x | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
y | 1 | 2 | 2 | 4 | 3 | 3 | 2 | 2 | 3 | 4 |
結果は,以下の通りだったんです。
分析ツールの回帰分析の結果の重相関係数 R,決定係数 R2(重決定というのはなんだ(^_^)),補正 R2 が変だし,図中に書き込まれる R2 も同じく変。
![]() |
概要 | ||||||||
回帰統計 | ||||||||
重相関 R | 0 | |||||||
重決定 R2 | -0.4257885 | |||||||
補正 R2 | -0.5368996 | |||||||
標準誤差 | 1.15357528 | |||||||
観測数 | 10 | |||||||
分散分析表 | ||||||||
自由度 | 変動 | 分散 | 観測された分散比 | 有意 F | ||||
回帰 | 1 | -3.5766234 | -3.5766234 | -2.6877033 | #NUM! | |||
残差 | 9 | 11.9766234 | 1.33073593 | |||||
合計 | 10 | 8.4 | ||||||
係数 | 標準誤差 | t | P-値 | 下限 95% | 上限 95% | 下限 95.0% | 上限 95.0% | |
切片 | 0 | #N/A | #N/A | #N/A | #N/A | #N/A | #N/A | #N/A |
X 値 1 | 0.40779221 | 0.05879164 | 6.93622777 | 6.7876E-05 | 0.27479618 | 0.54078824 | 0.27479618 | 0.54078824 |
手持ちの本をいろいろ調べたのですが,このへんのことが出ている本が見つかりませんでした。(後で思い出したのですが,スネデッカー・コクラン著(畑村,奥野,津村訳)「統計的方法 原書第6版」岩波書店の6章18節「原点をとおる直線のあてはめ」というところに詳しく書いてあります。)
SPSS はどんな風にしているかなと思ってやってみて,以下のようなことであるらしいと思います。
x y x^2 x・y 予測値 y^2 予測値^2 1 1 1 1 0.40779221 1 0.16629448 2 2 4 4 0.81558442 4 0.66517794 3 2 9 6 1.22337662 4 1.49665036 4 4 16 16 1.63116883 16 2.66071176 5 3 25 15 2.03896104 9 4.15736212 6 3 36 18 2.44675325 9 5.98660145 7 2 49 14 2.85454545 4 8.14842975 8 2 64 16 3.26233766 4 10.6428470 9 3 81 27 3.67012987 9 13.4698533 10 4 100 40 4.07792208 16 16.6294485 合計 385 157 76 64.0233766 a = 0.4077922 = 157 / 385 R^2 = 0.8424129 = 64.0233766 / 76 =予測値の平方和 / yの平方和 R = 0.9178305 分散分析表 平方和 自由度 平均平方 F値 回帰 64.023377 1 64.0233766 48.1112557 残差 11.976623 9 1.33073593 全体 76 10 回帰の平方和は「予測値の平方和」,全体の平方和は「yの平方和」プログラムの出力に下手でさっぱりわけの分からない日本語訳の注が付いています(SPSS Release 6.1.2)。 曰く,
Note # 10572 原点(切片なしのモデル)の場合,R二乗は,回帰によって証明(ママ;「説明」のミスタイプだと思う)される原点につ いて,yにおける変動性の割合を測定します。これは,切片を含むモデルのR二 乗値とは,比較できません。
# 以上の記述は,1997 年 1 月 30 日の話なのだが,今だに(2002 年 3 月 6 日)最新バージョンでも直されていない。
http://support.microsoft.com/default.aspx?kbid=215559で,まるでとんちんかんなことを言っている。x や y にゼロがあるかないかの問題ではない。
そして,このバグは,遺伝し続けていくのか。
# 以上の件からも当然予想できることではあるが,定数項を含まない“重回帰分析”の場合にも同じことが起きる。正しい計算法は,上記 SPSS の計算方法を参照。(2002/12/13 追記)
# Excel 2004 から直ったようである。しかし,グラフを描いて近似曲線を追加においてR2を表示すると言うところではバグは残ったままである。(2006/10/12 追記)