母数 $\theta$ を持つ母集団から,大きさ $n$ の標本 $X_{1}, X_{2}, \dots , X_{n}$ が抽出されたとする。
この標本について統計量 $T_{n} = T( X_{1}, X_{2}, \dots , X_{n} )$ を考える。
$T_{n}$ の期待値が $\theta$ である場合に,$T_{n}$ は $\theta$ の 不偏推定量 という。
\[ E[T_n] = \theta \]
明らかに標本平均 $\bar{X}$ は,母平均 $\mu$ の不偏推定量である。
母分散 $\sigma^{2}$ の推定値としては,次式で定義される $V$ は不偏ではなく,$U$ は不偏である(不偏分散と呼ぶ)。
\[ \begin{align*} V &= \frac{\displaystyle \sum_{i=1}^n \left (X_i-\bar{X} \right )^2} {n} \\ U &= \frac{\displaystyle \sum_{i=1}^n \left (X_i-\bar{X} \right )^2} {n-1} \end{align*} \]
演習問題:
「$a$,$b$ が正数( $a \neq b \gt 0$ ),$n$ が標本の大きさ,$\bar{X}$ が平均値であるとして,次式で定義される $\tilde{X}$ は,一致推定量の基準を満たすが,不偏推定量の基準は満たすか。」
\[ \tilde{X} = \frac{n+a}{n+b}\ \bar{X}, a\ne b > 0 \] 解答
応用問題: