検定を行うときの注意 Last modified: May 16, 2002
検定を行ってその解釈をするとき,次のような疑問点が出ることがある。
- 相関係数が 0.8 と大きいのに,無相関検定を行うと「有意な相関であるとはいえない」という結果になった。
- 2 群の平均値の差の検定をしたところ,平均値の差が小さいのに「有意な差である」という結果になった。
得られた知見に関する検定結果と実質的な意味の関係は表 1 のように 4 通りある。得られた知見に意味がある場合にのみ,使用したケース数で仮説が妥当であるかどうかについて検定するのである(まず検定するという態度は誤りである)。
逆に,実質的な意味があるのに検定結果が有意でないという状況は,ケース数が少ない場合や,測定精度が悪い(実験デザインが悪い)場合に生じる。データをよく吟味して,調査・研究を継続するのが妥当な対処法である。
表 1.検定結果と実質的な意味の関係
| 検定結果 |
実質的な意味 | 有意である | 有意でない |
意味がある | 得られた知見を採用する | ケース数を増やす。測定(調査)精度を高める |
意味がない | 得られた知見は捨てる(そもそも検定などは不要である) | 得られた知見は捨てる(そもそも検定などは不要である) |
演習問題:
応用問題:
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