★ 臨床研究デザイン-同等性の証明 ★

2269. 臨床研究デザイン-同等性の証明 さとう 2004/02/09 (月) 00:06
└2270. Re: 臨床研究デザイン-同等性の証明 青木繁伸 2004/02/09 (月) 10:50
 └2273. Re^2: 臨床研究デザイン-同等性の証明 さとう 2004/02/09 (月) 11:21
  └2300. Re^3: 臨床研究デザイン-同等性の証明 DISIR 2004/02/10 (火) 21:58
   └2303. Re^4: 臨床研究デザイン-同等性の証明 薬剤評価者 2004/02/11 (水) 11:29


2269. 臨床研究デザイン-同等性の証明 さとう  2004/02/09 (月) 00:06
既存のAという手術法での周術期死亡率が5%である場合,新しい手術法Bを考案したとします。この手術法Bの周術期死亡率はAと同等であると動物実験などのより考えられる場合,それを証明するためにはどのような臨床研究デザインが適切でしょうか?例えば,帰無仮説を手術Bは手術Aより5%以上劣るとし,実際に1000例を手術法Aで手術したときの死亡率を5%*1.05=5.25%として52.5人が死亡したとなったデータと手術法Bとの成績で検定し,有意差がでた場合,同等であるとしてよいのでしょうか?

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2270. Re: 臨床研究デザイン-同等性の証明 青木繁伸  2004/02/09 (月) 10:50
> 有意差がでた場合,同等であるとしてよいのでしょうか?

有意差が出たら,同等ではないのではないでしょうか?

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2273. Re^2: 臨床研究デザイン-同等性の証明 さとう  2004/02/09 (月) 11:21
> > 有意差がでた場合,同等であるとしてよいのでしょうか?
>
> 有意差が出たら,同等ではないのではないでしょうか?

申し訳ありません。
5%以上劣ることはないとしてよいのでしょうか?
の間違いです。

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2300. Re^3: 臨床研究デザイン-同等性の証明 DISIR  2004/02/10 (火) 21:58
同等性試験ではなく非劣勢試験です。非劣勢試験で適当な検索エンジンで検索してみてください。ガイダンスが引っかかってきませんか?

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2303. Re^4: 臨床研究デザイン-同等性の証明 薬剤評価者  2004/02/11 (水) 11:29
>既存の手術法Aの周術期死亡率が5%である場合,新しい手術法Bの周術期死亡率はAと同等であることを証明するための適切な臨床研究デザイン

周術期死亡率5%ということで,怖くてコメントをつけるのをためらっていました。
あくまでも考察を深めるための問題提起として下記を指摘させていただきます。統計的見地からのものではないことをお断りするとともに,的外れ・不愉快に思われるかもしれませんがご容赦ください。

・術式Aの周術期死亡率が5%である根拠は?
 わずか0.25%の差を立証できるほど確実なものなのでしょうか?術式Aの実態が4.5%の場合,多くの患者を死に追い込むこことになります。私見ですがヒストリカルコントロールの精度はそれほど高くありません(わずかな差の検証には使えない)。
・周術期死亡率に与える術者の技術の影響について
 既知の問題だと認識しています(おそらく術式Aの周術期死亡率の算出にも影響)。多くの経験を積んだ術式Aに対し実質的に術式Bが優れているとしてもその導入時期には術式Bの周術期死亡率が高くなると予測されます。また,臨床応用してゆく中で,術式Bも改良されてゆくのではないでしょうか(全く違う術式にはならなくともB'ぐらいにはなる?)
・統計的立証が必要なのか?
 0.05%の有意水準をもって劣っていなければその手法は有用なのでしょうか?

正直,私にはわかりません。術式Bの採用にあたってはそのリスク(すくなくとも実績がない)とメリット(死亡率を減少させる,患者への浸襲をが少ない等)を冷静に評価する必要があると思います。また,術式B導入初期には死亡率が増加することはさけられないでしょうが,本当に術式Bが優れているのであれば,後期には患者を救うことになるので,倫理上の問題は回避できるでしょう(患者の同意取得が必要)。
 まず,サロゲートエンドポイントなどを用い,より少ない症例数で術式Aに対する術式Bの有用性を証明し,随時慎重に死亡率に対する検討を加えてゆく方がよいと思います(統計的なものではなく)。その後に,周術期死亡率,総死亡率などを評価項目として統計的な立証のための比較試験(同時対照集団を用いて)を実施したらいかがでしょう。

> 同等性試験ではなく非劣勢試験です。
 どちらでもかまいません(実質同義)

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