★ 共分散分析への多重比較の適用 ★

3585. 共分散分析への多重比較の適用 もし 2004/06/29 (火) 22:06
└3592. Re: 共分散分析への多重比較の適用 太郎 2004/07/01 (木) 11:09
 └3603. Re^2: 共分散分析への多重比較の適用 もし 2004/07/02 (金) 10:08
  └3606. Re^3: 共分散分析への多重比較の適用 太郎 2004/07/02 (金) 13:44
   └3610. Re^4: 共分散分析への多重比較の適用 もし 2004/07/02 (金) 17:58


3585. 共分散分析への多重比較の適用 もし  2004/06/29 (火) 22:06
動物の3種(種A,種B,種C)において,体長とツノの長さ(闘争時の武器となる)の関係式として,線形回帰式をそれぞれあてはめました.これらの回帰式を比較するため,
(1)種A vs. 種B
(2)種A vs. 種C
(3)種B vs. 種C
の組み合わせで,それぞれ共分散分析を行いたいと思います.

私がほしい結果(議論したい内容)は,「体長に対するツノの長さ(武器の大きさ)は,種Aが最も大きく,次いでC,Bは最も小さかった.」というものです.

この分析とき,多重性を重視し(http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc028/02585.html
にあるように),ボンフェローニを適用すべきかもしれません.
しかし,
永田靖・吉田道弘著「統計的多重比較法の基礎」サイエンティスト社
の,28ページには,「多群であればいつも多重比較という考えは間違いである」ことが書かれています.私の読解力では,いまいちこの本の内容を,完全に理解することができません.(恥ずかしながら,本のレベルについていけておりません.)

私の例の場合,多重比較することが正しいのでしょうか?どなたか,多重比較の適用方法に詳しい方が,いらっしゃいましたらご教授ください.また,この類の文章が書かれている本やホームページの情報がありましたら,教えてください.

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3592. Re: 共分散分析への多重比較の適用 太郎  2004/07/01 (木) 11:09
>動物の3種(種A,種B,種C)において,体長とツノの長さ(闘争時の武器となる)の関係式として,線形回帰式をそれぞれあてはめました

 3群の共分散分析では,通常3群をまとめて共分散分析し,傾きの同一性(回帰の平行性)を検定します。
 そこで3群の回帰の平行性が棄却された場合で,各処理の傾きの対比較を行いたいときには,ボンフェローニやシダックの不等式により有意水準の調整をして2つの処理ごとに共分散分析を行えばよいと思います。
 3群の回帰の平行性が棄却されなかったときは,各処理の回帰係数は同一とみなして各処理の定数項の多重比較をボンフェローニ法により行うのが一般的です。
 これらの手続きを詳述しているHPを私は知りませんが,本では少し古いものですが,パソコン統計解析ハンドブックIII 実験計画法編(共立出版)があります。(ただし,この本では2つの処理ごとに有意水準を調整して共分散分析を行う手続きは記述されておりませんが)

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3603. Re^2: 共分散分析への多重比較の適用 もし  2004/07/02 (金) 10:08
太郎さん,どうもありがとうございます.
私の悪い説明のために誤解を生じてしまったようです.申し訳ありません.私が,まさに知りたいのは,私の例の場合には多重比較の適用が正しいのか,ということです.

つまり,永田・吉田の著書(タイトル等は上に述べました)の28ページの16行目以降には,「既存薬AとBのそれぞれの効果と,それらを組み合わせた配合薬Cの効果を比較するための検定方法」に関する説明がなされています.

この著者らは,「この場合,ダネットの方法を適用することが正しいと思う読者が多いであろう」と述べ,「しかし,それは多重比較法の誤用である」と述べています.

すなわち,この配合薬Cの効果を結論付けるためには,「CがAよりも優れている,もしくは(or),CがBよりも優れている」ではなくて,「CがAよりも優れていて,しかも(and),CがBよりも優れている」ことを示さなければなりません.

著者らは,前者(すなわち,orの論理)の場合は,多重比較法を用いる必要があるが,後者(andの論理)の場合は,多重比較は適切でなく,2標本のt検定の繰り返しの適用が正しいと,述べています.

私の例の場合は,3種の角の長さ(成長に伴った)について,順位をつけたいので,andの論理であるような気がします.しかし,自信がほありません.

私のこれまでの概念では,多群であれば多重比較をあてはめるのが普通であると思っていましたが,この本(永田・吉田著)の上に記した部分を読んでからは,ちょっと不安になってきました.

そこで,この掲示板を読まれている方々(統計の猛者たち)に,お聞きしました.

共 分散分析の手法に関しては,太郎さんのおっしゃるとおりのことを,大体は理解しておりました.しかし,「シダックの不等式」というのを知りませんでした し,「パソコン統計解析ハンドブックIII」という本も知りませんでした.また,私の理解していた手法が正しいということもこのコメントで再確認できました. 有益な情報をありがとうございます.

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3606. Re^3: 共分散分析への多重比較の適用 太郎  2004/07/02 (金) 13:44
> 共分散分析の手法に関しては,太郎さんのおっしゃるとおりのことを,大体は理解しておりました.しかし,「シダックの不等式」というのを知りませんでした し,「パソコン統計解析ハンドブックIII」という本も知りませんでした.また,私の理解していた手法が正しいということもこのコメントで再確認できました. 有益な情報をありがとうございます.

 お尋ねの多重比較の適用法については,残念ながら私はお答えできません。
 なお,シダックの不等式は,「統計的多重比較法の基礎」の「第6章 ボンフェローニ法と関連する方法」の終わりの部分に記述されています。ただし,この不等式による有意水準の調整法は共分散分析における定数項の対比較には使えませんので注意して下さい。
ボンフェローニの不等式は,どのような対比較にも使えます。

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3610. Re^4: 共分散分析への多重比較の適用 もし  2004/07/02 (金) 17:58
>  お尋ねの多重比較の適用法については,残念ながら私はお答えできません。

そうですか,では,他の方からのレスを待つことにします.

> ボンフェローニの不等式は,どのような対比較にも使えます。

なるほど,ありがとうございます.勉強になります.

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