AWKに用意されている関数には以下のようなものがある。

• 数学関数
  　例えば，sqrt(-2) など，数学的に定義されていないときにはエラーになる。

  int(x)	引数 x の整数部分を返す。
  sqrt(x)	引数 x の平方根を返す。
  exp(x)	引数 x の指数を返す。
  log(x)	引数 x の自然対数を返す。
  sin(x)	引数 x の sin を返す（x はラジアン単位）。
  cos(x)	引数 x の cos を返す（x はラジアン単位）。
  atan2(y, x)	y / x のアークタンジェントを返す。
  rand()	0 以上 1 未満の乱数を返す。
  srand(x)	乱数の種 seedを設定する。

• 文字列操作関数
  　文字の位置は，1 から数える。すなわち，文字列の最初の文字の文字位置は 1 である。

  index(in, find)	文字列 in の中で，文字列 find の位置を返す。文字列 in に，文字列 find が 存在しないときは 0 を返す。
  length(string)	文字列 string の長さ（文字数）を返す。なお，length(5*20) は length("100") と解釈されるので 3 を返す。
  match(string, regexp)	文字列 string の中から，正規表現 regexp にマッチする文字列の開始文字位置を返す。マッチしないときは 0 を返す。match 関数は同時に，組込み変数 RSTART にマッチする文字列の開始位置，組込み変数 RLENGTH にその長さを返す（マッチしないときはそれぞれ 0 と -1 を返す）。
  split(string, array, fieldsep)	文字列 string を，区切り文字 fieldsep でフィールドに区分し，各フィールドを配列 array に格納する。関数の値としては，フィールドの数を返す。 例：split("a,bc,def", table, ",") は 3 を返し，table[1]="a"，table[2]="bc"，table[3]="def" になる。
  sprintf(format, expression,...)	式 expression を，書式 format で変換した結果の文字列を返す。
  sub(regexp, replacement, target)	文字列 target の，正規表現 regexp にマッチする文字列を 1 回だけ，置き換え文字列 replacement で書き換える。返す値は，置き換えられた数である。すなわち，置き換えがあったら 1，なかったら 0。
  gsub(regexp, replacement, target)	文字列 target の，正規表現 regexp にマッチする全ての文字列を，置き換え文字列 replacement で書き換える。返す値は，置き換えられた数である。
  substr(string, start, length)	文字列 string の，文字位置 start から,長さ length の文字列を返す。
  tolower(string)	文字列 string 中の英大文字を英小文字に変換した文字列（小文字はそのまま）を返す。
  toupper(string)	文字列 string 中の英小文字を英大文字に変換した文字列（大文字はそのまま）を返す。

• 入出力関数
  　getline は特殊な入力関数で，初心者には勧めない。
  　getline はレコードが見つかれば 1 を返し，ファイルの終わりに達したときには 0 を返す。もし，レコードの読み込み中になんらかのエラーが発生したり，ファイルがオープンできなかったりした場合には -1 を 返す。このとき AWK は ERRNO という組込み変数にエラーが発生したことを表わす文字列をセットする。

  getline	カレント入力ファイルからレコードを入力し，入力レコードはフィールドに分割される。
  getline var	レコードを変数 var に読み込む。入力レコードはフィールドには分解されない。$0, NF, NR, FNR は変更されない。
  getline < file	入力ファイル file からレコードを入力し，入力レコードはフィールドに分割され，NF，$0, $1, ..., $NR は変更される。NR, FNR は変更されない。
  getline var < file	入力ファイル file から変数 var にレコードを入力する。NF，$0, $1, ..., $NR, NR, FNR は変更されない。
  command | getline	コマンド command の出力をパイプを通じて getline で受ける。レコードをフィールドに分割し，NF をセット して $0 を再計算する。このとき，NR と FNR は変更されない。close(command) 処理が必要。
  command | getline var	コマンド command の出力をパイプを通じて getline に渡し，さらに変数 var に格納する。どの組み込み変数も変更されず，読み込んだレコードのフィールド分割も行われない。close(command) 処理が必要。
  close(filename) close(comand)	入出力ファイル filename またはパイプ command を閉じる。
  system(command)	オペレーティングシステムのコマンドを実行する。