例題:
「10 人の被検者について,ある測定値を得た。同じ被検者に対して,1 年後にもう一度測定した。その結果を表 1 に示す。1 年間で平均値に差があったかどうか検定しなさい。」
被験者 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
$X_{i}$ | 269 | 230 | 365 | 282 | 295 | 212 | 346 | 207 | 308 | 257 |
$Y_{i}$ | 273 | 213 | 383 | 282 | 297 | 213 | 351 | 208 | 294 | 238 |
$X_{i}-Y_{i}$ | $-$4 | 17 | $-$18 | 0 | $-$2 | $-$1 | $-$5 | $-$1 | 14 | 19 |
検定手順:
例題では,$n = 10$,$d_{1} = -4$,$d_{2} = 17$,$\dots$,$d_{10} = 19$ である(表 1 の 4 行目)。
\[ t_0 = \frac{\left |\ \bar{d}\ \right |}{\sqrt{\displaystyle \sum_{i=1}^n (d_i-\bar{d})^2}\ \Bigm /\ \sqrt{n\ (n-1)}} \] 例題では,$t_{0} = 0.5245275$ である。
例題では,自由度は $9$ である。
例題では,$\Pr\{|t|\geqq 2.262\}= 0.05$ であるから,$P = \Pr\{|t|\geqq 0.5245275\}\gt 0.05$ である(正確な有意確率:$P = 0.612584$ )。
例題では,有意水準 $5\%$ で検定を行うとすれば($\alpha = 0.05$),$P \gt \alpha$ であるから,帰無仮説は棄却できない。すなわち,「平均値に差があるとはいえない」。
演習問題:
応用問題: