きい確率は, 0.002288414 です。

なお,R で二項検定下結果は以下の通りです。
> binom.test(0,13, 0.5)
二項検定

データ: 0 と 13
成功数 = 0, 試行数 = 13, P値 = 0.0002441
対立仮説: 成功確率(母比率)は,0.5ではない
95 パーセント信頼区間: 0.0000000 0.2470526
標本推定値:
成功確率(母比率)
0

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