「統計学関連なんでもあり」の過去ログ---020

★ 『カリエスリスク**倍!』と述べたいのですが ★

　147　『カリエスリスク**倍!　　と述べたいのですが』糸永　昭仁　　2002/07/26 (金) 00:45
　　150　Re: 『カリエスリスク**倍!　　と述べたいのですが』名無しさん　　2002/07/26 (金) 11:12
　　　156　Re^2: 『カリエスリスク**倍!　　と述べたいのですが』sb812109　　2002/07/26 (金) 22:06

147.　『カリエスリスク**倍!』と述べたいのですが　　糸永　昭仁　　2002/07/26 (金) 00:45

はじめまして，
歯科検診の結果を保健指導に活用したいと思っている田舎の歯科医です。
昨年度の検診で次のような結果を得ました。
--------------------------------------- 　　　　　　　断乳完了　　　断乳未完了 --------------------------------------- 虫歯あり　　　　3名　　　　　3名 --------------------------------------- 虫歯なし　　122名　　　　　7名 ---------------------------------------
　ここで自習させて頂いているうちに，これはフィッシャーの正確確率検定を
用いて「比率の差がある（α=5%）」と述べられると理解できました。
これだけでも，個人的には大変な収穫で大変有り難く思っております。
　しかしながらこの検定結果は，『断乳が遅れると虫歯になり易い』という
経験的に得られている定性的な事実に統計学的根拠を与えたにすぎません。
　インパクトある保健指導をするために『カリエスリスク**倍!』と
述べたいのですが，統計学的根拠を伴ってこのように表現することは可能でしょうか?　
是非，皆様のお知恵を拝借したく存じます。宜しくお願い致します。
どのような方法があるのでしょうか?

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150.　Re: 『カリエスリスク**倍!』と述べたいのですが　　名無しさん　　2002/07/26 (金) 11:12

> 　インパクトある保健指導をするために『カリエスリスク**倍!』と
> 述べたいのですが，統計学的根拠を伴ってこのように表現することは可能でしょうか?　

公衆衛生学の教科書で，相対リスクとオッズ比というのを捜してみてください。例も載っているのではないかと思います（医師国家試験の範囲だけど，歯科医師の国家試験にはないのだろうか）。
注意すべきは，上のデータがオッズ比を計算するための条件を満たしているかどうか（データの集め方）です。
条件を満たしているとすれば，上のデータでは，オッズ比 17.4，95%信頼区間が[3.0, 102.6]です。

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156.　Re^2: 『カリエスリスク**倍!』と述べたいのですが　　sb812109　　2002/07/26 (金) 22:06

> 注意すべきは，上のデータがオッズ比を計算するための条件を満たしているか
> どうか（データの集め方）です。

恐らくデータは，横断研究により収集されたものでしょう。妥当性に問題が生じる
可能性があります。断乳（と云うのですか）の有無は，観察期間と交絡している可
能性もあると思われます。つまり，断乳している群は，単に，観察期間が短いだけ
かもしれません。

従って，授乳期間により，被験者を3分割し虫歯の有無の数を数えた方が，多少，ま
しかなと思います。

授乳期間 N　虫歯あり　無しオッズ比 ------------------------------------ 短い 50 25 25 1 中程度 50 30 20 1.5 長い 50 35 15 2.3 -----------------------------------
解釈:授乳期間が長い群は，短い群に較べて”2.3”倍，虫歯になりやすい。
””は，オッズ比なので。詳しくは，相対危険度とオッズ比の相違を調べて下さい。

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