★ アメリカのBSE ★

2074. アメリカのBSE たけ 2004/01/29 (木) 01:54
├2083. Re: アメリカのBSE punto 2004/01/29 (木) 12:53
└2075. Re: アメリカのBSE 青木繁伸 2004/01/29 (木) 09:00
 └2087. Re^2: アメリカのBSE 青木繁伸 2004/01/29 (木) 14:37
  └2124. Re^3: アメリカのBSE たけ 2004/01/30 (金) 03:57


2074. アメリカのBSE たけ  2004/01/29 (木) 01:54
はじめまして。
先日,テレビを見ていましたら,アメリカ側は,牛肉の安全性について,1000万頭以上いる牛のうち2万頭検査すれば,99%は安全であるから,輸入の再開をしてほしいとの言い方をしていましたが,(99%安全であればいいかどうかは別として)これは統計学的に見て,どのような考え方によるものなのでしょうか。
BSEのような,いったん発生したら,拡大するものについても,一定のサンプル数でよいのでしょうか。

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2083. Re: アメリカのBSE punto  2004/01/29 (木) 12:53
1千万頭の内2万頭検査して 99% ですか….ちょっと計算をしてみました.

仮にこの1千万頭中に n 頭の BSE 牛がいたとします.するとこれは以下の事を言っている事になると思われます.

0.99 = Combination(1千万 - n, 2万) / Combination(1千万, 2万)

でこの n を求めますと 2千3百 とかになりますね.つまり,意地悪な言い方たをすると,全米に2千3百頭の BSE 牛がいるとき,この検査では 1% の確率でそれらを見逃す,と言っている事に同義ですね.

 これを安全と見るかどうかは思想の問題ですかね?思想だとしたら,確かに統計学は関係無さそうですね.

(御挨拶も無しの乱入お許し下さい.統計学関係の悩ましいことで web を漁っていると何故か青木先生の page に辿りついてしまうことが多く,勝手に私淑させて頂いている者です.失礼ついでにここに深く謝意を表しておきたいと思います.)

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2075. Re: アメリカのBSE 青木繁伸  2004/01/29 (木) 09:00
> アメリカ側は,牛肉の安全性について,1000万頭以上いる牛のうち2万頭検査すれば,99%は安全であるから,輸入の再開をしてほしいとの言い方をしていましたが,(99%安全であればいいかどうかは別として)これは統計学的に見て,どのような考え方によるものなのでしょうか。

統計学的根拠のある数字ではないでしょう。

また,2万頭で99%安全なら,そのうち200頭は危険で,当然ながら1000万頭の中では10万頭が危険ですから,これは危険以外の何者でもないでしょう。99%安全というのを過大評価させたいのでしょうが,99%というのが実際は問題にならないほど低い安全率妥当ことです。アメリカの当局者は,統計学はおろか算数を知らないのでしょう(^_^;)

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2087. Re^2: アメリカのBSE 青木繁伸  2004/01/29 (木) 14:37
あ,失礼しました>アメリカ当局者様

正確には,以下のようになりますね。
2万頭検査して1頭も狂牛病がいなかったとしたとき,母比率の95%信頼限界は上限が0.00015ですね(下限は0)。
*悪*く*見*積*も*る*と*,1000万頭の中には狂牛病は 1500頭いることになります。もちろん 0 であるかもしれませんが。
99% 信頼限界だと,上限は 0.00023 になりまして,2300頭いることになります。

「99%は安全」という言葉の取り方によりますが,統計学のおもしろい性質のためにこの数字を大きく言えば言うほど上限値が大きくなってしまうという素人にはわかりにくいことになってしまいます。

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2124. Re^3: アメリカのBSE たけ  2004/01/30 (金) 03:57
ありがとうございました。

1万頭検査の場合は,99%信頼限界で,1-α1/nに当てはめて,上限は0.00046となって,最悪4600頭いることになるのですね。

1万頭から2万頭に増やしたからといって,安全のことを考えるとあまり違わないような気がしますね。

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