★ 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析) ★

 164 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  ゆき  2001/11/12 (月) 12:56
  165 Re: 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  青木繁伸  2001/11/12 (月) 21:08
   169 Re^2: 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  ゆき  2001/11/12 (月) 22:33
    170 Re^3: 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  青木繁伸  2001/11/12 (月) 22:38
     172 Re^4: 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  ゆき  2001/11/12 (月) 22:51


164. 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  ゆき  2001/11/12 (月) 12:56
続けての質問,申し訳ありません.
ある尺度(15項目)を利用して調査を行なったところ,ほぼすべての観測変数において天井効果が認められました(6段階評定:6-50%, 5-20%, 4-20%, 3・2・1-5〜10%程度).
こうした分布においては,単純に連続的変数とみなして分析をするのは問題であることはわかるのですが,かといって,順序カテゴリ変数とみなして分析を適用することにも躊躇しております.
しかし,主成分分析や因子分析を強行すると,それなりに興味深い結果が得られ,ノンパラメトリックなレベルにまで落とすのはもったいないような気がしています.
私としては強行したいのですが,これは問題でしょうか.

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165. Re: 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  青木繁伸  2001/11/12 (月) 21:08
> ある尺度(15項目)を利用して調査を行なったところ,ほぼすべての観測変数において天井効果が認められました(略)
> こうした分布においては,単純に連続的変数とみなして分析をするのは問題であることはわかるのですが,かといって,順序カテゴリ変数とみなして分析を適用することにも躊躇しております.

天井効果という言葉ははじめて聞きますが,要するにデータがゆがんでいるということですね。
このことと,連続的変数と見なすことに(問題があるということは別です。
たとえば,試験の成績データにおいて,その試験があまりにも易しすぎて90点以上を取るものがほとんどであるような場合も,「連続データではあるが,天井効果のあるデータ」ということでしょう。

したがって,今の場合,主成分分析や因子分析が「多変量正規分布」を仮定しているものだとすると,
1:多変量正規分布に従わないデータ(対称ではない)
2:連続変数ではない(順序尺度に従うデータである)
という,二つのハンディキャップがあるわけです。

そのような状況を考慮した上で,分析結果が意味ありそうならば,その状況の下で制約をおいた上で解釈すればいいのではないでしょうか。

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169. Re^2: 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  ゆき  2001/11/12 (月) 22:33
早速のご教授,どうもありがとうございました.

> 天井効果という言葉ははじめて聞きますが,要するにデータがゆがんでいるということですね。

おっしゃるとおりです.ひどくゆがんだ分布です.(天井効果という言葉は,あまり一般的ではないかもしれません.心理尺度を作成する際の項目分析において使われるかと思います)

> このことと,連続的変数と見なすことに(問題があるということは別です。

私の理解が間違っていました.
心理測定尺度においては,5件法以上は間隔尺度(連続データ)とみなして因子分析にかけることが多いのですが,天井効果があると何件法であるかは大きな意味をなさないのではないだろうか→連続データとみなしてはいけないのではないか
という,変な論理を構築してしまっていました.
でも,そもそもこうした分析が「多変量正規分布」を仮定している,という前提が抜け落ちていました.すっきり理解できました.

> そのような状況を考慮した上で,分析結果が意味ありそうならば,その状況の下で制約をおいた上で解釈すればいいのではないでしょうか。

制約,というのはどういった意味でしょうか?よろしければお教えください.

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170. Re^3: 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  青木繁伸  2001/11/12 (月) 22:38
> 制約,というのはどういった意味でしょうか?よろしければお教えください.

つまり,厳密には順序尺度で測定される,正規分布とはかなり異なるゆがんだ分布のデータということです。

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172. Re^4: 天井効果をきたしている観測変数の因子分析(主成分分析)  ゆき  2001/11/12 (月) 22:51
わかりました,ありがとうございます.

必要性や満足度に関する調査を行なった場合,たとえば「介護サービスに関する必要性」に関する調査を行なった場合,何件法にしても,すべての項目について「非常に必要である」という項目に回答が集中し,「必要でない」と答える人はほとんどない,という結果に陥りがちです.そのため,こうした分野の研究はカテゴリカルデータとして扱いノンパラメトリックな検定を行なうのが一般的です.あるいはコンジョイント分析などなされるようです.


偏りのある分布であっても,そこに潜在するであろう因子(主成分)はとても興味深く,項目間の相関係数や生データの雰囲気?(感覚的な言葉ですみません)
をうまく反映しているような印象を受けます.

何にでも意味を見出してしまうという人間の特性のためかもしれませんが.

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