★ 用量反応性を見る場合 ★

 332 用量反応性を見る場合  やまさん  2002/04/03 (水) 11:56
  333 Re: 用量反応性を見る場合  青木繁伸  2002/04/03 (水) 14:10
   334 Re^2: 用量反応性を見る場合  やまさん  2002/04/03 (水) 16:12
    335 Re^3: 用量反応性を見る場合  青木繁伸  2002/04/03 (水) 16:41
     336 Re^4: 用量反応性を見る場合  やまさん  2002/04/03 (水) 18:44


332. 用量反応性を見る場合  やまさん  2002/04/03 (水) 11:56
最近,医学統計を学びはじめたものですが,薬剤の用量反応性を見る試験の場合,
新薬臨床評価ガイドライン(2001年版131P)には,「有効性の根拠は2群間に
有意差がない場合でも,用量の増加に伴う傾きが有意に正の値を示すという
根拠によって得られる」とありますが,どう言う状況のことを指すのでしょうか?
群間に有意差がなく,傾きが有意にあるというのは平均値では差がある程度あり,
バラツキが大きいということでしょうか?
また,傾きが有意に正であるというのはどのような手法で求めれば良いのでしょうか? お教え頂ければ幸いに存じます。 やまさん

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333. Re: 用量反応性を見る場合  青木繁伸  2002/04/03 (水) 14:10
> 「有効性の根拠は2群間に
> 有意差がない場合でも,用量の増加に伴う傾きが有意に正の値を示すという
> 根拠によって得られる」とありますが,どう言う状況のことを指すのでしょうか?

二群間に有意差がないというのは,用量の隣り合う二群間ということでしょうか。そういうことならば,隣り合う二群間の平均値には差がないけど正の用量-反応関係があるということはあり得ます。

下のようなデータのように。
1群    2群    3群
0      10     20
2.00   2.29   2.98
2.13   2.91   2.79
2.56   2.91   2.95
2.82   2.14   2.35
2.34   2.31   2.42
2.85   2.84   2.70
2.30   2.81   2.89
2.00   2.59   2.87
2.01   2.45   2.81
2.66   2.91   2.64
 
1群対2群 P値=0.09711
2群対3群 P値=0.30025
回帰の分散分析 P値=0.00661
> また,傾きが有意に正であるというのはどのような手法で求めれば良いのでしょうか?

回帰分析です。この場合は直線相関(単相関)なので,相関係数の有意検定と同じです。

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334. Re^2: 用量反応性を見る場合  やまさん  2002/04/03 (水) 16:12
早速のご教授有難うございます。例を出していただき非常にわかり易かったです。
もうひとつお聞かせください。
海外である物質の用量反応を調べた試験成績があり,日本で類薬を用いて同様の結果を得られることを期待して試験を行いたいと考えています。(海外で行われた試験結果を参考に症例数を算出したいのですが,,)
以下の情報化からどのような手法を持ちいて症例数を算出するのが妥当かをお教えください。
1)各群(3用量+コントロール(無投与))の効果の平均値とSEM
2)各群のN数
3)海外の試験では有意さを出すのにWilcoxonの順位和検定をもちいた。
以上の3つがわかっていることです。
2群であれば,SEをNでSDにしてt-testで算出するところですが,,4群でどのような手法が妥当か(もしくは無謀か,,)アドバイス(出来れば算出する公式なども)頂ければ幸いです。 非常に素人的な質問で申し訳ありません。 やまさん

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335. Re^3: 用量反応性を見る場合  青木繁伸  2002/04/03 (水) 16:41
現掲示板の176からのスレッドが参考になるかもしれません。

176: t検定,分散分析の標本数について

187に出てくる G*Power についての URL を再掲しておきます。

G*Power トップページは
http://www.psycho.uni-duesseldorf.de/aap/projects/gpower/index.html
ダウンロードもここからです。

How to Use G*Power は
http://www.psycho.uni-duesseldorf.de/aap/projects/gpower/how_to_use_gpower.html

SPSS からは,sample Power という製品が出ているそうです(私は未確認)

さて,Wilcoxon の順位和検定を使うとか書いてありますが,3群以上の場合には???ですが。

上述のG*Power なりで出した一元配置分散分析に必要なサンプルサイズを,そのノンパラ版であるクラスカル・ウォリス検定に必要なサンプルサイズに結びつけるには,クラスカル・ウォリス検定の効率を考えればいいのでは?
クラスカル・ウォリス検定は,最強力なパラメトリック検定である一元配置分散分析と比較して3/π=95.5%の効率であるということから,サンプルサイズは一元配置分散分析の場合の1/0.955=1.047 倍用意すれば同じ検出効率が得られるのではないでしょうか。

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336. Re^4: 用量反応性を見る場合  やまさん  2002/04/03 (水) 18:44
有難うございます。お教え頂きました手法をもとに変数を入れて症例数の
算出を行ってみます。
また,疑問点があれば質問させてください。 やまさん

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