No.00663 検定をする必要性について  【波音】 2006/07/19(Wed) 01:14

青木先生のwebサイトを巡回していて気になったのですが,http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Kentei/caution.htmlによれば「得られた知見に意味がある場合にのみ,使用したケース数で仮説が妥当であるかどうかについて検定する」とありました。

こ れは例えば「AとBには正の相関があるだろう」と仮説を立てて,実際にAとBについてのデータを採取して相関係数を求めたら0.89であった。この場合に は検定を行うべきであるが,仮にAとBについてのデータを採取して相関係数を求めたら0.12でしかなかった場合には検定を行う意味はない。ということで しょうか。

相関係数が低い値であったとか,あるいは重回帰分析において偏回帰係数がとても低い値の場合はその値について検定する必要すらないということですか?

No.00664 Re: 検定をする必要性について  【青木繁伸】 2006/07/19(Wed) 08:42

その表を良くご覧ください。
実質的に意味があるかどうかは実質科学的に判断されることです。
相関 係数が 0.12 だと,一方の変数が他方を説明できる割合は 0.12^2=1.44% なのでそれでも意味があると思えば検定を行っても良いです。実質的意味の有無にかかわらず検定を行っても良いのですが,サンプルサイズが大きい場合はこん な相関係数でも有意になることがあるので,そのような場合には注意しましょうねということです。

なお,「重回帰分析において偏回帰係数がとても低い値の場合」というのは間違いですのでご注意。「偏回帰係数」ではなく「標準化偏回帰係数」が判断の基準になります。

No.00666 Re: 検定をする必要性について  【波音】 2006/07/19(Wed) 14:52

回答ありがとうございます。

単純に値が大きいか小さいかということを問題にするのではなく,小さい値であった場合でも意味があると判断すれば検定を行っても良いということだったのですね。

>「偏回帰係数」ではなく「標準化偏回帰係数」が判断の基準になります。

これは勘違いしいました。大切な場で間違いを犯す前に気付いてよかったです。ありがとうございました。

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