改訂版に対する批判     Last modified: May 15, 2002

D. S. Salsburg ( 1977 ) : Theoretical problems in the modified Mantel - Bryan procedure. Biometrics, 419 - 421.

 自然発生率の推定値が 0 以下になることがたびたび生じるなど。基本的には原法の考え方に立っており,自然発生率が高くなく,1 種類の実験結果の分析ならば,原法で良いであろう。

 EPA などでは,マンテル・ブライアン法は緩すぎる VSD を与えると考えている。これは前述のマンテル・ブライアン法( 原法 )に対する批判と矛盾している。これは,評価の基準が変わってきたことがその原因である。現在では多くの場合,リニアライズド・マルチステージモデルが採用されて,直線外挿による VSD の算出が主流になっているようである。直線外挿は最も厳しい VSD を与える。

 実際のリスクアセスメントにおいては,用量段階数が少ない実験データしか利用できない場合も多いのが現状であろう。このような場合には,パラメータの多い数学モデルが適用できないので,当分の間はマンテル・ブライアン法もその限界を認識した上で併用していくことも必要であろう。どのモデルによって VSD を求めるかは,対象物質ごとに考えなければならない。


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