対応のある場合の平均値の差の検定     Last modified: Nov 07, 2002

例題

 「10 人の被検者について,ある測定値を得た。同じ被検者に対して,1 年後にもう一度測定した。その結果を表 1 に示す。1 年間で平均値に差があったかどうか検定しなさい。」

被験者 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
$X_{i}$ 269 230 365 282 295 212 346 207 308 257
$Y_{i}$ 273 213 383 282 297 213 351 208 294 238
$X_{i}-Y_{i}$ $-$4 17 $-$18 0 $-$2 $-$1 $-$5 $-$1 14 19


検定手順:

  1. 前提

  2. $n$ ケースの,対応のある $2$ 変数を $X_{i}$,$Y_{i}$,両者の差を $d_{i} = X_{i} - Y_{i}$ とする($i = 1,2,\dots ,n$)。

    例題では,$n = 10$,$d_{1} = -4$,$d_{2} = 17$,$\dots$,$d_{10} = 19$ である(表 1 の 4 行目)。

  3. 以下の式で検定統計量 $t_{0}$ を計算する。

    \[ t_0 = \frac{\left |\ \bar{d}\ \right |}{\sqrt{\displaystyle \sum_{i=1}^n (d_i-\bar{d})^2}\ \Bigm /\ \sqrt{n\ (n-1)}} \] 例題では,$t_{0} = 0.5245275$ である。

  4. $t_{0}$ は,自由度が $n - 1$ の $t$ 分布に従う。

    例題では,自由度は $9$ である。

  5. 有意確率を $P = \Pr\{|t|\geqq t_{0}\}$ とする。
    $t$ 分布表,または $t$ 分布の上側確率の計算を参照すること。

    例題では,$\Pr\{|t|\geqq 2.262\}= 0.05$ であるから,$P = \Pr\{|t|\geqq 0.5245275\}\gt 0.05$ である(正確な有意確率:$P = 0.612584$ )。

  6. 帰無仮説の採否を決める。

    例題では,有意水準 $5\%$ で検定を行うとすれば($\alpha = 0.05$),$P \gt \alpha$ であるから,帰無仮説は棄却できない。すなわち,「平均値に差があるとはいえない」。

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応用問題


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