★ F検定や分散分析の結果の見方 ★

 235 F検定や分散分析の結果の見方  かんな  1999/05/06 (木) 20:43
  237 Re: F検定や分散分析の結果の見方  青木繁伸  1999/05/06 (木) 21:57
   243 Re^2: F検定や分散分析の結果の見方  青木繁伸  1999/05/08 (土) 01:05
   238 Re^2: F検定や分散分析の結果の見方  青木繁伸  1999/05/06 (木) 22:06
  236 Re: F検定や分散分析の結果の見方  青木繁伸  1999/05/06 (木) 21:46


235. F検定や分散分析の結果の見方  かんな  1999/05/06 (木) 20:43
Excel97で統計処理を行った場合の,結果の味方について質問です。
以下は以前に他の方に質問した際に,解決できなかった質問メールです。

分析ツールで,F検定や分散分析ってありますよね。
これらの検定結果を見るには,観測された分散比とF境界値とを比較し,観測された分散比がF境界値を越えている場合は有意な差があると考えていいのでしょうか?
検定したまではいいのですが,検定結果の見方がよくわかりません(;;)
また,これらの場合,観測された分散比は絶対値がF境界値を越えているかどかということを見るのでしょうか?
また,F検定や分散分析に限らず分析ツールにあるアドオンマクロ(?)を使った場合の検定結果の見方は,T検定と同様に,境界値を越えているかどうかを見ればいいのでしょうか?

     [このページのトップへ]


237. Re: F検定や分散分析の結果の見方  青木繁伸  1999/05/06 (木) 21:57
補足しておきます。

境界値(統計学的には“臨界値”という用語の方が良いと思いますが)と検定統計量を比べてもいいのですが,それを進めない理由は前の発言で書いた URL に書いてあったと思います。

しかし,そのような方法をとる場合には注意が必要です。
分析ツール「一元配置分散分析」の「F境界値」は,「有意水準が 0.05 のときに,計算された検定統計量がそれ以上になると有意である」値になっていますね。

従って,検定するときの有意水準が 0.05 以外のときにはこれは利用できないことになります。
「F 境界値」は finv(0.05,第一自由度,第二自由度) で計算される値を表示しているわけです。

ちなみに, p 値は fdist(検定統計量,第一自由度,第二自由度) で計算されます。

finv と fdist は互いに逆関数の関係になっています。
詳しくは,
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/stats-by-excel/part3.html
をみてください。

     [このページのトップへ]


243. Re^2: F検定や分散分析の結果の見方  青木繁伸  1999/05/08 (土) 01:05
> 分析ツール「一元配置分散分析」の「F境界値」は,「有意水準が 0.05 のときに,計算された検定統計量がそれ以上になると有意である」値になっていますね。
>
> 従って,検定するときの有意水準が 0.05 以外のときにはこれは利用できないことになります。
> 「F 境界値」は finv(0.05,第一自由度,第二自由度) で計算される値を表示しているわけです。

ダイアログボックスに,有意水準を入力する欄がありますね。見落としていました。
デフォールトで 0.05 になっているだけですね。
指定した有意水準に応じた「F 境界値」が計算されます。

     [このページのトップへ]


238. Re^2: F検定や分散分析の結果の見方  青木繁伸  1999/05/06 (木) 22:06
> 境界値(統計学的には“臨界値”という用語の方が良いと思いますが)と検定統計量を比べてもいいのですが,それを進めない理由は前の発言で書いた URL に書いてあったと思います。

理由ははっきりと書いてなかったですね。

簡潔にいえば,以下の理由です。

もし,「有意水準5%で検定した結果有意であった」という報告を読んだ人が,「私は有意水準1%で検定した結果を知りたい」と思った場合,検定統計量の値が記載されていれば自分で p 値を計算したりあるいは1%臨界値と比較することによって結果を導く必要があるわけです。
もし,「有意水準5%で検定した結果有意であった(p 値は 0.0123)」というように報告すると,読者に余計な負担をかけないだろうということです。

これは些細な理由ですが,他には meta-analysis などで,報告された p 値の情報から更なる分析を行う場合があるということも理由として挙げられるでしょう。

いずれにしても,最近の統計学においては,p 値を記載するのがまっとうなやり方になっています。

     [このページのトップへ]


236. Re: F検定や分散分析の結果の見方  青木繁伸  1999/05/06 (木) 21:46
> 分析ツールで,F検定や分散分析ってありますよね。
> これらの検定結果を見るには,観測された分散比とF境界値とを比較し,観測された分散比がF境界値を越えている場合は有意な差があると考えていいのでしょうか?
> 検定したまではいいのですが,検定結果の見方がよくわかりません(;;)
> また,これらの場合,観測された分散比は絶対値がF境界値を越えているかどかということを見るのでしょうか?

検定結果表に出ている「p-値」というところの数値を見ます。
これが有意水準より大きければ,「その有意水準のもとで有意ではない」
小さければ「その有意水準のもとで有意である」
ということです。

私のページでは,「p-値」のことを「有意確率」と書いてありますが同じことです。
ちなみに,英語では p-value といいます。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Kentei/kentei.html
をみてください。

また,一元配置分散分析(F 検定---この用語法はお勧めしませんが)の場合については,
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Average/oneway-ANOVA.html
をみてください。

     [このページのトップへ]


● 「統計学関連なんでもあり」の過去ログ--- 001 の目次へジャンプ
● 「統計学関連なんでもあり」の目次へジャンプ
● 直前のページへ戻る