簡単にできるプラネタリウムについて Last modified: May 15, 2002
Sep 21, 1996
私自身作ったことはないのですが,群馬大学の学園祭で天文サークルが毎年教室内に小さな手作りプラネタリウムを公開しています。以下に観察した所見を書いてみます。参考にはならないでしょうが。
- ドームについて
直径4,5メートルの半球状のドームは,シーツのような薄くて白い布を縫い合わせて作っているようです(中には10人くらい入れます)。完全に半球でなくとも良いようです。女性もののおしゃれな傘に半球状のものがありますが,あんな感じです。また,半球状のドームの下に高さ70センチくらいの「たれ」をつけます(中に入った観客は座って見るので坐高くらいより高い部分が半球状のドームという具合です)。シーツで作っただけではだらりとしてしまうので,6〜8本くらい骨を入れる必要があるでしょう。骨はよく記憶にないのですが,細いワイヤー線だったと思います。針金ではダメで,ピアノ線のようにしなるけれども曲がらないような素材がよいのでしょう。骨は蝙蝠傘とは違い,外側に固定(縫いつけ)していたようです。これを教室の天井からつるします
裁縫なら5年生ならなんとかなるのではないでしょうか。半球に近い物体(例えば台所にあるボール)に紙をあてて縮小型紙を作り,それを拡大製図してシーツを裁断するとよいのでしょう。紙風船とか熱気球のバルーンが参考になると思います。外観としては丸いテントのようでもありますが。
- 投影機について
半球状の物体(これも2,30センチくらいの手頃の大きさの台所にある合成樹脂製のボールなど,あるいは教材を扱っている所で合成樹脂製の適当なものがあるかも)を2つ合わせて天球儀を作ります。光が漏れないように,内面を黒い塗料で塗っておくようです。
天球儀に赤経・赤緯を描き製図を見ながら主な星の位置を描き込みます。次がちょっとたいへんかも知れませんが,星の等級に応じて穴を空けます。太さの異なるドリルを何本か用意してやれば良いかと思います。注意点としては,穴の大きさはそんなに大きいものではないということ。最も大きい穴でも1,2ミリくらいかも知れません。天球儀の中心に電球を入れてその光を穴を通してドームへ投影するのですから,天球儀の大きさとドームの大きさを勘案して穴の大きさを決める必要があります。
天球儀は地軸に相当する箇所で,実際の場所の北極星の高度と同じように傾斜して設定します。この軸を中心にして回転出来るようにするわけです。
- 光源について
天球儀の中心に電球を固定します。電球のガラスが透明で,なるべく点光源に近い形状のものが良いでしょう。電球の明るさはそんなに明るい必要はないようです(天球儀の大きさにも依りますが,あまりワット数の大きいものだと発熱が問題になるでしょう)。部屋をくらくしてプラネタリウムを開始した当初は真っ暗で何も見えないのですが,だんだん目が慣れてくると弱い光もよく見えるようになるようです。
本物のプラネタリウムのようにぐるぐる回すわけではないので,電源コードは天球儀の南極あたりから引っぱり込めばいいのではないでしょうか。
- 設置する部屋について
暗幕設備が必要ですね(^_^;)。
Sep 21, 1996NIFTY-Serve の FSPACE の過去ログを検索したところ,いくつか追加のヒントがありました。
- ドームについて
- ビニールシートを切って張り合わせ、扇風機で風を送るエアードーム方式
- 塩ビニールのパイプによる骨組みに内幕、外幕をかけてドームを作る
- 透明なアクリル半球の裏側にアルミ箔をはり、内側から穴をあける(これなら,穴あけは超簡単!)
- ホームプラネタリウムとして、光学メーカーのケンコーから、「スターメイト21」が発売されている。
定価29,800円、恒星数600(これじゃ,手作りにならないですね)
- 「プラネタリウムへ行きたくなる本」小林悦子,リバティ書房,1300円。
プラネタリウムのしくみやシナリオ作成などの舞台づくりなど(私は読んでない)
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