★ 相関係数の差の検定について ★

5247. 相関係数の差の検定について つとむ 2004/12/14 (火) 23:46
├5255. Re: 相関係数の差の検定について 青木繁伸 2004/12/15 (水) 13:42
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5247. 相関係数の差の検定について つとむ  2004/12/14 (火) 23:46
はじめまして。

2つの相関係数の差の検定を行いたいと調べていたところ,

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc015/076.html

を見つけたのですが,結論が得られていないため改めて質問させてください。
# 上のスレッドで紹介されている文献は現在は入手不可でした…。

いま,小論文が30問あって10人の学生がそれぞれを解きます。各学生の得点はそれぞれの課題に対して与えられた評価値の合計とします。評価値を与える人物として,ベテランの国語の先生A,新任の国語の先生B,素人Cを考えます。

ここで,Aが10名を評価した(10x30=300課題を評価)場合の得点とBが10名を評価した結果の得点のピアソンの相関係数と同様にAとCの評価結果のピアソンの相関係数に差があるかどうかを知りたいと思います。
#Aを神だとしたらそれに近いのはCではなくてBですよということが言いたいのです。
#とりあえず課題の難易度には差がないということを仮定しています。

よろしくお願いいたします。

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5255. Re: 相関係数の差の検定について 青木繁伸  2004/12/15 (水) 13:42
> http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc015/076.html
>
> を見つけたのですが,結論が得られていないため改めて質問させてください。
> # 上のスレッドで紹介されている文献は現在は入手不可でした…。

私もあのときは,それ以上追求しなかったのですが,今日,改めてやってみましたら,隣の建物(図書館)にあるそうなので,いまさっき行ってみました。
結論からいうと,書いてあったのは偏相関係数(3変数)の検定でしたので,今回の質問とは全く無関係でした。

と,書いてから,よくよく考えてみると,偏相関係数の検定を行うのが一番いいのかなと考え直しました。

デー タが n 組ある時,評価者 A, B, C の評価点は n 時限空間でのベクトルで,相互の相関係数はそのベクトルがなす角度のコサインです。例えば,A,B と A,C の相関(というか角度)が同じでもB,C の相関(角度)は不定ですね。ということは,このようなデータは多変量としてとらえないといけないということ。A の評価点を調整(制御)して,B, C 間の相関の有無を見るのが一番妥当だということでしょう。
よって,A を制御した B,C 間の偏相関係数を求め,無相関検定を行うのがよいでしょう。

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5256. Re^2: 相関係数の差の検定について つとむ  2004/12/15 (水) 16:37
みなさま,情報ありがとうございました。
また,リンク間違いのご指摘ありがとうございました。


青木先生> よって,A を制御した B,C 間の偏相関係数を求め,無相関検定を行うのがよいでしょう。

ということは,BC間の偏相関係数が十分に高い場合(帰無仮説を棄却できない場合)には,AB間の相関係数の値とAC間の相関係数の値の違いについて議論することに意味があると理解してよろしいでしょうか。

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5258. Re^2: 相関係数の差の検定について つとむ  2004/12/15 (水) 17:15
> BC間の偏相関係数が十分に高い場合(帰無仮説を棄却できない場合)

すみません。帰無仮説を棄却できる場合です。

ただ,その場合,AB間の相関係数とACの相関係数の値を比較することに対する統計的な意味は何なのでしょうか。

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5261. Re^3: 相関係数の差の検定について 青木繁伸  2004/12/15 (水) 17:34
A,B と A,C の相関係数を比較するのではなく,A を基準としたときに B,C に有意な相関が見られるのは,A,B も A,C もともに相関が強いからということになるでしょう。

さっきのシミュレーションデータですが,A,B と A,C の間の相関係数がともに 0.9 位だと,B,C間の相関係数はほぼ 0.63 以上にしかなりません(B,Cの相関係数が0.5などには絶対ならないということ)。
同じく,A,B と A,C の間の相関係数がともに 0.95 位だと,B,C間の相関係数はほぼ 0.81 以上にしかなりません。

A,B と A,C の間の相関係数がそれぞれ r1, r2 (> 0)だとすれば,B,C間の相関係数は r3=cos(acos(r1)+acos(r2)) 以上の値です。ですから,帰無仮説を 偏回帰係数 = r3 にして,片側検定をやればいいのかな。

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5257. Re^3: 相関係数の差の検定について 青木繁伸  2004/12/15 (水) 17:15
> BC間の偏相関係数が十分に高い場合(帰無仮説を棄却できない場合)には,AB間の相関係数の値とAC間の相関係数の値の違いについて議論することに意味があると理解してよろしいでしょうか。

逆 じゃないですか?A が基準で B,C 間の相関が高いと言うことは,A,B と A,C の相関が高いと言うことの結果ではないですか?理論的には A,B の相関と A,C の相関がともに高くても B,C の相関が低いことや逆の相関もあり得ますが,現実の世界ではそんなことは少ないでしょう。そうでなければ,その評価システムはでたらめではないでしょう か。
普通には起こらないであろうことも理論上は(実際にも)起こる

以下のデータで,
> d2
A B C
[1,] 49 45 55
[2,] 44 32 56
[3,] 46 47 43
[4,] 55 53 53
[5,] 64 65 51
[6,] 54 58 48
[7,] 59 56 58
[8,] 53 43 64
[9,] 25 37 29
[10,] 46 59 36

相関係数を計算すると
> cor(d2)

こんな結果になる。A,B と A,C は相関が高いのに,B,C はほとんど相関がない。
A B C
A 1.0000000 0.69913142 0.68760492
B 0.6991314 1.00000000 -0.01047690
C 0.6876049 -0.01047690 1.00000000

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5260. Re^2: 相関係数の差の検定について つとむ  2004/12/15 (水) 17:29
青木先生の投稿と入れ違いになってしまいました。

> 逆じゃないですか?A が基準で B,C 間の相関が高いと言うことは,A,B と A,C の相関が高いと言うことの結果ではないですか?

ということは,BC間の偏相関が有意でない場合に AB, AC 間の相関係数の差を議論するということでしょうか。

だとすると,

> 以下のデータで,
(snip)
> 相関係数を計算すると
> > cor(d2)
>
> こんな結果になる。A,B と A,C は相関が高いのに,B,C はほとんど相関がない。
> A B C
> A 1.0000000 0.69913142 0.68760492
> B 0.6991314 1.00000000 -0.01047690
> C 0.6876049 -0.01047690 1.00000000

この場合にはAB, AC間の相関係数の違いをどう解釈すればよろしいでしょうか。

具体的には B が C よりも A に近いと言うためにはどうすればよろしいでしょうか。

質問ばかりで申し訳ありません。堂々巡りでふりだしに戻ってしまったような気がします。

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5262. Re^3: 相関係数の差の検定について 青木繁伸  2004/12/15 (水) 17:40
> 具体的には B が C よりも A に近いと言うためにはどうすればよろしいでしょうか。

B,C 間の偏回帰係数の検定が有意でなければ,A,B と A,C が十分な相関を持っていないということになり,それは A,B か A,C のいずれか(両方)の相関が低いつまり r(AB) ≠ r(AC) ということになるのでは?

どこかの本に書いてないですかね。。。

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5273. Re^4: 相関係数の差の検定について つとむ  2004/12/17 (金) 01:11
おそくなってすみません。

青木先生> B,C 間の偏回帰係数の検定が有意でなければ,A,B と A,C が十分な相関を持っていないということになり,それは A,B か A,C のいずれか(両方)の相関が低いつまり r(AB) ≠ r(AC) ということになるのでは?

ありがとうございます。なんとなく理解できた気になりました。細かいところはもう少しじっくり考えたいと思います。
#上の偏回帰係数は偏相関係数のことですよね?

> どこかの本に書いてないですかね。。。

私が調べた限りではどこのも書いてありませんでした。

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5251. Re: 相関係数の差の検定について 若輩者  2004/12/15 (水) 01:47
> http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc015/076.html
>
> を見つけたのですが,結論が得られていないため改めて質問させてください。
> # 上のスレッドで紹介されている文献は現在は入手不可でした…。

とりあえず,大学図書館にはかなり置いてあるようです.

http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BN00608989

大学によっては学外者でも利用できる場合もありますよ.

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5248. Re: 相関係数の差の検定について 田原  2004/12/15 (水) 00:32

> 2つの相関係数の差の検定を行いたいと調べていたところ,
>
> http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc015/076.html
>
> を見つけたのですが,

リンク先は,

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc015/076.html

が正しいようですね。(修正済)
回答になりそうな情報はいっさい持っておりません。あしからず。

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5250. Re^2: 相関係数の差の検定について 田原  2004/12/15 (水) 01:11

> 回答になりそうな情報はいっさい持っておりません。あしからず。

というのも,無責任なので。
わたしの手元にある教科書の中に,

「7 種の銘柄の酒を 3 人の審査員が順位をつけた。順位に一貫性があると判断してよいか」という例題を Kendall の一致係数 W を使って解説しています。これをなんとかして,多重比較まで持っていけないでしょうか?そんな方法があるかどうかわかりませんが。単なる思い付きで書きま したので。。。つとむ さんがなさりたいことと少し違うかもしれません。

なお,上の例題は趣旨が変わらない程度に簡略しました。出典は

バイオサイエンスの統計学 −正しく活用するための実践理論ー
著者 市原清志
発行所 株式会社 南江堂

です。

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