No.01287 Re: 平均値の差と大小関係について 【青木繁伸】 2006/10/10(Tue) 22:22
大小関係がある仮説を検定したいのなら,片側検定をすればよろしいわけです。
両側検定はあくまでも等しくはないというだけ。
標本値からみてどちらが大きいということはあっても,両側検定をしていると言うことは観察されたのと逆のことも考慮している(棄却域を考えている)ということでしょう。
ちなみに,関連のある二標本ですから,「2群の平均値の差の検定」といってもまるっきり間違いはないわけですが,「対応のある二標本の平均値の差の検定」といったほうがいいかもしれませんね。
No.01288 Re: 平均値の差と大小関係について 【波音】 2006/10/10(Tue) 23:01
早速の回答ありがとうございます。
つまり帰無仮説(μは母平均)をH0:μ1=μ2ではなく, H0:μ1<μ2(あるいはμ1>μ2)として片側検定を行えばよいわけですね。しかし,マウスの薬物投与の実験などでは生理食塩水を投与し たマウスとアンフェタミンを投与したマウスとで(例えば回避反応などを)平均値の差の検定をしているものを拝見します。他にもプラセボの患者群と新薬の患 者群とで平均値の差の検定をしているものもよく拝見します(もちろん,片側検定しているものもありますが)。
このよう場合,研究者側は 「アンフェタミンを投与した場合には回避反応が増える」ということを言いたければ両側検定ではなく片側検定を行えば良いではないか,と考えてしまうので す。実際,ただ両群で差が認められれば良いという場合もあるでしょうが,明らかにどちらかの群の方が平均値が高い,ということを伝えようとしている場合も あります。だとしたら大小関係をはっきりと示すために片側検定をした方が良いと思いますが,それはどうしてなのでしょうか。
No.01291 Re: 平均値の差と大小関係について 【青木繁伸】 2006/10/11(Wed) 06:48
片側検定は,本当の大小関係が観察されたものと異なっている場合には検出力がほとんど0担ってしまうという悲劇が隠されているかも知れないということがあるので,多くの場合は両側検定が採用されるということでしょう。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Kentei/beta-error.html
多 くの場合には,理論的に考えられる対立仮説の方向と実際にデータで得られる方向が一致するので,検定は控えめというか安全な両側検定を使い,結果を述べる (解釈する)場合には理論と実際のデータに基づく仮説(○○の方が平均値が高いなど)を述べるということになります。しかし,あくまでも,検定の考え方が その背景にあることは暗黙の了解になっているということではないでしょうか。
No.01292 Re: 平均値の差と大小関係について 【波音】 2006/10/11(Wed) 09:22
回答ありがとうございます。
なるほど,そういった背景があるからなのですか。またひとつ勉強させていただきました。ありがとうございました。
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