10月24日から11月22日生まれの人が蠍座です。
ギリシア神話では,この蠍はオリオンを刺し殺した蠍です。オリオンが自分の強さを自慢していたのを女神ヘーラが憎み,大蠍を放ち,オリオンは刺されて死んでしまいました。オリオンも星座になりましたが,蠍を恐れて,蠍座が見えている間は天に昇ってきません。蠍は夏の空,オリオンは冬の空に住み分けています。
蠍の心臓にあたる赤い星がアンタレスです。アンタレスは“アンチ・アーレス”で“火星(アーレス)に対抗するもの”という意味です。火星の軌道(黄道)がこの近辺を通っているので,火星がアンタレスの近くに来ると,赤い星が二つ競い合うように輝くことからこのような名前がついたということです。
私の生まれた香川県ではアンタレスを“荷売り星”と呼んでいました。アンタレスの左右にある二つの小さな星(τとσ)とともにこれを天秤棒とみなし,天秤棒がしなっていると「今日はあまり売れなかったらしい。荷が残っているので天秤棒がしなっている」と解釈するようでした。
また,一般的にサソリの尻尾のJ型を釣り針と見て,鯛釣り星と呼ぶところが多いようです。